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創造営2021のスタイリングメモと注目練習生④

ダラダラ書いていたら膨大な量になってしまったためその2です。
ところで応援王になるともらえる『創造豆』って結局なんなのだろうか。てっきり敗者復活などに使える重要アイテムかと思っていたが、全くそんな気配はない。最終回までに解いてほしい謎である。

■第3回公演 『卫星XL』

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全員HELIOT EMILで揃えた近未来風コーデでK-POPアイドルっぽいスタイリング。BTSか。
ジャケットもパンツも小物もほぼすべてHELIOT EMILのよう。タクティカルベルトやカラビナ、ハーネスなどミリタリーでハイテクなディテールが楽曲に合っていて、攻めたスタイルが最高にクール。俞更寅や胡烨韬が衣装小物をうまく使ってパフォーマンスしていたのもセクシーだった。
このブランドはレディースも辛口スタイリッシュで、Amberのボーイッシュな魅力を引き立てている。
中国のこういった類の番組ではタトゥーやピアスはご法度なため、ダーティだったりアグレッシブなスタイリングはなかなかし難いのではと推察するが、その制約のなかで毎回バラエティに富んだコーディネートを繰り広げてくれるので、衣装だけでも見ていて楽しい。ぜひスタイリングブックを出していただきたい。

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メンバー全員が従来のそれぞれのイメージとガラッと変えたステージングを披露し、高難度の曲とダンスをこなしていたのには賞賛をおくりたい。今回の6パフォーマンスの中で最もギャップを見せられたステージだったと思う。楽曲自体も全6曲の中で一番音楽としての完成度が高いように感じたし、単純に曲も振付もめちゃくちゃアガる。
練習室版はチームの仲の良さが垣間見えるチャーミングなパフォーマンスで、本番とはまた違った味わいがあるのでおすすめです。

■第3回公演『卫星XL』(練習室版固定カメラ)

■第3回公演 『卫星XL』(練習室版Movingカメラ)

他チームの学姐が一部パートのみのfeaturing出演だったのに比べ、このチームだけはメンターのAmberがいちメンバーとしてフルパフォーマンスしていたのも素晴らしく、見応えがあった。双子の姉兄のAmberと俞更寅、わんぱくな弟の荣耀に小生意気な妹の胡烨韬、やんちゃないたずらっ子の弟Caelanと末っ子ベビーの井汲大翔…というファミリーっぽい雰囲気で全員のキャラが立っていて、非常に統率がとれていた。

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特にセンターのCaelanとAmberはルックスも似ていて並ぶと本当の姉弟みたいで、それがよりパフォーマンスの一体感を高めていたように思う。「もはやこのチームでデビューしてくれ!」その2である。
メンバーもAmberも短期間でこのクオリティのパフォーマンスを仕立ててくるのには驚愕したし、心底そのプロ根性に感服する。

卫星XL』ステージ動画

それまであまり目立っていなかった荣耀だが、よく伸びる歌声とキュートなアイドルフェイスに注目してこなかったことを詫びたくなった。めちゃくちゃ整った顔をしている。バキバキのダンス曲なのに終始ニコニコしているのもなんだか抜けていて微笑ましい。惜しむらくは坊主か。なぜそのヘアスタイルで参加したのか…やや勿体ない気もする。 

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パフォーマンス中盤のAmberと俞更寅の絡み、最高ではないですか?
ちゃんとセクシーだけれどヘルシーで、俞更寅がしっかりリードしつつも阿吽の呼吸の双子感があってとてもエモい。それまでの公演では好青年風だった俞更寅が男っぽい面を見せてくれたのもギャップがあって良かったし、さすがファンから「リアコお兄さん」の異名をとるだけあります。
全員のエネルギッシュなステージングとテンションが圧倒的で、エンタメ性の高い気持ちのいい公演だった。
『卫星XL』、第3回公演までで一番好きなパフォーマンスかもしれない(なお『女孩』は殿堂入りとする)。

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アグリーダンスパーティー、良すぎる。


⑩ジャンルレス小悪魔美少年『胡烨韬(Hu Yetao/フー・イエタオ)』

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■順位&クラス遷移
37位→34位→29位→25位→31位→32位→27位→25位
A→A→A→B→B/主題歌クラスA

■パフォーマンス履歴
レベル分けテスト『不怕不怕』『Respond+樱花
第1回公演『作为怪物
第2回公演『Believer
第3回公演『卫星XL

「イケメンすぎるタピオカ屋バイト」とバズったtiktok有名人で、ジェンダーレスなビジュアル系ルックスが唯一無二の存在。
歌もダンスも決して突出しているわけではないが、自分の見せ方が上手くて人目を惹き付ける華がある。メイク映えする顔立ちで、K-POPでいうところの『退廃美』を武器に、その図抜けた個性で戦ってきた練習生だ。オタサーの姫とでも言うのだろうか、ギャル感があってちょっとこまっしゃくれた性格もいい。
番組開始当初から練習生間での人気も高く、メンターにも評価されてカメラに抜かれる分量も多かった。奧斯卡との絡みがファンにも人気だったようだが、反して視聴者投票では順位が伸び悩んでしまう。 

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奮起して臨んだポジション評価の第2回公演『Believer』ではトレードマークの長髪をばっさりカットし、ボーイッシュなパフォーマンスでも魅せられることを証明した。「髪が長くても短くても自分は自分だから」と強気に言い放つ姿勢は、ラベリングが忌避されがちな昨今の芸能界の風潮にマッチしている。
しかしそれでも2回目の順位発表では淘汰ギリギリまで落ち込んでしまい、第3回公演前は「これがパフォーマンスできる最後のチャンスかもしれない」とキャラに反してかなり塞ぎ込んでいる様子が抜かれていた。
そんな落ち込む胡烨韬を励まそうと、チームメンバーが温かく彼に相対して励まし、それを受け取った本人が、心の蟠りが解けたかのようにはにかみながら「夢のチームです」とコメントしていたのは感動的だった。それまでは割とツンツンしていて、虚勢を張った様子がそれはそれで生意気で可愛かったのだが、番組終盤にきてようやく肩の力が抜けた様子を見せたのにはファンも安堵したのではないだろうか。
公演前にAmberが先輩としてアドバイスしてあげていたときに吹っ切れたような笑顔をしていたのも強く印象に残った。こういう場面で先輩アイドルであるメンターと新米アイドルである練習生との交流が見られるのも、プデュの醍醐味である。

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その甲斐あってか『卫星XL』ではとにかくステージを楽しむ堂々とした姿を見せてくれた。それまで特段注目していたわけではなかったのだが、大胆なステージングは目立っていたし、番組当初の小生意気な雰囲気が戻ってきてとても輝いていて、応援王も納得の結果だ。アピール力が高く、彼がカメラに映ると周りが霞むような気さえする。

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胡烨韬がAmberよりもフェミニンでセクシーなコーデなのが蠱惑的なキャラクターを体現していてとても良かった。肩出しジャケットのパフォーマンスしかり、スモーキーなアイメイクとキラキラのラメメイクも彼のコケティッシュな個性にマッチしている
どんな結果になっても、個性を失わず周囲に定義されず突き進んでほしいし、彼が色んなジャンルにチャレンジする姿が見たい。「これが自分だ」と言える強さを持てることは、簡単そうで一番難しいから。


⑪やんちゃな末っ子ダークホース『庆怜(Qinlian/チンリェン/Caelan)』

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■順位&クラス遷移
12位→11位→8位→8位→12位→13位→6位
B→C→B→A→B/主題歌クラスB

■パフォーマンス履歴
レベル分けテスト『Swim』『The Search
第1回公演『Radio
第2回公演『爱情鸟
第3回公演『卫星XL

キューバ生まれのアメリカ・バージニア育ち、スペイン、ハワイを経て日本
と、グローバルなバックグラウンドを持つ米日ハーフ。
レベル分けテストで見せたのはOne Directionのような洋楽ボーイズグループ風のパフォーマンスで、正直あまり中国受けはしなさそうだなと思い込んでいた。だが蓋を開けてみればその人気っぷりはすさまじい。考えてみれば洋楽風アイドルはそれまで中国にいなかったタイプで、ジャンルとしては完全に空席だったのかもしれない。

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ウィットに富んだ発言にユーモラスな性格、人懐っこい行動。
やんちゃな悪ガキが
歯に衣着せぬストレートな物言いと感情表現
をするさまはなかなかアジア育ちの練習生にはなく、彼ならではのチャーミングな個性になっている。

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第1回公演『Radio』では歌唱力とエモーショナルな曲想の表現力を見せ、第2回公演『爱情鸟』ではコンセプト消化能力の高さとリーダーシップを発揮し、第3回公演『卫星XL』ではダンススキルと超高難度の中国語ラップをこなす成長っぷりを披露。スキル面においてもキャラクター面においても、番組開始時から最も進歩を見せている練習生のひとりと言っていい。完全なるダークホースだった。

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メンター投票によってセンターに選ばれた『卫星XL』について、「難しい、ほんとに難しい曲だしダンスも難しいんだ。でも頑張る。メンターが俺のために選んでくれた曲だからね」とこれまたファンの心をくすぐるコメントを宣っていた。自分の感情をストレートに表現する様子はとても好感が持てるし、毎回気の利いたコメントをしていて、バラエティ担当もこなせそうな逸材だ。

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襟足を切って90年代バブルスタイルからレオナルド・ディカプリオに転身したのは大正解だったと思う。マンネ感がより増して、きっとファンに「放っておけない」と感じさせているに違いない。
コンセプト消化において高得点をマークするバランサーで、天性のエンターテイナー気質がある。ここへ来てどんどんと順位を上げてきているのがその表れだろう。歌もダンスもラップもまだまだ伸びしろがありそうで、ファイナルでどんな姿を見せてくれるのか楽しみだ。


⑫不屈の決意のオールラウンダー『俞更寅(Yu Gengyin/ユー・ガンイン)』

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■順位&クラス遷移
25位→28位→24位→22位→16位→22位→23位
A→B→A→B→B/主題歌Aクラス

■パフォーマンス履歴
レベル分けテスト『RISE(登峰造极境)』『永不失联的爱』『brave heart
第1回公演『女孩
第2回公演『你就不要想起我
第3回公演『卫星XL

まじで報われてほしいんよ…と毎回クソデカ感情を沸かせてくれる苦労人お兄さん。第1回公演までは以前書いたので割愛。
weTVが発表している海外の人気ランキングでは上位にいるのに、中国で順位が上がってこないのが歯がゆい。決して番組内の分量が少ないわけではないが、フォーカスされるのは「いつもニコニコ面倒見のいいお兄さん」「下積みの長い苦労人アイドル」の面ばかりで、血気盛んな様子が見えないからだろうか。あるいは大きなファンダムや金銭的バックアップの少ない個人学員(所属芸能事務所のないフリー)というのも理由なのかもしれない。

■第2回公演 『你就不要想起我』

初回順位を受け、第2回公演のポジション評価で選択したのはボーカル曲の『你就不要想起我』。ガールズグループS.H.Eの田馥甄の超有名な失恋バラードだ。

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ボーイズグループが女性曲をカバーすると歌詞の解釈も変わってくるのが面白い。公演前のインタビューでは、この歌詞を「自分を応援してくれているファンへ向けた渇望」だと解釈していると語っていた。「この業界で活動していく自信をもらいたい」と。家族に置き換えて歌詞を咀嚼するメンバーが多いなか、この解釈には関心してしまったし、彼の置かれた境遇の逼迫っぷりに胸が痛んだ。

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やはり特筆すべきは、それまでは完璧なアイドルステージを披露していた俞更寅がこの歌詞に感情移入してステージで感極まって涙を見せたことだろう。
「長い夜、果てない夢」「もう僕のことを想い出さなくていいから」「夜を待って、どれだけ君が僕を愛しているか盗み聞きするんだ」と、別れに理解を示しながらも未練を滲ませる相反した気持ちが歌われた切ない歌詞が、アイドルとして日陰に甘んじる自分の本心に重なったようだ。ステージに上がれればいい、多くは望まない、でも本当はファンの答えが欲しい、どれくらい僕を愛してくれているのかー。ステージに上がった瞬間、観客席から自分の名前を呼ぶ声が聞こえて、「一人でもファンがそこにいてくれる限り、舞台に立ち続けよう」と決意を語った。創造営2021、屈指の名場面である。

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そりゃ林墨もこうなりますよ。

番組的にもめちゃくちゃ美しいドラマに違いないし、刘宇もコメントしていたように「ストーリーがある」美味しいエピソードだから、ここまで分量を割かれても順位が伸び悩むのは腑に落ちないところがある。確かにドラマ性でのアプローチは日本などのほうが訴求するのかもしれないが、こういった泣かせるエピソードは中国では受けないのだろうか。それとも、全能すぎるがゆえに相対的に目立てなくなってしまうのだろうか。

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色々と穿った見方をしてしまうが、とにかくスキルも人柄も評価されるべきエースであることは声を大にして主張したい。
綺麗な倍音を含みつつも前に出る歌声はメインボーカルにふさわしく、どんな曲でも要として抜群の安定感を発揮する。『你就不要想起我』は突出した歌唱力のメンバーが揃っていたことに加え、全員異なるタイプの歌声を持ち、絶妙なバランスで構築された奇跡のステージだった。

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高めでよく通るエモーショナルな声の俞更寅に、やや太く響く素直な歌声のNine、フレッシュでクリアな声の张星特に、倍音強めのウィスパーボイスMika、そこにアクセントになるソウルフルなクセ声のPatrick…と全員際立った個性がある。歌割りも完璧で「もはやこのチームでデビューしてくれ!」元祖である。

そして第3回公演で見せたコンセプト消化力とダンススキル。今回の公演でバキバキのダンス曲『卫星XL』を選択したのは正直予想外だった。第1回はキャッチーなラブソング、第2回は歌唱力重視のバラードを選択していたから、伸び悩む順位を鑑みてより多彩な自分のスキルを見せようという気概の現れだったんだろう。

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その気概に恥じず、練習から本番まで素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた。日常生活や練習風景ではいつもニコニコなリーダー風の俞更寅が、この曲ではバチバチに攻めたダイナミックでセクシーなステージングをしていてそのギャップたるや。ありがとう、最高です。
死ぬ前に走馬燈で出てきてほしいステージがまた増えた。

過去所属していたグループSWINは韓国でも練習経験があったように記憶しているが(記憶違いだったら申し訳ない)、どんな楽曲でも満点を叩き出してくるのは流石経験豊富な熟練オールラウンダーだ。今回は楽曲やスタイリングも涼やかでシャープな顔立ちや、背が高く意外とがっしりしたルックスとバッチリはまっていて、さながらオールラウンダーの本領発揮というところである。

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すっかりキュートな『女孩』のイメージがついていたが、今回のようなセクシーでエネルギッシュなパフォーマンスも完璧にこなすさまはアイドル然としていて素晴らしかったので、もっともっと色んな楽曲で色んな表情を見たいし、個人的には今回のK-POP風ステージのほうが似合うのでは?と思ったりもする。
伯远と並び、ファイナルでデビューの花道を歩く姿が見たい!と心から思わせる。順位発表で見せた悔し涙ではなく、今度こそ嬉し涙を見せてほしい。


中国語のスキルアップと仕事の参考のために見始めたのだが、今ではその範疇を超えてそこそこな時間と金額を注ぎ込んでしまっている。創造営が終わったら何を日々の糧にして生きていけば良いのか。
などと昨年の『青春有你2』しかり、毎年1回この気持ちを味わうのがもはや恒例行事になっている。推しが淘汰されれば「こんなに苦しい思いをするなら好きになんてならなければ良かった」と嗚咽し、推しのパフォーマンスを見て「君を知らずに100年生きるよりずっといい」と噛みしめ、推しがデビューすれば「君を好きになって良かった」とまた号泣する。ほんまに感情が忙しい。
男の子プデュにハマれたのは初めてだったので、なんだかすべてが新鮮である。

ファイナル楽しみです!!!


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