見出し画像

ムラタの仕事。

皆さんこんにちは、村田ボーリング技研株式会社の村田です。
先日かいた記事(容赦しない溶射。|ファクハク|静岡工場博覧会 (note.com))の続きを書いていきます。
(なんだかヘッダーがビールの宣伝みたいになってしまいました。)


ボーリングについて。

弊社の名前は村田ボーリング技研です。
ボーリングと聞いて、
一般的には「穴を掘るか」「球を投げるか」のイメージです。
どちらかと言うと前者が近いです。

これはボウリング

球を投げる方は「ボウリング」で、実は文字も違います。
では、ボーリングとは何か。

英語表記だとboringで、
”刳る(くる)”という意味があり、
これは刃物を使って穴をあける作業の事を指します。

私たちは1950年4月3日に「村田駅南鉄工所」として創業。
創業当時は球を投げるわけでもなく、地中を掘るでもなく、
エンジンボーリング」をメインに行っていました。

「エンジンボーリングとは、
エンジンのシリンダーの内径をボーリングすることですね。
その際径が大きくなるので、ピストンもサイズアップします。
結果的にボアアップ(馬力アップ)しますね (*'▽')ニコッ 」

by 村田の営業マン

…何を言っているのか分かりませんね。
今は車好きでないと、わかりません。
私も最初は何言ってるのか不明でした。
(お前がそれでいいのかよ、という突っ込みは必須です)

ざっくりご説明すると、昔はエンジンの質が悪く、
すぐにダメになってしまうので、
ボーリング作業をしてエンジンを再生していた。
そんな風にご理解ください。

エンジンボーリングの最中

ただ、時代と共にエンジンボーリングそのものが減り、
村田ボーリング技研もエンジンボーリング事業を撤退。
そして現在は社名に「ボーリング」を残しながら、
「切る、盛る、削る」のモノづくりがメインとなっています。

(ここからようやく本題…)

切る(切削加工)

お客様から商品を預かり、
まずは溶射を盛るために、盛りたい部分をバイト(刃物)と、
汎用旋盤(機械)で金属を切っていきます。
なので切削加工。

汎用旋盤を扱うベテランの職人。しびれる。

ん?金属って切れるのか?と思ったそこの方。
そうなんです、金属って切れるんです。
私も最初は違和感でした。

調べてみると、刃物を持つ工具(バイト等)によって、
材料を削ることを切削(せっさく)と表現されるとのこと。
それは刃物が材料(金属)に食い込み、切り落としていくので
「切る」という表現だそうです。

バイト(刃物)を研いでいます。

現在、汎用旋盤を扱える人が減ってきている中、
村田ボーリング技研では20歳の若手から、
50年勤続するベテラン選手(技術すごいの)まで
技術を紡ぎながら、今日まで来ています。

盛る(溶射加工)

はい、いよいよ本業でございます。

弊社が得意としている溶射は、
溶かした金属を高速で吹き付け、表面に新たな価値を付ける技術」です。

プラズマ溶射でセラミックを溶射してます

事前準備(マスキング、ブラスト)があり、
準備が整ったら、いざ溶射。
溶射方法も種類があり、用途に合わせた豊富な材料があります。

面白いなーと思うのは、
「ステンレスにセラミック」
みたいな組み合わせが楽しめること。
素材と違うものを付与できるって結構すごい。

木にも紙にもできるから、
応用範囲は意外に広い。
それに溶接と違って素材を溶かさないので、
歪みもない。

例えばスマホが使える手袋って、
私は最初に触れた時に面白い発明だと思いました。
あれも指先の素材を変えていますよね。

溶射もそれに近いものがあります。
違う素材を組み合わせることで、
新たな機能が足されていく。
生まれて百年経つ技術ですが、
実はまだまだ開拓の余地あり、なんです。

削る(研削加工)

そしていよいよ最後。
溶射が施された表面を、
お客様の指定した寸法に仕上げる、
最終工程の部門のご紹介となります。

ムラタの「削る」は
砥石を用いて表面を削っていく「研削(けんさく)加工」。

髪の毛よりも細い、数ミクロンの世界を
職人たちの感覚と技術力でお客様のオーダーに応えていきます。
しかも全部、手作業で。

いいですか、全部、手作業です。

ミクロンオーダーに手で入れていく。

やばいですよね、
私現場やってましたが、
私には無理でした。
(お前がそれでいいのかよ。二度目。)

もともとのボーリングはまさに削る作業で、
弊社の源流は「(火花を散らして)削る」仕事なんですね。
なので、研削盤の台数は(恐らく)溶射屋さんでは日本一です。
(恐らくですからね。)

そんな村田の強みは、この切る、盛る、削るが、
一貫して行えること。
ワンストップはいいですよね。

ファクハクまでワクワク

と、駆け足ですが、
村田ボーリング技研の技術をご紹介させていただきました。

ファクハクではこれらの工程を詳細にご紹介し、
職人さんにもインタビューして、
技術に迫っていきます。

そんなファクハクですが、
現在、毎週スタッフで集まってMTGをしています。

これがまぁ楽しいんです。
完全に学祭のノリですが笑

タイトルをセンスのないギャグにしてしまうほど、
ワクワクしているわけです。

先日もリハーサルが各企業様で行われました。
弊社でも20名の方にお越しいただきましたが、
皆さんの反応が本当に嬉しくて。
なんと1時間半の予定が2時間半。
少しやりすぎましたね笑

当日は通常コースに加えて、
「玄人向け」コースをご用意します。

映えるなぁ。

これはリハーサルの反省を生かし、
むしろ3時間~4時間みっちりと、
足が棒になるほどのめりこんでいただくプランです。
人数限定ですが。

はい、それでは文字数が多くなってきましたので、
ここで終わります。
当日皆様とお会いできるのを楽しみにしております。

あ、最後に今回は弊社金子さんの書いたnoteを、参考に書き上げました。
(オマージュと言う名のパクリであることは内緒。)
金子さんありがとう。

「切る、盛る、削る」の世界へようこそ #notethon|㈱イシダテック (ishida-tec.co.jp)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?