マグロからできた肥料がお茶やみかんに!?
静岡のオープンファクトリー「ファクハク」実際に皆様に工場を見学してもらう前に、ぜひ知ってもらいたいことがあります!今回は、執筆担当である「伊豆川飼料株式会社」の製造する主製品である肥料の「魚粕」の秘密に迫ります!!
魚粕(ぎょかす)とは?
魚粕とはぎょかすと読みます。一般的には魚粉と呼ばれることもありますが、我々の業界では魚粉は飼料用途、魚粕は肥料用途で呼び分けています。
製造方法は様々で、飼料用の魚粉は生の魚や魚の加工残渣を蒸煮(蒸気で加熱する)し、油分や水分などを圧搾し、乾燥させることが多いです。当社で製造している肥料用の魚粕は、静岡のツナ缶工場で発生する加工残渣(蒸されたマグロの残渣なので既に加熱された状態)を乾燥させて製造しています。
ツナ缶と肥料の関係は過去の記事をご参照ください。
魚粕の歴史
当社は創業当時の昭和20年代からこの「魚粕」を製造していますが、実は魚を肥料にするという行為自体は江戸時代から行われていたようです。地域によっては、「乾燥させたニシンを一本畑に刺しておけば肥料が要らない」と言われるくらい重宝されていたそうです。
創業当時から製造している当社の魚粕ですが、最近ではサステナブルやエシカルな取り組みとして取り上げてもらうことが増えてきています。しかし、我々の飼料肥料業界で、食品の製造過程において発生するものは基本的には無駄なく飼料や肥料に有効活用されており、なんら珍しいことでも偉いことでもないと言うのが正直なところです・・・
魚粕の効果
魚粕は有機肥料と呼ばれる肥料の一つで、お茶や果物、野菜の美味しさを引き出す効果があると言われています。NHK趣味の園芸でお馴染みの藤田先生も何度も「魚粕を使うと味が良くなる」と紹介されています。
実際のところどうなのか。肥料のユーザーである農家さんからの口コミや体感、実績は素晴らしいものがあります。魚粕入りの配合肥料を使ったお茶農家さんが品評会で毎回のように優勝や入賞したり、糖度20度を誇る清水のブランド金柑「こん太」の部会推奨肥料になったりしています。その中でも一番肥料の効果を実感しているのが、当社の従業員さんで、営業さんがお客さんの所からもらってきたり買ってくるお米や野菜、果物が美味し過ぎて”お代わり”をしに現地まで買いに行ってしまうほど。
私も家庭菜園のミニトマトなどで実感はしているものの、科学的な根拠を探しています。実は今、魚粕の効果効能の研究を進めていて、その成果は別の機会に・・・
最後に
当社は今回ご紹介した「魚粕」を初めとした様々な肥料を組み合わせて「配合肥料」と呼ばれる製品を作っている工場です。一般的にはあまり見ることはないと思います。そんな普段は見ることができない工場を中まで入って見ることができる。それが「ファクハク」です。ぜひ皆様この機会を活かして静岡ならではのものづくりの世界に飛び込んでみませんか?
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今回は伊豆川飼料の伊豆川がお届けしました。