探求に向かう子どもを育てるためには?という問いについて。

ころあい自然楽校、小学部スタッフの静です。
現在私は、日本イエナプラン教育協会が主催する、「日本イエナプラン教育専門教員資格認定研修」というものを受講しています。実は今月末に、その最終の研修発表があるのです。どきどき。。。

私のテーマは「子どもたちが探求の問いに向かっていくために、教師にはどのような働きかけができるのか。」

ころあい自然楽校ではこれまでの3年間でいろいろなテーマについて、探求学習を行ってきました。「地球」「味噌」「川」「サツマイモ」・・・

どの探求もとても素敵で面白かったのだけれど、なんか!どのテーマももっともっと深めることができたのではないか!と思うのです。
子どもたちは、わくわくしながら知りたいことに突き進んでいった!というよりも、何かしないといけないから、仕方なくそちらの方に行ってみたら、まぁそこそこ楽しかったな。程度の感じになっているのでは!と思うのです。

探求の難しさはいろいろあります。
子どものやりたい、と学んでほしい(学習指導要領)をどうマッチングさせていくか。
子どもが本当に知りたい問いを突き進むようになるには、どうすればいいのか。
それぞれの子どもが、知りたい問いに向かって突き進むと、教師の目も、手も、たりなくなる。
などなど。考えることは山盛りです。

探求に突き進むって、どういう感じ?
良い問いに向かって進んでほしい、でもその問いってどんなもの?
どんな状態になったら、良い問いに向かって進んでいるといえるの?
などのもやもやを、ここ1年程ずっと抱えていたので、今回はそのもやもやに迫ってみることにしました。

そもそも!!!!
探求学習は何のためにするのでしょう。
文科省のHPにはこのように書いてありました。

総合的な学習(探究)の時間は、変化の激しい社会に対応して、探究的な見方・考え方を働かせ、横断的・総合的な学習を行うことを通して、よりよく課題を解決し、自己の生き方を考えていくための資質・能力を育成することを目標にしていることから、これからの時代においてますます重要な役割を果たすものである。

https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/sougou/main14_a2.htm

イエナプラン教育の観点からは、どうでしょう?
探求学習、つまりワールドオリエンテーションは、何のためにあるのでしょう。
「イエナプラン 共に生きることを学ぶ学校」には次のように書かれています。

ファミリーグループワークではでは、ほかの子どもたちと一緒に「生きることを学ぶ」練習をします。それを4つの基本活動を通してやるのです。

ファミリーグループワークは、不思議に思う事、好奇心を抱くこと、学び方を学ぶこと、そして批判的に考えることを学びます。関係性の中で生きることを学び、その中で自分自身について深く知るのです。

イエナプラン 共に生きることを学ぶ学校
フレーク・フェルトハウズ  ヒュバート・ウィンタース

そもそもイエナプラン教育の大きな使命は「共に生きることを学ぶ」ことです。
大衆ではなく一人の市民として、権力者に振り回されることなく自分を持つこと。社会の多様な人たちと、違いを乗り越え共により良い社会をつくっていく。それを学ぶことです。

そう考えた時に。
私は子どもたちに、何を学んでほしくて探求学習を行うのか、もう一度問い直してみることにしました。

ころあい自然楽校で過ごす子どもたちにとって。
探求の時間が、どんなものであってほしいか。

私の今のところの答えは、次の2つです。
「自分だけでは見えなかった世界に目を向ける」
「自分だけではできないことを実現する」

子どもは日々の生活の中でも、不思議なことややってみたいことを見つけています。
それだけでも十分ですが、

ころあいには友だちがいます。たくさんの保護者がいます。そしてそれぞれの保護者には、たくさんの知り合いがいます。

そのみんなの力を使って(コーディネートして)
色んな世界に出会うきっかけをつくること。

例えば、子どもの中の誰かが興味をもったことを、教えてもらったり、みんなでやってみたりすることができるでしょう。
また、こちらが興味を持ってほしいことについて、それに詳しいゲストを探したり、それにつながる体験を探したり。これは保護者に声をかけて、一緒に教材を探してみると面白いものが出て来そうな気がします。
もちろん教員自身で教えられるならば、それも一つでしょう。

「自分だけでは見えなかった世界に目を向ける」には、そのような手立てが考えられる気がします。
自分だけでは見つけられなかった世界の面白さを、人の力や人の眼鏡を借りることで、発見できるといいなと思います。

2つ目の「自分だけではできないことを実現する」
これについても、ころあい自然楽校で繋がった人々の力を最大限に使うことが学べます。
また、自分の事だけでなく、友だちの願いも実現することになるので、友だちの為に自分の力を発揮することも学べるだろうと思います。

これが「共に生きることを学ぶ」ための探求学習なのではないかと思いました!

学校を起点としたコミュニティーとの関わりのなかで、自分の目的(問い)に出会い。
そのコミュニティーの力を使いあって、互いの目的(問い)を解決しあっていく。

そのこと自体を学んでほしい・・・みたいな感じかな。

これまでの探求学習については、私は子どもと自分との関わりの中でだけ、学習を深めようとしていたことに気が付きました。
探求することが目的になっていて。
何のために探求をするのか、が見えていなかったな。

明日は具体的に過去のテーマ「川」「サツマイモ」について、
何が問題だったのか。どのような発展ができたのか、を振り返ってみようと思います。

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