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文劇8の予習備忘録②

図書館で取り寄せて借りたらなんかごっつい全集みたいな本来た……
おびえるくらいの大ボリュームでしたがこの本がパンの会に関しては決定版ではと思える内容でした。1冊読むのに1か月かかってしまいました。


『日本耽美派文學の誕生』 野田宇太郎

概要

この本はいくつかの本をまとめて増補改訂したもので、昭和50年の本ですが、引用以外の本文も全て旧字旧仮名で書かれているため、やや読むのは難易度が高いです。辞書を引きながら読みました。
私が読んだ箇所は五足の靴について、明星について、パンの会について、の3か所が主です。

感想

前回「五足の靴」について解説があればいいのになあと思っていたのですが、この本にすべて載ってました。というかこの本の筆者がまさに埋もれていた「五足の靴」をまとめて調査して発掘したその人でした。
巻末に原文(旧字旧仮名)全文も収められているため、この本でまとめて読むことができます。
明星についてはだいたい前回の「フランスかぶれ~」で読んだ内容に近いですが、こちらのほうがより詳しい内容です。
特筆すべきはパンの会についてで、おそらくどこよりも詳しいのではないかと思います。何月何日に例会が行われてその日は誰が参加していたかまで書かれています。

白秋の「空に真っ赤な~」の歌がパンの会で合唱されていたというのは知っていて、酔っぱらって適当な節で歌ったのかな、と思っていたのですが、この本によるとラッパ節という曲を使って替え歌していたらしいです。
聞いてみたいので今度ボカロで歌わせてみようと思います。

鴎外の『青年』とその時代 という項について

なお、見出しの段階で気になっていた「鴎外の『青年』とその時代」の項目については特に気になる点はありませんでした。青年のモデルはもしかしたら啄木では、という説は面白かったです。
これに関してもう少し追ってみたかったのですが、ちょっと手掛かりが無さすぎるので一旦保留。

次に読むものは?

パンの会については一通り読めそうなものは読み終わった感があるので、次は白秋の他の時代や、他の視点からの文学史について見てみたいところです。

  • 『北原白秋』 恩田逸夫

  • 『我が愛する詩人の伝記』 室生犀星

  • 『詩歌と戦争』 中野 敏男
    →劇3の復習として

  • 『斎藤茂吉ノート』 中野重治

  • 『東京の三十年』 田山花袋

この辺りを時間がある限り読んでみようと思います。


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