東京の新幹線
新幹線は実家に帰省するときに乗ることがほとんどだ。だから基本は京都~博多間。今回はいつもと逆方向の終点、東京まで乗った、
博多も終点なのだけど、実は「博多南」という駅がその先にあったりする。車両基地の周りが住宅街になったので、駅を作って住人が300円で在来線みたいに買い物や通勤に使ったりする。
そんな訳で、博多駅に着いた新幹線はそのまま博多南に向かって出発してしまう。そして始発の場合も車両基地で清掃してから入線してきたりする。
今回私を乗せて東京駅に着いた新幹線は、もうそこから先、どこにも行かなかった。阪急梅田駅みたいに、次の乗客がいかにも乗り込みたそうな風情でホームで待っている。あれ、と思っていると、ホームに降りた夫が16号車に向かって歩き出したので急いでついて行く。
新幹線の鼻の先、そこには何と「行き止まり」があった。行き止まり。新幹線の。博多から走り続けてきた新幹線が、もうこの先には行けずに引き返すしかないのだ。考えてみたこともなかったし驚いた。線路はどこまでも続かない。何か一抹の寂しさがあった。
帰り。ホームで待っていると沢山の人を乗せた新幹線がやってきた。人が降りる。ドアが閉まる。中で清掃が始まる。長い。かなり待たされる。そうか、ここでやるのか。基地でやっては来ないのか。そうだな、それはないだろう。だって行くところがないのだから。
お客の前で化粧直しをする新幹線。はけるところがない新幹線。なんだかちょっと気の毒。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?