さよならのかわりに
憧れていたアーティストとのお別れが続く。高橋幸宏さん、鮎川誠さん、バート・バカラック、そして、きのうはピチカート・ファイヴやフリッパーズ・ギター、ユーミンなどのCDのアートディレクションを手掛けてこられた信藤三雄さん。
『女王陛下のピチカート・ファイヴ』、『SWEET PITICATO FIVE』や『ヘッド博士の世界塔』など、クールだけど茶目っ気もたっぷりのアートワークにいつもワクワクした。
音楽と相まって毎回ひとつの世界がそこに立ち上がるようで、没入する喜びに浸っていた学生時代。平凡な片田舎から、近い将来、その世界の近くまで飛び立ちたいと憧れていた。それはまさしくわたしにとっての「東京」だった気がする。
先のアーティストたちの音楽と信藤さんが作る世界、東京的なものに、純粋に恋い焦がれていたあの時代がなつかしい。憧れるだけ自分のなかにエネルギーがみなぎって、何でもできるような、楽しいことしかおこらないような気がしていた。それは若さゆえのものだったのか、時代がそうだったのか、どちらもだったのか。
これから先も、あんなふうにワクワクできるだろうか。できるといいな。