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【海外の職場での働き方#5】職場でプライベートな話はしてもいい?
海外の職場で「もっと現地スタッフと距離を縮めたい」と思っても、何を話せばいいのか迷うことはありませんか?実はヨーロッパでは、ビジネスの関係を築くうえで、一見仕事とは関係のない会話「スモールトーク」が大切とされています。
スモールトークの重要性
仕事のスキルや経験は履歴書や業務の中で評価されますが、人間性を知るには日々の何気ない会話が大切です。どんな価値観を持っているのか、何をモチベーションに働いているのか、といった要素が信頼関係の基盤になります。
一見、仕事とは関係のない雑談に思えるスモールトークですが、実はビジネスの基本でもあります。例えば、商談前のちょっとした会話をスムーズに進められるかどうかで、相手との距離感や信頼関係の築き方が変わってきます。スモールトークを上手にできる人は、ビジネスの場でも柔軟な対応ができると見なされることが多いのです。
かといって、あまりプライベートな話に踏み込みすぎると、ビジネスの場では不適切と見なされることもあります。適度な距離感を保ちつつ、自然に打ち解けられる話題を紹介します。
おすすめの料理や旅行先について聞いてみよう
「この前〇〇を食べたけどすごい美味しかった」「この前〇〇に行ったけど、他におすすめの観光地ある?」など、料理や旅行の話題は、相手の文化に興味を持っていることを伝えられるうえ、プライベートすぎず、話しやすいテーマです。
例えば、ポーランド人の同僚には「ポーランド料理美味しいね」と伝えると、喜んでおすすめのお店やレシピを教えてくれます。
また、料理を作った話をすると「私もこの前お寿司を作ったよ」といったような話を聞かせてくれるでしょう。どんなにびっくりする材料でお寿司を作ったとしても、「すごいね」と言ってあげてくださいね。これは、あくまでも相手が、日本の文化をリスペクトして話してくれていることです。アドバイスを求められたら、その時にはじめて、さりげなく教えてあげてください。
自分の週末や家族の話をシェアしよう
ポーランドを含むヨーロッパでは家族を大切にする文化が根付いています。そのため、日本の職場ではあまり話さないような「家族の話」も、自然な会話のテーマになります。
例えば、「週末に家族で〇〇に行った」と写真を見せると、相手も自分の家族のことを話してくれるかもしれません。「お子さんは何歳?」など、家族に関する質問も好意的に受け取られることが多いです。
ただし、ヨーロッパでは事実婚やパートナーシップを選ぶ人が多く、結婚の有無にこだわらない価値観の人が増えています。そのため、「結婚していますか?」「お子さんはいますか?」といったプライベートな質問は避けたほうが無難です。
もし相手が家族の写真を見せてくれたり、自ら話題にした場合は、自然な流れで質問してみるとよいでしょう。相手が心地よいと感じる範囲で話を広げることが、良い関係を築くポイントです。
健康や運動の話題も人気
最近は健康ブームで、ジムに通ったり、食事管理をしている人が増えています。もし相手が健康に関心がありそうなら、「どんなトレーニングをしているの?」「食事に気をつけてるんだけど、おすすめのレシピある?」などと聞いてみると、熱心に話してくれるでしょう。
ただし、体型や見た目についてコメントするのはタブーです。「痩せたね」などの言葉は褒めているつもりでも避けましょう。
ポーランドには日本のように一斉にランチに行く習慣がなく、各々が好きなときに小休憩としてキッチンでヨーグルトやフルーツなどのスナックを食べたりします。話しかけるチャンス!と思って、現地の人に合わせて休憩をとってみてください。季節の果物を持っていってお裾分けするのも会話のきっかけになります。
嬉しかったことは素直に自慢!
日本ではあまり馴染みがないかもしれませんが、例えばマラソン大会に出場してメダルを獲得したり、完走した記念に写真を撮ったりした際は、ぜひ、それを職場でシェアしてみてください。
これは単なる自慢ではなく、同僚との会話のきっかけを作るためのものです。ヨーロッパでは、個人のチャレンジや達成をオープンに共有し、互いに称え合う文化があります。
また、スポーツを習慣にしている人は「自己管理ができる人」というイメージを持たれやすく、職場でも好印象を与えるでしょう。
お酒の話には注意!
最近は健康ブームで「飲まない派」の人も増えています。また、「昨日飲みすぎた」といった話は、冗談であっても「自己管理ができていない」と捉えられることもあるため要注意です。
特にポーランドでは、ビジネスパーソンは「酔っぱらった姿を見せない」のが鉄則です。会食でお酒を勧められても、無理に飲む必要はありません。むしろ、飲まない方が好印象の場合もあります。
スモールトークは単なる雑談ではなく、「この人と一緒に働きたい」と思ってもらうための大切なコミュニケーションです。適度な距離感を保ちつつ、楽しく会話しながら信頼関係を築いていきましょう。
ぜひ、ご紹介したトピックで明日、会社の人に話しかけてみてください。
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※この記事ではポーランドを例に挙げていますが、国や企業によってビジネス文化は異なります。会話ひとつとっても文化の違いがあることをご理解いただけたと思うので、今後のリサーチやコミュニケーションの参考になれば幸いです。
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