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天上のバレエ・地上のダンス(64)社交ダンス
木曜日は、趣味のバレエ・ダンスの作文を書いています。
2010年をすぎたころ娘が中学生に。近隣の公民館では趣味の講座がさかんに開かれていました。ちょっと余裕ができたので行こうかなと。
(1877文字)
やさしい習い事講座
2000年、新世紀をすぎて世は少子高齢化時代へ。まず小学校の統廃合がすすみます。
そして空いた小学生の教室や会館で「習い事講座」がさかんに開講しました。
と、いっても難しい本格的な「習い事」ではありません。どの講座も、だれでも参加しやすく、やさしい内容が売りでした。
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社交ダンスに挑戦
たびたびブームの社交ダンス。映画やバラエティーで人気講座に。区民センターで、3ヶ月・全12回。
最初から専用のヒールや練習着は、そろえなくてよいとのこと。
さっそく申込み。事務手続きはセンターの受け付けへ。先生は「雇われ講師」なので、集金その他はセンターの仕事。
受講料は前納で、超格安でした。
そして受講日。女性が10人ほど談笑中。みな、60~70代ぐらい。やはり年齢層が高い。わたしは40歳なかば、いちばん下だ。はじめてなので、ていねいに挨拶をして入ります。
どこも女性が多い。ダンスの世界はとくに。
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男性講師
開始時間になりスーツ姿の男性登場。
背中がピン! まな板のようにまっすぐの。姿勢のよさですぐわかる。高齢の紳士、そんな風貌のスリムな男性だ。
紳士淑女のスポーツ芸術。ソシアルダンスとかいうだけあって貧乏のわたしには遠い世界。
先生の「丸く輪になって、ストレッチします」との言葉でレッスン開始。
かんたんに立ったまま前屈と、アキレス腱の曲げのばし程度。全員が先生のまねをして、カラダを動かしはじめた。
指導方法
先生はホワイトホードに「きょうの内容・ステップ」と、キュキュっとマーカーで書きはじめた。
最初に理論。足の動きを図示、そして説明がはじまる。先生の解説が終わると「撮影どうぞ」
みな、携帯でパシャリ。紙とペンでメモを録る時代は終わっていた。
当時、すでにひらたいスマホは登場ずみだ。が、そこは中高年。まだまだガラケーという、ふたつに折るタイプの携帯電話が主流でした。
足が動かない
そして実技に。最初から二人組。わたしはステップはおろか、後ろにスッと足を出すのが、おそろしくできない。
ふだんから後ろ歩きはしないし、人と組むのもはじめて。これまではひとりでダンスだったのに。
前に移動やら、カニのように横移動。足が、もつれます。
どんなダンスをしても習っても、最初はメチャクチャなものです。ぺったんこの靴だとペタペタ庶民ステップ。
それでも3回目までは我慢して受講しました。
先生は踊るときはダンス特有の、はりついたお面、いや、営業スマイルだった。生徒に注意するときは目が笑ってない営業スマイルで。
うすら笑いというか。わたしの違和感が踊り出した。
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だんだんユウウツに
わたしはバレエぐせが抜けず、先生に注意されるばかり。この先生、初心者に本気で怒ります。冷たい営業スマイルで。
「違う、その足の出し方!」
「ぜんぜん、できてない!」
先生は教えるでなく怒る。昭和の上司と部下のような図式。
……なんだこの指導方法は。
「先生は厳しいからねぇ」
「新しい人は続かないのよぉ」
他の生徒さんたちはやさしく声をかけてくれるが、ダンスはカタチになっている。ながく受講してるのだろう。
しかし、講師の魅力がない。引きつけられるような、もっと上達したいというような……。
わたしは、受講が……だんだんおっくうに。
ガラケーでよかった
やっと半分の6回目。止めると受講料がもったいない一心で参加する。
ホワイトボードの撮影タイム。わたしは、撮っても復習すらしない。だからうまくならないのだが。
先生が、ちかづいてきた。
冷たい営業スマイルで。
「ダンス情報、メールで流しますので……
メールアドレス交換しましょう」
わたしは、それっきり講座には行きませんでした。
「仕事の都合で、講座を退会します。先生によろしくおつたえください」
区民センターの受付の職員さんに電話で告げた。
ほかの生徒さんたちは、メールでやり取りしてるんだろうが、わたしは……ダメだイヤだ!
「あれっ、変ですね。
わたしの携帯の調子悪くて、送受信できません。また次回に……」
偶然か必然か。あの日、
なぜか起動しないガラケーをパタパタしながら。
ガラケーで助かった!
(あくまでも個人の体験です。地域の講座の一例として。ご容赦ください)
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「バレエ・ダンス」の日
いつも こころに うるおいを
水分補給も わすれずに
さいごまでお読みくださり
ありがとうございます。