この家どうするの?(13) 年貢の納めどき
バブルの終焉、ぼけ~っと遊んでいた20代が終わる。終わった、遊びつくした。
ボクシング漫画の主人公のように真っ白になりコーナーに座り込む。図々しくも大袈裟な。
戦ってもいないのに……
年貢を納める
「年貢を納める」とは……
・今までの自分を悔い改める
・生活を変える
……そんな意味だったかしら。
最近は、あまり聞かないような気もしますが。
バブル世代は、男女とも贅と消費を享受しすぎてしまった。
「年貢を納める」感覚が他世代よりも強かったのかもしれません。
「年貢を納める」は、独身時代を終了し家庭を持つ「結婚する」と言う意味にも使っていました。
「今が年貢の納めどき」
泡と消えたバブル。これからは地に足をつけて生活しなければ。
皆、高い空を見上げてメンタルの年貢を納めていました。
お見合いセンター(仮称)
結婚は失敗できない。じぶんの両親がリアル離婚したから。
子ども目線ですら面倒。書き出したらキリがないので省略。
ひとりが気楽。惚れた腫れた、晴れた(?)で結婚しても、結婚生活が、ウマくいくとは限らない。
みんなが人生の早々に年貢を納めて(結婚)していった24歳のころ、わたしは冗談半分で「お見合いセンター」に電話したことがあります。
たしか1980年半ばのハナシ。
「24歳ですかっ、お客さまっ。
一日もっ、早くご入会をっ!」
電話先のお見合いセンターの女性。仲人のような年齢。たぶん。
せっぱ詰まった「っ」は、もはや説得ゾーン。
TIME ZONEは男闘呼組。
こちらの家族や結婚観を聞くこともなく。まず年齢。
マスト年齢。
オンリー年齢。ジャスト年齢。
ダッシュ勝平。
当時は、歳を取ればとるほど、商品価値が落ちたのだ。
生鮮売り場の時代
お見合いセンター、良くない言い方ですが、ここはスーパーの「生鮮食料品売り場」!
当時は「女はクリスマスケーキ」の時代。クリスマス過ぎれば売れない買わない。結婚しづらい。ケッコンできない。
あとは、おつとめ品・割引シールを貼られて、雑に別場所に盛られるだけ。
ご決断をっ、と言われてこちらがビックリ!
わたしは野菜か果物か?
たぶん豚肉……粉々のミンチ。
いくら顔が見えぬと言っても、しよせんは、冷やかし、まやかし。
ちょっと考えますと言って電話を切った。
怖かった、生鮮戦国時代。
お見合いセンターの入会案内、よくあれで営業してたものだ。
思い出してもハラしかなかった。アイハラショー。
年貢(入会・年会費)を払いなさい。
いいお相手、たくさんいるから。
そんな感じにも聞こえた。
多様性の時代
現代の24歳は、失礼ながら大学を出て働きはじめた「ひょっこ」のような感じがする。結婚なんてまだまだ……のような。(個人の感想です)
就職難で納める年貢すら生産できない時代だからでしょうか。
わたしの場合は、父親が持ち家あり。さいわい住むところが保証されていたのだ。
この家どうするの? と思いつつ。
わたしは家にもお金を入れない、年貢を納めない悪代官であった。
わたしを諭し征伐する母親もなく。
年貢を納めることを勧める人もいなかった。
親が賃貸暮らしだったら、
いまごろ、どうなってたか……わからない。
情愛はなくとも、帰る家。
ただの「ハコ」の存在。
親の持ち家。
父親がひとりで、のんびり暮らした家。
年貢を納めてからだった。
もろもろの
ありがたみが解ったのは……
いつも こころに うるおいを
水分補給も わすれずに
最後までお読みくださり、
ありがとうございます。