天上のバレエ・地上のダンス(76)定年まで踏んばろう
あっというまに3月、年度末。
受験のつぎは「転勤」や「単身赴任」。バレエ・レッスンの更衣室は、みんなでオロオロ、そして。
(905文字)
単身赴任だいじょうぶ?
「とうとうウチも転勤」速報・雑談タイム。きがえて各自ストレッチのはずが『転勤ばなし』に花が咲く。
50代なかばで、仕事とバレエすこしだけのレッスン生、Bさん。
「もう単身赴任してもらう、バタバタよ」
彼女の子どもは大学4年、あと1年とか言ってたけど、まさかノーマークのご主人が……。
人生って、そんなものだ。
一寸先は闇。
「身のまわりが心配。ダンナひとりで、できるやろか」
男女とも、ひとりで生活できるひとと、できないひとにパカッと分かれる。Bさんは、ご主人のシャツのアイロンかけ・掃除・洗濯となんでもやってきたのだ。
「ひとりで、なんとかしてもらおう」
心配なBさん。無理もない。週末のたんびに呼び出されないことを祈る。
定年までふんばってもらう
きょうのレッスン終了。
「ダンナには、定年まで踏んばってもらうわ!」
バレエのみんなに話したからか、カラダを動かしたからか、ふっきれたみたい、Bさん。
レッスン生一同、拍手した。
とにかく元気だしていこう。
彼女は中古の一軒家を買って家のこと、ぜんぶやりくり。子どもとワンちゃんもいる。彼女は動きたくても、動けない。結論、ご主人に踏んばってもらうしかない。
引っ越し先にバレエスクールは
ご主人の転勤について行き、このバレエスクールを辞めたひともいる。郊外に家を買って引っ越したひともいる。
行った先に、バレエスクール・中高年クラスがあればいいけど。
ところが、ないそうだ。
やっぱり大阪はええところ(?)
スポーツジムのなかで、ダンスはあるけどバレエはナシ。ヨガやストレッチはあってもバレエはナシ。次のところへ移っても続けることは、むずかしい。
わたしらも、
いま踏んばってレッスンしとこう。
家族の転勤や単身赴任で
オロオロ。
わたしたちのバレエ・レッスン
腰も踊りもオロオロだけど。
ふんばろう。
レッスンとカラダの定年まで。
いつも こころに うるおいを
水分補給も わすれずに
さいごまでお読みくださり
ありがとうございます。