天上のバレエ・地上のダンス(77)少子化の学校制服
年度末。子どもの受験と合格の次は入学金・授業納入。大人・美容クラスのレッスン生が優雅にボヤく。
よろこぶ間もなく現実の荒波が。
(977文字)
銀行がない
レッスン後のひととき。着替えながら おしゃべりする更衣室。生徒で優雅なBさんの声。娘さんが受験・合格しヤレヤレ、やっとレッスンに来たのだが。
「入学金、振り込みできない!」
そういえば、大通りの銀行ATМが撤退。便利だったのに。最近はATМが減ってきています。
「銀行の窓口ないね」
「高額だし手数料も高い」
「隣の市まで自転車や」
「3年間も振り込みあるし」
「ネットバンクは?」
……みんなでワアワア迷います。
銀行の振り込みは昭和のころから変わらない。なのに振り込むところがありません。
便利なのか不便なのか?
わからない世の中になりました。
式典服と制服
さらに、一同が固まったのは「学校の制服」。
学校の式典服が七万円とな!
「式典服?なにそれ?」
「制服のこと?」
「制服は別にあるのよ」
昭和のメンバーは、はてなマークに包まれる。式典服と制服。意味がわからない。よくよく話を聞くと、式典服は入学・卒業・賞の授賞式などに着る特別な制服らしい。
「ふだんの制服は、べつにあるの。
ブラウス5色・スカート・スラックスも5色。組み合わせ自由で」
学校見学会で、ファッションショーのような高校生活を見せられたらしい。あぁ、女子ホイホイ。
制服カワイイ!着たい!
娘さんは、その学校に即決。
少子化の秘策
我が校の【制服コーデ・バリエーションは何百とあるのが自慢】です。と、校長先生のお言葉。
「そこ?」「ズレてる!」
「きせかえゲームやん」
「衣装代、おそろしいわ」
合格したあとの制服の注文はというと、制服の見本がズラリと無人の多目的室にあったそうだ。
そこで紙に記入して服屋さんに提出かと思いきや。
なんと家からネット注文。
「めんどくさ!その場で受注したら早いやんか」
「服屋、なにしてんねん!」
「文句言われるからやろ」
みんなの息があらくなる。
服屋さん、すみません。さっきまでエレガントに(なんちゃってバレエを)踊っていたのに。
その場ではなく家で熟考、
ネット注文、後払い……
「客単価!上げてるぞ おい!」
さいごはオッサンになってた。
いつも こころに うるおいを
水分補給も わすれずに
さいごまでお読みくださり
ありがとうございます。