喫茶店の閉業
印象にのこる喫茶店。再訪するも、お休みなのか暗い。ただ暗いだけではなく人の気配もない。
やっと気づく「閉業」の現実に。
(775文字)
大阪市都島区・国道1号線のにぎやかさ。どこへ行くのか、車やバス・トラックが朝から晩まで流れています。
まだ暑い日、快晴。朝に、泉布観まで。東向きのたてものは、スポットライトの陽があたる午前中がベスト。
10時を待って、お色直したけなわの洋館をながめる。やはり晴れた日のたてものぞ。あかぬけてゆく明治のベランダに令和の空気がそよぐ。
内部見学会で観た床。当初タイルの市松模様だったらしい。
タイルは高価なため木の床に。大工さんが木にプリントしたのだろう。木目と模様がズレていました。
暖炉があった。囲炉裏や火鉢の時代に、使用人は戸惑ったことだろう。
あたらしいものと、ふるいもの。
何かしら交代し後退しているのかもしれない。
世の中のすべてのものは。
もうひとつの目的。
泉布観から、国道1号線ぞいを西に。竪琴のような銀橋を渡り2年前に行った喫茶店に行くためだ。
最近、このお店についてフォロワーさまにコメントをいただき、すこし気になっていたので……
ちぎれた夏の雲を見ながらあるく。
ところが通りすぎでしまった。
まったく気づかない喫茶店。
コーヒーの香りや、色気もない。
まさか。
半分シャッターが下りている。
自家焙煎機は見えない。
…… とても休業中の風情ではない。
うろうろしたのち、
やっと検索してみる。
「閉業」の文字。
常連さんには伝わっていたのでしょう。
貼り紙も挨拶もない。
ここは、あきらかに喫茶店だった。
ちぎれた夏の雲と泣いた。
いつも こころに うるおいを
水分補給も わすれずに
さいごまで お読みくださり
ありがとうございます。
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