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天上のバレエ・地上のダンス(81) わすれる
ダンス・バレエ日記。つづいていますが、一回完結のおはなしです。
新年度、バレエ美容クラスのメンバーがカミングアウト。
「ことしから高齢者のなかまいり」が1名。エエッ!みんなのトシが、いくつかわからない……。
(1007文字)
ざわめく新年度
美容クラス・メンバーは新学期に慣れてきた。日常生活が安定する、きょうこのごろ。常時10人ぐらいでのんびりと。週一回のレッスンを待っています。
スタジオに先生 (70代) がやってきました。あいさつのあと、いつも可愛く高い声の Sさんが、高齢者宣言。
「先生、みなさん、わたしは今年から高齢者のなかまいり。
65歳でぇ〜す。」
ざわ……。どよどよ。 65歳?
そういえば、Sさんは美容クラス・最古参メンバーのひとり。
先生の娘さんと、Sさんの娘さんが同級生。ひとことで言うと、ママ友。
その後、このバレエスクールを先生が立ち上げ。Sさんやママ友さんたちは、おとな美容バレエクラスに通う。
そして、現在。古くからの生徒だからか、いきなりのカミングアウト……。
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65歳以上は自己申告
Sさんは、そんなトシには見えない。
背中もまっすぐだ。てっきり、わたしより若い50歳ぐらいと思っていました。
しょっちゅう腰が痛い、肉ばなれした、トゥ・シューズが合ってない……など言っている。
彼女は若いのに、あちこち不具合だらけ。大変だな。
と、思っていたのです。
先生も彼女に「あまり無理しないで」と、いつも言っていたのは、そうだったのか。
トシだから。
高齢者カミングアウト、今年度はひとり。
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トシをわすれる
バレエを習うと、お腹をひっこめたり膝を伸ばしたり……レッスンしてるひとは、なぜかみな若い。カラダは、カタいのだが。
レッスンのあいだじゅう、みなSさんを若いね若いねと絶賛。
わたしもあと5年で、高齢者のなかまいり。市の施設が無料になったり特典がある。がんばろ。
メンバーのトシは、ほんとうにわからない。バレエメンバーにかぎらずズケズケと、わたしに「いくつ?」ときいてくるひとがいます。
気持ちはワカル、みな年齢不詳。
わたしは(あまり答えたくないが)トシは 正直に60と答えます。
ここでサバを読むと、あとあとが大変なので。
まず、
サバを読んだことを忘れる。
そして、辻褄があわなくなる。
わすれることが多すぎて。
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「バレエ・ダンスの日」
いつも こころに うるおいを
水分補給も わすれずに
さいごまでお読みくださり
ありがとうございます。