おふろの遺跡・万代湯さん
テラコッタ。すごいこった。
年月の積み重ねの感触。まさに遺跡、奇跡の銭湯です。
万代湯さん
大阪に万代というスーパーがあります。
きっと、スーパーと同じくらいか、いやそれより前から営業の銭湯です。
古墳の埴輪とみまごう色の建物。実にいい色です。
むかしの銭湯は、コンビニのように町の、あっちこっちにありました。
風呂桶とタオルと石鹸をもって…ちょっと、おふろ屋さんへ。
ひとっ走り、ならぬ「ひとっ風呂」そんな風情が漂います。
自転車も乗らない距離。
スープ、いや味噌汁も冷めない距離。
なので自転車置き場もないのです。
自転車で来る人は暖簾の奥の靴を脱ぐスペースに停めています。
キャパ2台ぐらいです。
自転車置き場のある銭湯は比較的新しく、といっても昭和40年代ぐらいから開業したり改築していると思われます。
自転車がないと、すっきりした外観ですね。
テラコッタの看板が遺跡級。
見るからにすごい、銭湯。親しみをこめて、お風呂屋さん。
ぐるりと強固な石の壁、これはコンクリートかもしれません。
ひび割れ補修のあとも、アジがあります。
地震でグラッとくるたび脳裏に浮かぶ、この看板。というか壁というか。
壊れないでほしいです。
かつて、近所に双子のような銭湯・牡丹湯さんがありました。
残念ながら2021年1月廃業。湯船ひとつと、入浴のかけ湯用の小さな鉢。
空っぽでした。
石畳の床。今のタイルの床とは比べ物にならないほど、あったかく足裏に馴染んでいました。
最後に入浴し、つぎの月に万代湯さんに行きました。
その時に撮影。冬の乾いた画像です。古い画像で失礼します。
実は、それから万代湯さんに行っていません。
元気ですか? 万代湯さん。
町のおふろ屋さんの灯は消えゆくばかり。
バスの宝庫
万代湯さんのすぐ近くに、大阪シティバスのおうち「住吉車庫」があります。
業務を終えた運転手さんが、万代湯さんへ、おふろに入りにくるのかも。お疲れ様です。
なんと大阪シティバスの最長路線「大阪駅前~住吉車庫行き」が通っているのです。
バスマニアの皆さん・銭湯ファンの皆さんは、大阪駅前~大阪城付近~あべの橋~といった210円・極上の景色と距離を楽しんでいます。
カラフルな大阪駅前と渋い住吉車庫、たまりません。
すこし足を伸ばせば、住吉大社。
むかしながらの昭和の雰囲気です。
じぶんのなかでは、いいところ。
無駄なものはない
湯船ひとつ。ホントの「おふろやさん」。
大阪市内で、こんな銭湯も少なくなりました。
いまは、電気風呂・ジェットバス・サウナ・水風呂が揃っている銭湯の多いこと。
露天風呂・入浴剤入り。・薬ぶろ・打たせ湯……
設備充実、標準装備。
湯船ひとつ。無駄なものは、いらないなぁ。ちっちゃな浴室で、じゅうぶん。
万代湯さんには、浴室入ってすぐにある足を洗う「水鉢」と熱いお湯の「湯鉢」があります。
水だけなら、冬は寒い、冷たい。
熱いお湯で好みの温度にして、かけ湯をする。
指一本で適温のお湯が出る現代。
こんなカスタマイズも新鮮ですね。
扉は、引き戸です。かつては木枠だったのでしょうね。
きっと、いい音がしてたのでしょうね。
あっ、いつの間にか自転車が……
すごい、たくさん。
牡丹湯さんの常連さんが、やってきたのかも。
この辺で失礼します。
バスの風に吹かれておうちに帰ろ。
いつもこころにうるおいを。
水分補給もわすれずに。
最後までお読みくださり、
ありがとうございました。
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