大阪・泉布観の桜色
大阪市北区の貨幣の館「泉布観」
明治のはじめ、大阪のこの地に造幣局が開業。泉布観は造幣局の接待所でした。
今季の桜の投稿・最終記事です。
(1725文字)
泉布観
まずは冬の泉布観をご覧ください。
葉のない木は桜です。玄関前なのに、ジャマに感じるかもしれません。
ペパーミントグリーンの窓・薄ピンクのベランダ。二階建ての洋風建築……こんな建物です。
屋根から煙突が出ています。
次に角度を変えます。玄関口が出っぱっています。車寄せ、ここから要人をお迎えしたのですね。
桜の木は車を玄関に近づける、車回しの跡でした。
「シルバニアファミリーのお家?」
つい、つっこんでみたくなる白い洋風建築。
泉布観は、大阪で現存する最古の木造・洋風建築なのです。
最寄り駅は……
●JR東西線・大阪城北詰駅…徒歩約5分
●JR大阪環状線・京橋駅・桜ノ宮駅…徒歩約10分
●Osaka Metro(大阪メトロ)谷町線・堺筋線…南森町駅・徒歩・約10分
明治時代の文明開化
ここは、大阪市・大川 (むかしの淀川) 沿いです。
江戸時代は、幕府が橋を架け、水路で京都・伏見まで定期船が運行していました。
幕末は、大塩平八郎の乱が勃発。大塩一味の退路を防ぐため、奉行所が大事な橋を壊したり。
大川は見た、大阪の歴史をいつも……家政婦のように。
幕末の開国から明治時代、西洋の文化が入ります。
「これからは煉瓦・ガラスの洋風建築を建てるのだ!」
明治新政府の素早さに脱帽。
もちろん外国人の技師を雇い、造幣局や泉布観を造らせました。
1871年(明治4) 造幣局が創業しました。貨幣をつくる大きな工場と設備。
大阪の春を告げる「造幣局・桜の通り抜け」で、おなじみの施設です。2023年は4月7日(金)~13日(木)
(入場は事前申込み制・定員になりました)
泉布観は「貨幣の館」
泉布観は、明治天皇が命名。
意味は「貨幣の館」ステキですね。
わたしは「泉のように尽きることなく、布がひろがり衣服をつくるように経済が発展するイメージ」が頭に浮かびました。
泉布観の正面は舗装されていますので、車椅子のかたもどうぞ。
桜色の泉布観
春の泉布観です。
花が風に吹かれ、建物は薄ピンクでおおわれます。
いまは盛りをすぎて、花びらは地面に舞いおりている頃です……。
煉瓦小屋
戦禍を逃れた泉布観と煉瓦小屋。
泉布観の北側にひっそりと。
貴重な煉瓦の組み方「イギリス積み」
当時はイギリスから生活・建築など、文化を輸入していたのですね。
内部非公開
泉布観は、内部非公開です。
桜が咲く前、年に一度・毎年3月に内部見学会があります。
(2023年3月は改修工事のため内部公開なし)
わたしは幸運にも、2022年の内部公開に当選しました。
画像、すこしだけどうぞ。
内部見学会、すこし荒れているお部屋もありました。改修・保存工事は必要とおもいます。
次回の内部公開、2024年以降、楽しみですね。
大川に向いた泉布観・正面玄関。
明治時代の人々は泉布観を見て、さぞ腰を抜かしたことでしょう。
桜色の美しい洋館に。
桜咲く泉布観の春を、お届けしました。
大阪の桜・最終回
春の桜。桜めぐり、いったん終了して5記事を投稿。
また明日から通常の投稿に……
と思いつつ、しばらくすると八重桜や桃の花の記事を書くことでしょう。
大阪は夏に向けて走り出す。
桜さん 春をおおきに ありがとう。
いつも こころに うるおいを。
水分補給も わすれずに。
最後までお読みくださり、
ありがとうございます。