天上のバレエ・地上のダンス(53)電話連絡網
固定電話しかなかった昭和時代。交通機関・給料賃上げストライキがおこり、電車・バスが動かなかったこともあった。通学できない天災でも学校が臨時休校になるった。そんなときに出てくるのが緊急連絡用の「電話連絡網」でした。
電話連絡網
いまならメール・LINEで一斉送信。緊急連絡が簡単に指一本で、すばやくできるようになりました。それがあたりまえですね。
昭和時代にもどります。学校のクラスや職場で4月・新年度に配られた1枚の紙。
その名は「電話連絡網」!
リーダー(担任の先生)から末端(生徒全員)へ。ネズミ講のようにひろがる緊急連絡網。
電話連絡網(略して連絡網)は、中・高校のクラスでも配布されました。
個人情報保護なんて、もっと後の話。クラス全員の電話番号が明記されていました。黒い色の固定電話しかなかった時代です。
プライバシー全開の連絡網は、だいだい自宅の電話番号です。たまに保護者の事情で「呼び出し○○様方」・「祖父母」の家の電話番号が書いてあったりしました。
面倒な伝言ゲーム
これが、じぶんの所属する団体ごとにありました。保護者はたいへん。兄弟姉妹の分だけ連絡網は増えるし、けっこう混乱しました。
たとえば……「学校休校」の電話がかかってくると、
①次のひとへ、すみやかに電話を回すこと。
②次の人が留守だったら、そのひとは飛ばす。
③次の次の人に連絡を回す。
④後で留守だった人に、再度しぶんが連絡する。
そんな、システム。
留守の人ばかりだと、しぶんがずっと電話をかけ続けないといけない。なんかソンだとおもいつつ。
大人のバレエ教室で
そして世紀末。親子でバレエを習いに行くと、やはり連絡網。
すでに交通ストライキは、なくなったが。先生の都合でレッスン休講などの諸連絡で連絡網は必需品。ぼちぼち携帯電話を持つ人が増えたころでした。
先生が作成した連絡網。紙一枚をもらう。ニンゲンのすることだ。完全のようで完璧ではない。
大人クラスは、だいだいの生徒が働いている。育児組もいる。朝~昼の時間帯、自宅留守が多いのです。
実際の連絡は
休講の連絡を受けとった、早く次にまわさなくては!
わたしの次は……「ホンダ」さん。こんな人いたかしら?
ホンダさんは仕事の都合なのか、レッスンの欠席が多い。ほぼ会わないのだ。ホンダさんの後ろの「マツダ」さんなら毎週、会うのに。
ほぼ知らない人に電話
「モシモシ、ホンダさんのお宅でしょうか?」
「違います」「すみません、間違いました」……終了。
まちがい電話をかけた? もう一度かけよ。
「モシモシ、ホンダさ……」
「違いますよっ」……すこしイラッとしてるのがわかった。
この声、聞いたことがあるなぁ。
「モシモシ、ホンダ……」
「違いますってば!」
わかった。この声はマツダさん?
「ストレッチ、してますってば! でも硬いのです。」の声だ。
カラダが硬めのマツダさんだ。
「もしかしてマツダさん?」
「はい」
名前はホンダさんで電話番号はマツダさん。
このような「名前だけ、番号だけ入れ替わり事件」もたまに発生した。
電話連絡網。2005年に個人情報保護法の施行で消滅しました。
けっこう踊らされました。
踊るのはいいが、踊らされてはいけない。
紙も網も ネットの時代に。
いつも こころに うるおいを
水分補給もわすれずに
さいごまでお読みくださり
ありがとうございます。