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シンママの娘(3)

~第3回・毎週金曜日連載~

娘はシングルマザーです。
妊娠発覚。大学卒業式直前に。
今回は、すこし時を戻しての おはなしです。よろしければ、どうぞ。


大学の推薦入学

わたしのひとり娘は、新設の中高一貫校へ通っていました。
高校3年生。大学進学の受け入れ先も少なく、実績もなく。
学校側は、四年制大学への進学率を増やしたいようでした。

わたしは高卒。オットは高専卒。恥ずかしながら大学を出た者は親戚にもいない。そんな環境でした。

娘は大学進学して、何かのジャンルを深く学びたいとか、目的があるのかな。やりたいこと、あるのかな。
これから大学に行って見つけるのかな。  

  短大でもいいのでは?

「学校は四大、推してるねん」
「でも、アタシは内申点ぎりぎり。
もっと頭のいい子が来たらアウトやねん」

そうか、四年制大学に行くのが普通の時代。
わたしは大学の推薦入学の仕組みが全く わからない。
ナイシンテン? 要するに「成績上位者が優先」。娘の行けそうな大学は、あるのでしょうか。

女子大・文学部

娘の行けそうな大学が、一校空いていました。
隣県の女子大の文学部。当時、文学部は就職に不利とか言われていたけど。文学、賢そうではないか。

女子大の資料に目を通します。
授業料は他校と変わらない。通学定期券もなんとかなるだろう。
敷地が広いなぁ。校舎も雰囲気あるなぁ。
わたしの単なる憧れにすぎないが。
 ここ、ここにしよう。

どうか。誰もこの大学の推薦入学を希望しないで。誰も来ないでください。急に手を合わせる、わたし。お気楽な母であった。


オットといえば、「自分より娘の方が、学歴が良いのは嫌や」。聞こえる声で、つぶやいていました。

女子大生の娘

「推薦入学の優先座席」に、ちょこんと座ってた娘。他に座る人が来ませんでした。
あっけなく推薦入学が決定。

どうして、こんなステキな女子大に誰も希望しなかったのか。卒業生の特典も豪華なのに。
なぜ? おかしいな。共学の方が人気なのかな。

推薦入学が決まると、変更ができない。
高校では、卒業生・進学状況の追跡調査がある。就職先までのデータも記録される。いろいろあるのね。

「中退はダメ。ちゃんと卒業してや」


大学の初年度費用

年間の授業料やら初年度は高くつく。
大学に進学した人は、親御さんに金銭面でイヤミを言われたりしなかったのだろうか。
これから、お子さまの大学進学のため、金銭面のやりくりや貯金を考えている人もいるだろう。

たぶん皆さまは、しっかりと把握されていると思います。
お子さまのおられない人は、覚えておいてください。
将来のために。

実際、大学の初年度の支払いは授業料だけではなかった!わたしだけが、ちゃんと資料を見ていなかったのです。うっかりしていたのです。

入学金が要ることを!

娘の行く大学は、よそより入学金が●●万円も高かった!
ちゃんと書いてある。
高い!それで誰も希望者が…いなかったのでした。そうだったのか。ブルブル。
大学進学前に、わたし真っ青になりました。

寄付金



大学の入学後、学期末には、大学の成績表も届きましたが、娘の成績よりも

寄付金も在学中に払ってね用紙 

が、いつも同封されていました。
見てみないふり。
あれから4年。

と、とにかく卒業証書は いただきました。忘れられない高かった入学金。
紙切れ一枚でも、あとあと役立つこともある。「大卒」の肩書き。

卒業式。妊娠初期の、つわり がひどく立ってられない娘。保護者席で見守るオットとわたし。
卒業式は長かったです。

卒業式終了!即退場!


オットとわたしで、真っ青の娘の両脇を抱える。

誰にも呼び止められてはならぬ。
入り口の特設会場を突破しなければ!
あそこで何をするのか察しはつく。

だって寄付金を入れてませんから。

卒業式翌日から、やることは山のように。


  (次回は7月7日(金)です)

おはなしが進まなくて、たいへん失礼しました。
「シンママの娘」を、どうよろしくお願いいたします。

最後までお読みくださり、
ありがとうございます。

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