心を整えるために見落としがちなもの1
瞑想やヨガに取り組んでもうつになる人もいれば、イライラしがちな人もいます。これは環境や染み込んでしまった思考のクセやホルモンバランスが影響していますが、土台である肉体も大きく関係していると私は考えます。
気の持ちよう、体の持ちよう
よく「気の持ちよう」と言いますが、「体の持ちよう」も重要です。「気の持ちよう」は心構えや考え方次第という意味ですが、体については、私の造語です。
「体の持ちよう」、それは簡単に言うと体力と体調です。
体力がなかったり、体調がよくなければ、何をするにもすぐ疲れてしまい、思うように動けません。もどかしさが募り、ストレスが溜まり、やる気もなくなります。あれこれやらなくてはと思っているのに、実際はできないため、できない自分に失望しがちに。自己肯定感が損なわれる一因です。
逆に体力のある人、体調の良い人は、余力があるため、気持ちに余裕が持てます。日常生活に使ってもまだエネルギーが余っているので、好きなことをする気力・体力もあります。やらなくてはならないこと、やりたかったこと。この両方をやり遂げると、自分との約束を果たしたことになり、自分への信頼度が育っていきます。
体力がつくと自信がつく
筋トレをしている人に自己肯定感が高い人が多いのは、筋肉の材料であるタンパク質をたくさん摂取していること、ハードなトレーニングを成し遂げる達成感、そして見た目に成果が分かりやすいことが関係していると考えられます。筋肉がつき、体力がつき、自信がつく。自分の体をデザインしながら心もデザインしていく、ということなのでしょう。
体を使って心を整える技はたくさんあります。しかし、体のエネルギーが足りていなければそれもままなりません。今、自己肯定感が落ちている人、やる気が出ない方は、気合でなんとかしようとする前にまず体力をつけることを試してみてください。
体力がつくと体を動かしたくなり、家事や仕事も楽にこなせるようになります。キビキビ動ければ作業が捗り、早く用が済みます。余剰時間が生まれるので、今までやってみたかったけれど後回しにしていたことができるようになるのです。
食事から心地よい自分をデザインする
いきなりきつい筋トレやらを始めるのではなく、まずは肉体の材料となる栄養から。食事の内容を見直してみてください。例えば糖質・脂質の多いスナック菓子を減らし、タンパク質を摂るようにしてみるなど。一般常識レベルの話ですが、単に知識として知っているだけなのと実際に行動に移してみるのでは、得られるものの価値が全く違います。
肉体は魂の乗り物、という考えもあります。それも正しいと思います。でも乗り物が不具合を起こしていては、気持ちよくドライブをできませんし、目的地にたどり着けないかもしれません。
器質的な差で優劣をつけようというのではありません。連動しているもの、使えるものは使おうではないかということです。人と比べなくていいのです。自分比で心地よい自分をデザインするために、まず体力と体調を。