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そこにしかない景色を見に行く

MU2023に行ってきた、楽しかった!
ってことをつらつらと書いていこうかなと思う。先に言っておくと音楽的な部分は全然書いてない。なんの曲が良かったとかどのアーティストが好きであの曲が聴けて良かったとかそういう話ではなく、今回はイベント全体について思ったことを書いているので、そういうの読みたかったみたいな場合はちょっと違うかもしれない。

MU2023はMU2020というコロナ禍真っ只中に開催された完全オンラインイベント(配信者は自宅もしくはクラブなど箱でDJすることもある)
お酒も夜は一人でも、大人数でも飲んではいけない、クラブ営業NG、という状況になり深夜にクラブで遊ぶことを続けていた私は遊び場を失っていたし、クラブで会う友達たちとも会えなくなってしまっていたなかの開催。
関係各所がみんなでひとつになって“クラブを盛り上げよう、続けていこうという強い意志といつかまたクラブで集まれる時が来たら再会しよう”という強いメッセージを感じた。

(実際は盛り上げよう!とかそういう次元じゃなくて生き残りを賭けて必死な部分もあったと思う、けど努めて明るく、楽しい仕掛けを用意して様々なブッキングや演出に凝っていて“バーチャルでないとできないこと”にも挑戦している姿が面白かった)

twichの配信で全世界のオタクの様々な反応も面白かった、いつも見ているDJさんも配信はほとんど出たことないという人もいて、そういった人が全世界の人に新鮮に誉められるとなぜか一緒に嬉しくなった(俗に言う古参面)


MU2023の前にMU2022の話も少しだけ。
声出しNGのなか開催されたものの、やっと現地に行ける喜びに溢れた会場の熱気は凄まじく、1日限りの開催だったにも関わらず久しぶりに会う友達に沢山会えた。
それこそクラブイベントに最近ほとんど来ないような友達にも会えて、今でも一人一人の顔が思い出せるくらい嬉しかった。

そして迎えたMU2023。
2DAYS開催に拡大し、オフィシャルバーカウンターも設置。
私が日本酒を好きになったきっかけの大和川酒造さんの出店もあったため2日間通ってしまった。
大和川酒造さんもMU2020で協賛していたのでMUの大事なピースのうちの一つ。
新作の微発泡日本酒“さん”は飲みやすくてちょうどよいボトルサイズなので、軽率に会った友達全員に勧めたらみんな美味しそうに飲んでくれて嬉しかった。

トラックメイカー兼DJの出演者の方々が新曲を次々に披露していたのも印象的だった。
サプライズゲストボーカル出演の方々も華やかだったし、素敵だった。
今までのMUからこれから先のクラブイベントへ、新曲を通じて橋渡しをしているような、「初めて来た人も、またクラブへ来てね」というメッセージを感じた。

集大成を見せる晴れ舞台であり次のクラブへの招待状でもあったような─今までとこれからに一番似合う朝を待っていたね 扉を開けて出会いに行くよ─(突然アイカツ!歌詞引用オタク)

あと特筆すべき大事なピースはやっぱり追加発表になった、DJ NOT PORTER ROBINSON。
その人とは関係ないDJ PORTER ROBINSONは
オンラインフェス「SECRET SKY MUSIC FESTIVAL」をMU2020と同じ年にオンラインフェス形式で開催し、視聴者はVR会場という空間に存在して出演アーティストと同じ空間に居ることができた。
そのような工夫や彼自身のオタクカルチャーへの親和性が、MUと似ていて面白かった。

なんかポーター・ロビンソンの曲いっぱい掛けるすごく上手いDJが「私は絶対ポーター・ロビンソンじゃないです」ってMCしてたね、私は姿見てないからどんな人か知らないけど。初めて見たけどオタクだったね。

バーカウンターエリアで止まないイェーガーの乾杯コールは、ずっとクラブ界隈にいる出演者の人たちも今日初めて来た人たちも垣根なく笑顔で交わされており、パーティーの活気の復活を感じて嬉しかった。

2日間参加し終わって家に着いて、
MU2023はフェスだったな、と感じた。
私にとってのフェスの定義は
フェス=ハレの場
野外ならその日の気温や天気、朝から夜、夜から朝への日差しの変化や日向日陰森の中海辺川辺含めた全ての環境を肌で感じながら触れる音楽という体験
屋内でも時間帯による出演者の選曲傾向や映像、ミラーボールなど含めた空間演出なども含めた体験
それらが全て“非日常=ハレ”で、否応なしに高揚感を感じてしまうもの。

MU2022,2023開催の空港というロケーションは、普通は入れない場所であり日常とも繋がっている不思議な空間で、もう二度とないという事実が逆により一層特別な輝きを放っていた。

しかも今回はクラブ営業を本格的に再開した秋葉原mograで定期開催パーティーのelemogも開催していた。
DAY1から帰る時は完全に全身筋肉痛で階段を上り下りするのも辛かったけれど、銭湯に入ったら気持ち楽になったので勢いで参加してみた。
それもこれもDAY1でtofubeatsさんが掛けた「朝が来るまで終わること無いダンスを」が沁みてしまったからということにしよう。
Fellsiusさんは元々見たかったので丁度良かったし、いつもより混んでいるとはいえ、充分踊れるスペースはあったので割としっかりめに踊ったりもした。そうしたら朝方、驚異の回復力で脚の筋肉痛が治り安心した。筋肉は全てを解決する。
そのelemogのお陰でほどよく非日常から非日常への橋渡しができていたように感じて、(フジロックのオールナイトフジみたいだなぁ)とぼんやり思った。

私はMUを2022,2023ともに現地で体験してしまったけど、2020から始まったこのイベントを2022,2023と全てオンライン配信上で見るのも文脈として面白いと思う。
楽しむ場所だけでなく感じ方についても、私はフェスだと感じたけど、人によってはクラブかもしれないし、飲み会場かもしれないし、友達と話す場かもしれないし、オンオフ問わず参加者の数だけ楽しみ方があると思う。
沢山の人がいて一緒の場に居ても見える景色が違うこと、そして同じ曲を聴いて同じ気持ちになること、そのどちらも尊い経験だな、とイベントに行く度に思う。(もちろん全く同じ気持ちにはなっていないけど、同じタイミングで手を挙げたり、ハンドクラップしたり歓声を上げるだけで同じと見做す)

全く会ったことがない人、今まで何度も同じパーティーという名の夜を過ごしてきた人、初めて会う人、これからもう二度と会わないかもしれない人、その全員が同じ場所にいたこと、オンラインでも同時にそれが起こって、その人たちと言葉を介せずとも一つの感情になれることがすごいことだと思う。
それこそが、そこにしかない景色。
同じ日は二度と来ないのと同じく、同じイベント・フェス・パーティーは二度とない。それが楽しいからパーティーに通ってしまう。

Music Unity企画運営に携わった全ての方々、ありがとうございました。
また、会場で会った人も会ってない人も、良かったら今度どこかのパーティーで会いましょう。


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