シャイン第2章ep1「人生初の帝劇」
これは観劇レポではありません。これは18歳の少女を追いかけて、彼女の成長と人生を追うノンフィクション作品です。これは、私の人生をかけた書き物です。終わりを設定していないので、ある日突然、なんの前触れもなく終了するかもしれない、そして更新も思いっきり不定期です。それでも良ければ、続きを読んでいただけると心から嬉しいです。ちなみに第一章はこちら。続きを読む前にぜひ、ご一読いただけると話が早いです。
劇場の空気を吸っただけで「小学生の頃からの夢が叶った」と
数か月前、甘え下手なシャインに強引にわがままを「言わせた」自分を褒めたたえたい。奔放に見えて、実はしっかり者の一人娘。周りの大人たちから「末妹」だなんて言われながら、誰よりも自立心がある。そんな彼女がSNSで呟いたのは、
クレカ申し込みしかできないチケットが欲しい。
演目は大人でも入手困難な人気作。先行申し込みはもちろん、先着一般発売も秒殺。
18歳になったとはいえ、現役高校生のシャインには「クレジットカード」での支払いが難しい。しかも欲しいのは、現在のミュージカル界きってのスター同士の共演作。ダブルキャストでロングラン公演を打っても、チケットが取れないのだ。これは普段がんばってるシャインを甘やかすチャンスだと感じた。そして
「いつなら行ける?チケットは取るよ」と。
まぁ私、ダテに観劇オタクをウン十年やってませんから、絶対に取ってやる!っていう勝ち確ではあった。いや、もちろん大変だったけど。でも、いつか帝劇へ、そしてなるべくなら自分が気になっている役者さん(必死に推しじゃないというので尊重する笑)の公演を、、、という夢を持っていたから、それが揃うし演目も大好きなやつだし、なによりシャインを喜ばせたいという一心だった。
すぐに「いつなら」という返事はなかった。
だろうとは思っていたけど、予定を聞き出したのは実際に会えた時だった。おずおずと、という表現が分かりやすいだろうか。言いにくそうに、だろうか。シャインにしては珍しく「あの作品を観に行けるとしたら、、、」という頼りない切り出し。無理にこちらから日程を確認しなくてよかった。大事なのは、誰かに頼ることもできるってことを知ってほしかった。自分で出来ることと、出来ないことはお願いすればいい。あなたの周りには、きっと私以外にも頼れる大人はいっぱいいる。でも、甘えかたもお願いの方法も知らなかったら、それを行動に移すことは出来ない。だから、シャインから言い出すように時間をかけた。これ以上しっかり者のまま、急速に大人になってほしくない。出来ないことがあるうちは、それが出来る大人を頼るべき、そしてそれが許されるうちに知ってほしかったのだ。
だから一緒に帝劇のもぎりを通った時は、感動してすでに湿っているシャインの目を見た。ここに連れてきたことは自己満足だったかも知れない。でも、夢を叶えるのは自分だけの力じゃできないこともいっぱいある。望んだのは彼女だし、手助けしたのは自分。次に彼女が「甘えても」欲しかった機会がいつになるかは分からないのだから。
18歳のシャインは、目に映る「人生初の帝劇」すべてに感動している。そして階段をのぼるのさえ、小鹿のようにフラフラな足取り。恰好は立派に「帝劇常連風」なのになぁ、、、と撮った写真を加工なしで載せたい、と思いつつ狼狽えるシャインを観察した。
「モーツアルト!」は今の彼女に観せるべき作品だった
若者にこそ観てほしいのに、その枠がないのは本当に残念。B席6000円は、今後次代を担う若者に開放すべきですよ帝劇さん。これを大人はどんな風に受け取るかはどうでもいい。人気スターの共演とか、ベテラン俳優そろえたとか、ホントに集客だけの作品にしてほしくない。
知ってほしいのは家族や愛する人を大事にするあまり「自分を蔑ろにしてはいけない」という部分だ。そうして才能なり、時間なり、本当に大事なものを無駄にしてしまい、疲弊してしまい、最後には、、、。
だから、間違っていなかった。今の彼女には必要な作品だったと、心から確信している。自己満足じゃない。自己肯定でもなく、
彼女自身が求めたものは、シャインの人生に必要な「教訓」だということ。
グサグサ刺さるものが沢山あって、何度も号泣した
始まる前は「まぁ泣かないですけどね」とか、余裕ぶってたのに。まぁそんなはずはないと、知ってたんだけど。
これが現役高校生の感想。しっかり者すぎる彼女の、地方都市に住む高校生。18歳の生の声。
あなたの人生はあなただけのものだと、大声で叫びながら帰ってきた
……もちろん心の中で。
今を楽しめ。やりたいこと、やらなきゃいけないことに打ち込め。あきらめるな、そして無理するな。
どうかモーツアルトのような人生を反面教師に。そして、あなたを愛する人の存在を大事に。そして何よりあなたの人生を最優先に。