シャイン第2章ep3「高校3年、好きなものに没頭する・・・動物園の巻」
第一章はこちら
注意事項・・・(第二章冒頭と同じなので、知ってる方は読み飛ばしてください)
これは18歳の少女を追いかけて、彼女の成長と人生を追うノンフィクション作品です。これは、私の人生をかけた書き物です。終わりを設定していないので、ある日突然、なんの前触れもなく終了するかもしれない、そして更新も思いっきり不定期です。それでも良ければ、続きを読んでいただけると心から嬉しいです。
思春期。あぁ、なんて素敵な響き。
誰しも通るのに、誰しもが失ってしまうもの。その場所で留まることは、今だと「厨二病」とでも言われちゃうんだろうな。まぁそういう人もいるんだろうけど、だいたいが過ぎ去っちゃう。
だからこそちゃんと思春期を謳歌しないとダメなの。あまりイイコすぎると、その反動で大人になった時に無茶しちゃうからね。ちゃんと甘えていい時期に甘えておいて欲しい、と18歳のシャインに思っていた。だから。
ちゃんとワガママを言う、年相応の「らしさ」を見たいという大人げない私がまずしたのは。
ギリギリまで予定をきかない。言わせるために。
「明日はぼっち動物園です。ちょっと時間かかるので同世代は付き合ってくれません」
⇧
訳・・・しずかさん、こういう風に書いたらきっと来てくれるんだろうな。
今どきのJKの文面を読み解くのは、大学では教えてくれないんよ、マジでむずいっすわ笑
でもシャインの気持ちも意図も、前日まで放置した自分の予想通り伝わってきた。
そして、シャインの思いを分かりにくい文章で受け取れて良かった、と心から安堵した。
...…付き合うよ。あなたを見てるだけで退屈しないから。と返信した。
ポストにはもう少しわかりやすく「明日の日中はぼっち」と書いてあって、後から「しずかさんなら気づいてくれると思って、狙いうちした」と白状した。
少しづつ、素の部分をみせてくれるようになったシャイン。「初めて」をたくさん、たくさん一緒に過ごして、ちゃんと年相応の思春期の横顔が見えた。今日はそんな内面の成長のお話。
トラで20分。そりゃ同世代は無理だろな
カメラ構えて、ほぼ動かないし喋らない→よく喋るモード→たまにトラが遊んでくれる(ガラスに突進とか)すると、きゃいきゃい喜ぶ→トラ博士みたいなおばあちゃんと会話。
三つ子のトラの赤ちゃんが今日は出てない(出勤してない)と知ると、また来ます!と返事して私の顔をみるシャイン。おばあちゃんはきっと、私をママだと勘違いしたよ。また来ようね、と私もシャインのママ風に答えた。
本当に飽きない。トラじゃなくてシャインだけどね、私の観察対象。いつもいつも、頑丈に守ってる「外向けの鉄仮面」みたく硬い硬いポーカーフェイスが、トラとトラ博士の前では簡単に壊れる。カメラを構えて、目は動物達にまっしぐら。その目の先に映る動物達を、この子はどう捉えているのだろう。
そして鹿に至ってはそれ以上・・・・・・ここにはドラマがあったから
哀愁ただよう目。折れたツノと、むしられた毛。シャインじゃなくても目が離せない、そんな鹿を見つめる。カラスが何羽も群がって嘴をあてている。
痛そう、可哀想、やめてあげて
本当は痛くないし可哀想でもないかもしれない。でも伝わってくる、その目から。悲壮感。その場から動けない。
ふと
見てあげないほうが良いのかも
という呟き。
この子は今、鹿の気持ち、鹿の目線で考えているのだなと。明らかに「見られることを楽しんではいない動物」を前に、動物を見ている自分への批判的な思い。難しい年齢にありがちな思考に、これを見たかったと嬉々とする大人げない自分。
小雨の中、3時間歩き回った甲斐があった。
結局、鹿を見つめること、30分以上。彼らの終業時間、お疲れ様と声をかけて歩き出す。
本当はライオンがいいんです、ライオンキング絶対に観てください!・・・すぐにいつもの飄々としてるシャインにもどる。
あぁ今回は短かったな、でも収穫は多い。動物に自分を重ねて、客観的にそれを見てることで、何か落ち着きのようなもの感じているのではないか。
そしてたまに、動物の気持ちになって共鳴して、でもそれでまた落ち着く。
シャインのシャインらしい、面倒な思考に触れた。
そしてそこにある「一筋縄ではいかない、深層部分」が垣間見えた。
まだまだ始まったばかり。時間がかかるけど、それが良いのかもしれない。・・・と歩き出す。
最後に一つだけ、トラ博士のおばあちゃん、私、、ママじゃなくて姉のつもりなんですよ。若干歳は離れすぎてるとは思うんですけど、シャインみたいな娘がもしいたら大変なんですよ、たぶん一人で夜行バスに乗せることさえできないです、もう家から出さずに、閉じ込めちゃうくらいにかわいいんですわ。でも姉のつもりだから、多少は寛大にいられるんです。まぁ多少口うるさい自覚はあるけど。
約束を守る大人になれるように。
それ以外は甘々で良いんだけど、それだけは破り癖をつけたくない。そんな狡さを身につけて大人になってほしくないから。だから、私も頑張らないと。
素直じゃない言葉をわざと選んでるってわかってるんだから、ちゃんとシャインの思いや願いや、かわいくて仕方ないわがままを受け取れるように。そして何か助けを求めている時には、それにすぐに気づいてあげられるように。
・・・・・・だからたまにはわかりやすい言葉をくれてもいいんだよシャイン。
今日はこのへんで。秋から冬はいろいろあったので、小出しにしまーす。また次回。