人生100年時代ってどうなの?
人生100年時代とあちこちで見聞きしますが、 普段の会話の中でそんな話出ますか?
また100歳まで生きたいという人、身近にいますか?
何歳まで働けばいいの?
何歳になったら主婦は家事から解放されるの?
現在80~90代のひとたちは、昭和元年生まれの人が97歳。
クルマ社会ではないのでどこへ行くにも徒歩。
自転車も高級品だったし、ママチャリもありません。
荷台のがっしりした荷物運び用の自転車です。
歩くのは、全身運動で筋肉だけでなく臓器も鍛えられます。
食材は、地産地消の旬のもので一汁二菜ぐらい。
真冬にいちごはありません。
今ではクリスマスケーキに必須のいちごは
真冬に食べるものと思っているかも。
日本で育たないバナナは輸入物ですから高級品です。
きゅうりも年中ありますが、夏にしか食べられません。
アイスクリームが誰でも食べられるようになったのは、戦後もだいぶ経ってからでしょう。
しかも真冬にも食べるなんて、いまだに私はアイスクリーム嫌い。
さらに遊びはいつも外。男の子も女の子もお日様の下で遊ぶ。
歩くということ、 旬の食材しか食べていない、それも無農薬の野菜が中心の食事。
子どものころから育ち盛りにこういう食生活と日常を過ごしてきた80~90代、
しかも青春を戦争に奪われた悲劇も背負っていて、悲しみ苦しみに耐えてきた人生です。
心身ともに強いのです。
どの家庭も今より子だくさんで、電化製品がほとんどない家事と農家なら畑仕事もあります。
大家族制度ですべてのことを仕切ってきた女性たちが、長寿社会で報われた老後かと言えば、期待は裏切られています。
世の中にも、育てた息子や娘にも、
見捨てられているか、親の遺産めあてか....
心は空虚なのです。
戦後生まれも77歳です。
もうここから以降の人たちは贅沢な食生活をしていますから、添加物やら農薬やら人体に被害はないとはいえ、自然界に存在しない人工物の毎日の微量が体内に蓄積しています。
ある業界の人は、病気とも言えない症状に悩まされ続けるといいます。
その仕事を続けている限り、治らない病だと言われますが、声高に言うことはできません。
数年前、地域の民生委員をしていました。
これは交通費と電話代が少々振り込まれるだけの完全なる役所のボランティアです。
日当など1円も出ませんが高齢者宅を訪ね、相談を聴き、役所へ連絡したり、報告書も書かねばならないし多忙です。
担当の高齢者が数十人と多かったので、とにかく忙しい。
100歳まで生きたいという人は一人もいませんでした。
話し相手が欲しい孤独を抱えてひっそりと暮らしているのです。安楽死を願っている人が多いのです。
以前、100歳を超えたある有名な女性文化人Aさん(どの分野の文化人かは伏せます)を
国民の誰もが知っている女性タレントが訪ねました。
帰り際、女性タレントは「いつまでもお元気で長生きしてください」と、まぁ当たり前の挨拶をして帰ろうとしたら、彼女のうしろ姿にむかって、
その100歳超えのAさんは、
「それを言うならカネをくれ」と叫ぶように言ったのです。
女性タレントは、聞こえないふりしてふりむきもせず、帰りました。
長寿が愛でたいと誰も思っていないでしょう。
長生きのリスクのほうが切実です。
生きる=食べなくてはならない=家賃や税金など諸々の社会生活費は容赦なく要るのです。