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マンガの本文書体「アンチゴチ」について考える~フォント力の強化~
こんにちは。
一日のうちで、起きている時間の8分の1ぐらいをマンガを読むのに費やしているわたしですが。フォント沼に落ちかけて以来、マンガのフォントが気になって気になって仕方がありません。
特によく目にするフォント。本文に使用されているフォントについて調べてみました。マンガの本文に基本的に使用されている書体はアンチゴチというらしい。
アンチゴチ:
ひらがなにはアンチック体と、漢字のゴシック体の組み合わせをアンチゴチと呼びます。コミックの基本文によくみられる書体。
なるほど。
たしかに漢字だけゴシック体になっているな、と思っていたのですが、このような場合はひらがなにアンチック体というものを使っているのですね。
アンチック体にはどんなものがあって、それぞれどんなマンガに使われているのか。わたしなりに調べてみました。
1. アンチック体の種類
なんと、まとめてくれている方がいらっしゃるではありませんか・・・。
多大な感謝を申し上げたい。
なぁるほど。
配信されている雑誌によって、派閥がありそうですね。
ジャンプは、アンチックAN1(モリサワ)。
サンデーは、学参アンチック(モリサワ)。
マガジンは、ZENアンチック。
同人誌では、イワタアンチック体や、フリーのフォントが多そうですね。
よく読むマンガにどんなアンチック体が使われているか、見ていきました。
2. アンチックAN1(モリサワ)
ジャンプなどで使われるフォント、アンチックAN1。
ジャンプだけではなく、少女漫画などにも圧倒的に多く使われていました。わたしが有名なマンガばかり読むせいか、手元のマンガはほぼこちらのフォントでした。
よく使われているため、よくも悪くも「普通」な印象を受けます。太さが均一なので小さくても可読性も高く、マンガを邪魔することなくスルスルと流せる読みやすいフォントです。
「普通だなー」と思ったら、アンチックAN1を使っている気がします。
ほかのフォントは、アンチックAN1との比較でみていきたいと思います。
3. 学参アンチック(モリサワ)
アンチックAN1の次に多く発見したフォント。
女性誌に多かったです。文字と文字のつながりが少なく、アンチックAN1と比較して、易しい印象を受けます。丸っこくてちょっとかわいい雰囲気ですね。
「た」に着目すると一発で見分けられます。
他のひらがなもつながりが薄いので、見分けやすいです。
4. イワタ アンチック体
『White note pad』ヤマシタトモコ
おそらく、イワタ アンチック体。アンチックAN1と比較して、角ばった印象です。小説っぽい、独特の世界観を感じます。
5. おわりに
アンチックAN1か否かで、まずは見てみるといいかもですね。
疑問が解消されてスッキリしました。
ただ、今回いろいろみていて思ったのは、フォントはあくまで世界観を表現するひとつの要素でしかないんだなぁと。
画面全体のベタの量、トーンの量や種類、線の太さなどなど・・・。いろんな要素を複合して、そのマンガの世界観や印象を感じ取っているなと思いました。
どんな世界観のなかでそのフォントが使われているか。フォントだけではなくて、全体を総合してみるようにしようと改めて思いました。
それを意識しつつ。次回は、アンチック体以外の、マンガでよく使われるフォントについても調べてみたいです~。