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受け入れる心を花に託す

桜の満開に合わせて、と開かれた杉謙太郎先生の花会へ伺いました。幸せなことに知り合いの方に子どもを預かっていただけて、ひとり、全てをこのひと時に託せました。貴重な機会をいただき深く感謝するとともに、個人的な感想にはなりますがこちらに書き留めさせていただきます。


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会場では杉先生が約1年間作り続けた器の一部に出迎えられ、始まってからはずっと、花と花器が溶け込んでいくような様をただ眺めていました。行き来する靴音が時を刻み、ドラマーの田中氏が音を重ねる度に空間が広がっていくのを体感しました。会場で起こったことにはどんな解釈をも受け入れる包容力があり、心地よさが残りました。


帰宅後、寝る前にこの花会でのひと時を順を追って思い返していたら眠れなくなるくらいの深い感情に出会いました。

『花も樹もただそこに在るのみ。人の心がその姿形に想いを託す。』

この言葉は八女市星野村の山本源太氏から6年ほど前に伺ったものです。

どのようなものに対しても想いを重ね、自由に感じられてこそ人は「いいものをみた」と言うのでしょうか。


会場では大きく3つのことが起こりました。個人的な見立てとなりますが、感じたままに記します。

『一列に並んだ9つの花器、順に植物の光が宿ってゆく様に太陽系の惑星の持つ豊かさをみる。

桜並木のような枝々に光る花びら、光源、床に散らばる器の群れに銀河を想う。やがて壊れた花器と真紅の椿の花びらが銀河に漂う。

10番目の花器には時の終わりを告げるかのような枝垂れ桜が降り立ち、蝋燭の炎が揺らめく。

終わりから始まりが生まれる。始まりは観者に手渡されて幕が降りた。』


死を受け入れその先を新たな世界へと託せば、散りばめられた優しさが集まり光となり形となる、そのような光景がみえました。自分がみたかったものをここにみて、最近の出来事が整理されて全て収まったら、手元にはただお土産が残る感じがしました。

また、『壊れることもそうですが人が目を逸らしたくなるところにある美しさを表したかった』という杉先生のお話にも共鳴しました。そして、壊れたからこそ新たに生まれて輝きを増すのが『生』の美しさでもあると感じました。



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↑この実。会場でお花見をしていた時に、コツンと当たってしまい、転がり始めたのを必死で掴みました。自分で当たったとはいえ、流れ星のように流れる実を掴んだのだからとても幸運なことでした。伺えば、うきはと星野村と矢部村の辺りの土でできているとのこと、ご縁のある地名に何だかこの10年間の記念品のようです。

いい時間だったなあと感慨にふけりながら家に帰れば5月のグループ展のDMの束が届いていました。このDMが受け取った方にとって新しい世界への切符となるように、日々精進します。



杉謙太郎先生の器などの展示につきましては以下の通りです。

たけのこ村展示即売会

4月10日(土)まで open 12:00 〜 17:00 ※期間中は水曜日定休

杉工場にて(福岡県うきは市吉井町249-1)

詳細は杉工場のinstagramをご確認いただきますようお願い申し上げます。



この花会での桜と色にまつわる感想はブログに記しました。もしよろしければこちらもご覧いただけると嬉しいです。

https://blog.goo.ne.jp/uchisea/e/015bcf6ce89b84740fc3c2bf535ec836

サポートいただいた場合には、古民家等での展示費用として活用させていただきます。