芭蕉の葉
ふとした時に芭蕉から元気をもらう。夏の日差しに明るい緑がヒラヒラと揺れている。
花が咲いている。大きくてゆるやかな時間を生きているようだ。
同じ時間の流れに身を置きたい。そういう過ごし方が好きで、あちこち行きながら描きながら過ごしてきた。
お金を生めないものは仕事ではないとは思えない。
絵を描いている、と人に話すと趣味だと思われる。
趣味と仕事は何が違うのかというと、この曖昧さを言葉にするのは難しいが、仕事として向き合っているかどうか、それだけの違いだと思う。
結局は自分次第。
自分なりに研究を進めて、世界を見つめていくことが仕事であり、描くことも染めることも手段でしかない。手段に拘ることはないが、手段を使わない手はない。
目の前で必要とされる場面の一瞬一瞬で自らのチカラをほんの一滴ずつでも加えてみる。その繰り返しが新たな流れを作り、カタチになり、誰かと共鳴して場を作り上げていく。
紅型染が好きなのは古典柄にみられるおおらかさが沖縄の風土そのものだからだ。
染めの先生の素朴で温かな言葉と先生の型紙のデザインが好きだ。
ざっくりとしていてもぼんやりとはしていない。こうだと決めつけずに、だけど文様が入ることで布が決まる。
私には布の経験が足りないけれど、それはこれから積み重ねればいいのだから、今できることをやっていこう。
土地に慣れ、風を湿り気を感じ、糊をおく仕事を始めよう。
8月15日。
今日この日はやはり特別な日だ。
毎年ご先祖様に感謝して、今ここに在る幸せを手のひらに受け止めた太陽の光にみる。
前を向いて、いつでも朗らかに接してくれた祖母の眼差しを思い出しながら、大切な家族の朝ご飯の仕度にとりかかろう。
サポートいただいた場合には、古民家等での展示費用として活用させていただきます。