『アイカツアカデミー!』の魅力について改めて考える(6)
2025年1月10日に行われた「新春みゅ~らいぶ2025」にアイカツアカデミー配信部がゲストとして出演し、それを会場で見させていただいたのですが、観覧後にこの雑記の(1)~(5)で言及し忘れた事項があったことに気付きました。そこで、今いちど筆を取るに至った次第です。
(※いわゆる「メタ的な話」を含みます。そういうのが苦手な方は閲覧にご注意ください)
まだあった「今までと変わらぬ魅力」
「アイカツの日常」は学校生活だけではない
配信部の面々による雑談配信やゲーム実況配信などについて、「アイカツの日常パートに等しいのではないか」というお話を(4)にてさせていただいたのですが、ここにはとんでもない見落としがありました。
歴代のアイカツアイドルの先輩方が学びを得てきた場、それは何も学校の中だけとは限りません。
学校の外、つまり芸能人としての仕事をしていく中でもまた、様々な学びを得て成長していく――それもアイカツの物語の大きな魅力であるわけです。
(5)までの雑記を書いた時点では、配信部の面々が部活チャンネルまたは個人チャンネル以外での大きな活動が無かったため、そのことに気付くことができずにいました。(もちろん配信だって立派なお仕事ですが、従来作における「仕事に奮闘する様」と線で結ぶのは厳しいと考えます)
いちばん最初の「外でのお仕事」は2024年8月中旬、デビューから程なくして行われた、「ガールズコミックフェス2024」のメーカーブースでの会場限定生配信だと思います。
まだまだ不慣れだったにも関わらず多くのお客さんの前でトークと歌をきちんと披露する姿は、今後に向けての頼もしさを感じさせてくれました。
ただ、催し自体はアイカツアカデミーとして行っているものでありましたし、「お披露目」の色合いも大きかったため、今回話題に上げている「いつもと違う場で奮闘する様を見守る」ともまた違った感覚ではありました。
次の「外でのお仕事」は少し空いて、10月にvα-livさんのチャンネルにお邪魔した時でしょうか。他プロジェクトのアイドルさんたちと交流するその様は、配信部を取り巻く世界を一気に広げてくれたように感じられて、非常に感慨深いものがありました。
PROJECT IM@Sはアイカツシリーズと同じバンダイナムコ社のアイドルコンテンツであるため、完全に「外に出向いていった」とまでは言い難い部分はあるかもしれません。しかしそれでも、いつものメンバーだけでは生まれないトークの流れがあったりもして、新たな魅力に気付かせてくれる素晴らしい試みだったと感じています。
12月下旬にあったMaria Marionetteさんの3Dお披露目へのゲスト出演は、バンダイナムコ社以外による催しへの初めての出演だったと思います。アイカツ愛が非常に深い方のイベントに呼んでいただけたことは本当に光栄なことだったでしょうし、「アイカツのアイドルがアイカツ愛を持つ人と共演する」が可能になったという「デミカツにおいて新たに生まれた強み」に気付かせていただけたとも感じます。
いつもと違うリスナーさんたち(それも海外の方が非常に多い)を前に尊敬する大先輩の曲を、その日の主役とともに歌い踊り上げたその姿は、今後にも大いに期待できる非常に立派なものでありました。
そして年が明けて早々に、配信部の面々は大きな「外でのお仕事」に挑むことになりました。それがMEWLIVEさんが主宰する有観客のバラエティ&ライブイベント「新春みゅ~らいぶ2025」だったのです。
それぞれの自室や部室とは全く違った場で、会場に集まった大勢のお客さんを前に、バラエティにライブにと奮闘する配信部メンバーの姿は、TKYテレビやロケ現場などで活躍していたアイカツアイドルの先輩方とどこか重なって見えました。
配信者やアーティストとしての先輩方から色々なことを学び取り、刺激を受ける良い場にもきっとなったのだろうと思います。(ご本人たちもそういったことをお話ししていました)
「それもまたアイカツだね」
まさにちょうど年末年始の多忙な中で発せられた、偉大な先輩の言葉です。
仕事においても常にアイドルとしての学びを追い求めるその心意気は、アイカツのアイドルたちの大きな魅力だと思います。
受容の個人差は大きいが強い魅力を持つ「ライブイベント」
アイカツファンがアイカツの何に魅力を感じるのか、それは千差万別です。これまで綴ってきた雑記のの文中で代表的なものをいくつか挙げては来たのですが、ひとつ言及をしていなかったものがありました。
それは、「ライブイベントの楽しさ」です。
(※デミカツにおいては注釈が必要となるのでいちおう付記しますが、配信ライブでは無くリアルライブを指しています)
これは忘れていたのではなく、2つの理由から言及を控えていたのが実情です。
まず1つめの理由は、個人差の大きい事項であることです。
アイカツのライブイベントは東京近郊で行われることが多い傾向にあります。第一線のアイドルコンテンツであるアイマスさんやラブライブさんほどのイベント予算は貰えてないでしょうし、アイカツが(恐らくは)東京で制作・運営されている以上、他地方での開催が難しいのは仕方のないことではあります。
とは言え事実として、アイカツのライブイベントに現地参加するというのは、関東地方近辺に住んでいない限りはハードルが高いわけです。ゆえに、これまでの記事で上げてきたような「万人が同じように感じられる魅力」とは言い難いでしょう。
また、私自身はライブにおける壇上と観客席との一体感が好きな人間であるため当然そういった空間に魅力を感じるわけですが、アイカツファン全てがそうだとは限りません。そういう熱狂空間に抵抗を感じる人もいて、静かな環境でアーティストさんの歌声だけを聴きたいと考える人もいるとは聞きます。また、そもそもライブイベント自体に興味がない人だっているでしょう。
これは良し悪しではなく単純に好みによる違いとしか言えません。それゆえに、話題に上げることを避けたというのが正直なところです。
そしてもう1つの理由は単純明快、これまでに配信部がリアルライブを行う機会が無かったことです。比較すべき事項が無いのでは「過去作と同じ」かどうかを論じることはできません。
もちろん、何度か行われた大きな配信ライブでも疑似的に対比することはできたかもしれませんが、主観によるひいき目が大きくなりすぎるのも良くないかと思い、いったん控えていました。(前述のガールズコミックフェスでも歌を披露する機会はありましたが、場の性質上、従来の「ライブ」とはやや趣を異にしていました)
さて、2つ挙げたうちの前者のような理由で一度は引っ込めておきながら、何故ここでやはり「魅力」として取り上げようと思ったか……それはシンプルな話なのです。
「新春みゅ~らいぶ2025」での配信部のステージが非常に良かったから、本当に楽しかったから、これに尽きます。
それは今までのアイカツシリーズ作品のライブイベントと何一つ変わらぬ、素晴らしい体験でした。
そしてライブイベントを好むファン諸氏が心待ちにしているであろう『アイカツアカデミー!』自身による単独のライブイベントは、きっと期待を上回る最高の催しとなる――そう確信を持てました。
ゆえに改めて断言したいのです。『アイカツアカデミー!』も今までのシリーズ作品と変わらず、「リアルライブが最高に楽しいコンテンツである」と。
【蛇足の補足】筆者がアイカツにハマったきっかけ
個人差が大きいとわかりながらも、リアルライブイベントの楽しさについてどうしても言及したかった理由は、私がアイカツシリーズにハマるに至ったきっかけにあります。
私が初めてアイカツというコンテンツに触れたのは、アニメでもデータカードダスでもありませんでした。
2014年のランティス祭り関東公演で拝見したSTAR☆ANISさんのステージ、それが私が『アイカツ!』という作品を意識した初めての場でした。
あれが初期からのファン諸氏にとって伝説とも言える出来事が起きたステージであったことは、今の自分であればよくわかります。しかし残念ながら当時の自分はその事実に気付くこともできず、「何かすごいコラボが行われてるのだな」程度の認識しか持てていませんでした。
しかし、そんな「ミリしら」の状態だった当時の自分ですら、興味を強く惹かれ、心を掴まれた一幕がありました。今でも忘れません。
「ダイヤモンドハッピー」です。
歌そのものも飛び抜けて良く感じたのは言うまでもありませんが、鮮烈に記憶に残っていること、それは。
ファンの皆さんが本当に楽しそうだった。それを受けた壇上の歌唱者さんたちも本当に楽しそうだった。
あんなに会場が楽しそうに一体化して天井知らずに盛り上がっていくのを、当時の私は見たことがなかった。
「……これはとんでもなく魅力的な作品なのでは……?」
そんな強烈な印象を植え付けられた私は、フェスの後、数日と置かずしてバンダイチャンネルさんで『アイカツ!』の第1話を視聴、あとは急転直下です。
生活の中の空き時間のほとんど全てを『アイカツ!』の視聴に当て、1ヵ月足らずでその時点でのリアタイ(第104話)に追いついてしまいました。
あれから10年余り、今もこうしてアイカツシリーズにどっぷりとハマり続けています。
それほどに強い引力があったのです、アイカツのライブステージには。
きっと今も、それが新たなファンを増やしてくれているに違いない。私はそう信じています。
ゆえに、アイカツアカデミー配信部が客演で有観客のリアルライブをすると知った時には本当に嬉しかったし、当日の会場の盛り上がりを目の当たりにして、アイカツのライブステージが持つ「引き込む力」はきっと健在だと確信したのです。
(※もっとも、今回は集まった観客の方々は元からアイカツファンである人も多かっただろうとは思うのですが、それでも初めてアイカツシリーズに触れた方々に対して、強烈なインパクトを与えられたのではないかと思っています)
今度こそ一段落です
今回挙げた事項については、盲点となっていたというのもありますが、配信部がリアルイベントへ参加してくれたおかげで、具体的に形を持った見解にまとまったとも言えると感じています。
なお、同イベント全体を観覧させていただいた中で、以前より考えていたある事項に対する考察が深まったため、その件についても雑記を綴ろうと思っています。
ただ、これまでに書いた「魅力について改めて考える」というテーマとは少し違う毛色の話であるため、標題を変えて書く予定です。
ここまでお読みいただき、まことにありがとうございました。
(※アーカイブ配信は2025年2月9日までだそうです。期間が過ぎたら埋め込みリンクは消去する予定です)