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ベルギー留学:旅の途上

3か月前に旅から戻ってきた後、ベルギーでの暮らし方が大きく変わった。大学寮から安いアパートに引っ越して、バイトを始めて、ヨガに通って、環境アクティビズムのプロジェクトを始めた。ベルギーで自主上映会をやりたいと思い始めたのもこの頃。知り合いと再会したり、新しい人にも会いに行った。今までは大学に集中して(周りを見ないようにしていた)けど、直感とフローに従って手足を広げてみた。

何か新しいものや価値観を受け入れるときは、古い習慣や固定概念を捨てる必要がある。私にとって、あの頃の変化の起源は、物質的・環境的な変化以上に、深いインナープロセスにあった。この精神的なヒーリングはたぶん5か月前くらいから始まっていて、トラウマや不安、ネガティブな思考回路、不健康な習慣に嫌というほど向き合った。それでも、いざ暮らしが変化したとき、やっぱりエネルギーが不安定で、なんとなく、古いバージョンの自分を抜け出せずにいた。今までのようにただ大学に集中して、バーンアウトする前にときどき旅に出ることを繰り返す方がよっぽど楽(つまり、本質から逃げ続けること)。

その頃は、特にプロジェクトがなかなか進まなくて、苦しんでいる時期だった。

「最近、なかなかやる気が起きなくて。頭ではやらないとって分かっているのに、勇気が出ないんだよね」

風が透き通る秋晴れの日、ベルギーの親友と池のほとりに座っていた。彼は、何でも打ち明けることができる存在であると同時に、私のフィールドのずっと先を行く人生の先輩だった。だから、少し怖かった。自分で始めたことなのに、覚悟が足りないとか、怖気づくなとか、言われたらどうしようって。

でも、その人は静かに私の言葉を聞いて、一呼吸したあと、穏やかな表情でこう言った。

"I love you, Shizuho. 静星がどこで何をしていても、たとえ、何もできなくても、あなたを愛してる。あなたがあなたであることに、感謝している。"

ときが、止まったような気がした。
音が消えて、風が消えて、自分の呼吸だけが聞こえて来た。

私は息を吸って、その言葉を体の深くまで巡らせた。

そうだ、ここに「在る」限り、何だってできる。
何者になる必要もないし、何者であってよい。
今までの過程に気づいて、抱きしめて、感謝しよう。

自分自身が自分に "I love you" って伝えること。
今この瞬間を認めて、自分のジャーニーを愛することができたとき、もっと広い可能性が開けると思う。

言葉足らずで、上手く表現することができないけれど、私はそう信じてる。




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