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おいしいよ

白くて、つやつや。
ひと粒ひと粒が、光を受けてきらきら輝く。

主役なのに、脇役に徹することができる潔さ。どんなに悪者にされても、邪険に扱われても文句ひとつこぼさない。

変わらず、そこにいてくれる。
日本人としての心を育んでくれる。


白米が大好きだ。
とまらない。
脇役だった私の食事から、いつしか主役になっていた。白米があれば、おかずはどうでもよくはないが、以前ほど考えなくなった。日によっては、白米と、てんこもり具沢山のお味噌汁だけということもある。

生活が変わり、色々なことを見直していく中で、本当に大切なものは何なのか、それに気が付くことができたのかもしれない。


白いご飯は、あまり好きではなかった。
色の付いたご飯が好きだった。

炊き込みご飯、混ぜご飯は、どんな具材であってもごちそうだった。

ご飯のお供は、味が濃すぎてあまり得意ではない。一時流行った卵かけご飯も、何がおいしいのか分からない。

最強のタッグは、納豆。
納豆だけでももちろんおいしいが、納豆に卵、オクラ、ねぎ、みょうが、しそ、めかぶ、おかか、ごま、きゅうりなどなど、その時冷蔵庫にあるものを追加した納豆ご飯は最高のごちそうだ。

ほかほかご飯に、具材がプラスされおいしさがアップした納豆がかかっている姿を目の前にすると、思わずにんまりしてしまう。

日本に生まれて、納豆好きに生まれて、よかった。


白いご飯は、あまりにも身近で、当たり前すぎた。

「ごはん粒を残すと目が潰れる」

子供の頃に言われたその言葉を信じ、ごはん粒を残すことはしない。だが、感謝もしていなかった。茶碗に、ごはん粒を平気で残す人たちがいる。見た目も汚く、どんな風に育ったかが分かる。美しさにこだわる和食には、やはり食べ残しのご飯粒はふさわしくない。


お米の消費量が減っていることは、だいぶ前から言われている。

お米をさんざん悪者にしてきた人たちがいる。日本が誇る米産業を衰退させたかった人が、陰にいるのかもしれない。結果、日本の自給率をさらに引き下げることに貢献する。

過去の私も踊らされてきた。お米は太ると言われ、ご飯は少ししか食べなかった頃がある。

だが、菓子パンや総菜パンの方がよっぽどカロリーが高い。今、家にあるピーナツコッペを見たが、482キロカロリーもある。ルヴァンのツナロールは、1個119キロカロリー。

お茶碗一杯のご飯は、150グラム。270キロカロリーくらい。私の愛する納豆は100キロカロリー。足しても、今日買ったコッペパンよりカロリーが低い。そして、満足感、腹持ちともにパンと比べ物にならない。

私は信じないが、風水によるとお米は開運フードらしい。


先日、焼酎を買う際に、いつもと違うものを買おうかと、なんとなく安いものを手に取ってみた。
そして、何気なく裏をみて驚いた。
そこに書かれていたのは、中国産の文字。

米麹に、中国産が使われている。

こんなところにまで中国が侵入している。

日本酒は確認していないが、安いものはおそらく中国米が使われているのだろう。

おせんべいですら、中国産米を堂々と使っているメーカーがある。100円ほどで売られているものは、たいてい中国産米だ。もち米は、タイ産が多いように感じる。国内での生産量が少ないのだろうか。

おせんべいを買う時が、一番裏を見る。

国産米を使わないメーカーは、何らかのペナルティーを科すくらいの処置が必要に思う。


数年前、スーパーでおせんべいの試食販売があった。基本的に試食は面倒くさいので避けるのだが、その時は捕まってしまい、おせんべいをいただいた。

おいしかった。

意見を聞かせて欲しいと、私が発するどんな言葉も聞き逃すまいとする姿勢。聞けば、それなりの立場にある方だった。安い外国米を使うメーカーに押され、お店からも陳列棚の位置を下げられたりと苦難に直面しているとのことだった。

「日之本」の杵もち揚げ。

私は、この商品をその時まで知らなかった。昔は、幅をきかせていたらしい。もしかしたら、それにあぐらをかいた経営をしていたのかもしれない。だが、危機感を持ち現場に赴くその姿勢に深く感動した。それなりの立場にある男の人が、スーパーの店頭に立ち試食販売をする。なかなか出来ることではない。

頑張っている姿は、美しい。

今ではすっかり、日之本の応援団の一員だ。揚げもちを買う時は、日之本と決めている。本当にささやかな応援しかできないが、国産米を使った、おいしいおせんべいを作り続けてほしい。


今、好んで食べているお米は「けいきゅんまい」、ではなく、京急ストアで売られているあきたこまち。

けいきゅん

ここに越してきて京急ストアを使うようになったが、お米にもかかわっているとは知らなかった。京急ストアは、いつでも野菜が安く、また種類も豊富なのでありがたい。肉コーナーに、時々びっくりするようなものも売っていたりする。


近頃、地震が多い。
お米も、無洗米を基準にした方がいいのではないか。災害時には、水は貴重なものとなる。とがずに炊けることは、大いに助けとなるはずだ。

また、お米のブランド化が激しく、どれを買えばいいのか困ってしまう。ブランド米を作ることがコメ業界の活性化につながるのであればやむなしだが、一消費者としては、もっとシンプルにして欲しいと思う。

そして、味を主張するお米は、その旨を一言書き添えておいてほしい。晴天の霹靂を始めて食べた日、海鮮丼でいただいたが、お米の香りが強すぎて鼻につき、魚を台無しにしてしまった。その日は、無言の食事となったことを今でも覚えている。

おいしいお米は、出しゃばらないことだと思う。決してしゃしゃりでず、求められたら主役もこなす。静かなようでありながら、一本芯の通った乙女のような存在。そんな才能を持ったお米こそが本当においしいお米で、求められるお米なのかもしれない。


お米の受難の時代は、まだ続くのだろうか。正しいのか間違っているのかよく分からない、糖質制限などのダイエットの敵として。

お米は高いという言葉をよく耳にする。では、グラム100円の肉を5キロ買ったらいくらになるか。単価だけで判断するのではなく、その先までも考えて判断したら決して高くない。

多くの人が、お米を愛する世界になればいいと思う。日本人の原点に立ち返る時がくるときを願う。

白米は最高だ。

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