【AKRU】裏話「荒山伏珠記」(『青騎士』第3B号 KADOKAWA)発売中!
台湾人漫画家、AKRUさんのライフワークのひとつである『龍行旅』シリーズ。日本発表第1弾となる「荒山伏珠記(あれやまふくじゅき)」が、『青騎士』第3B号に掲載されています。
龍族の朔(さく)と弟・満月(まんげつ)は、自分たち以外の龍の行方を探し旅を続けています。その道中でさまざまな怪異と出合いながら、人間たちの抱える問題を癒やすように解決してゆく、妖(あやかし)とともに生きる世界を描いたオリエンタル・ファンタジー。それが『龍行旅』シリーズです。
「荒山伏珠記」は、妖怪のせいで龍の庇護を失い、山賊に身をやつさざるを得なくなった村人たちと、行方不明になった満月を探す朔との出会いから始まります。
舞台はAKRUさんオリジナルの世界ですが、龍の概念やオリエンタルな空気の随所に「台湾」が漂っています。
日本人にはピンとこない龍の生態や在り方が描かれていて、翻訳するときにはそこをどう表現するかに頭を悩ませつつ。日本の妖怪ともまた違う妖の世界はとても奥深く、興味深いものです。
「日本人が描く❝オリエンタル❞と、台湾人が描く❝オリエンタル❞は、やっぱり違うと思う」
そう言うAKRUさん。シリーズを読み進めていくうちに、意匠や登場人物たちの言動から、その意味をどんどん感じていただけることでしょう。
編集・翻訳作業の合間に、「実はもっと昔に描いたのがあるの」と、今は流通していないシリーズ最初期の作品を見せてもらいました。それは朔と満月の旅の始まる前が描かれているものだったのですが、なんと! そこには思いもよらないふたりの関係性が!
既刊本ではこのことはまだ明言されていないので、焦らした言い方になってスミマセン。でも随所に「だからかぁ…」という表現があるんですよね。読者のみなさんには、そうした謎解きめいた部分も楽しんでいただければ。
『龍行旅』シリーズは2021年で5作が発表されています。これから『青騎士』で掲載していきますのでお楽しみに!