【AKRU】裏話「山鬼 前編」(『青騎士』第5B号 KADOKAWA)発売中!
【台湾の子供向け雑誌から始まった物語】
度重なる怪異や村人の失踪――。山の神を祀っている村の異変の解決を乞われた、龍族の朔(さく)。しぶしぶ訪れたその村には、能力が乏しい巫師(ふし)と、「鬼っ子」と忌み嫌われる少年がいた。
少年が現れる先々で起こる災難、そして頻発する地震に、山の神と村の関係。重なり合う問題に、朔は果たしてどう立ち向かうのか?
龍族の朔(さく)と弟・満月(まんげつ)の、龍を巡るオリエンタル・ファンタジー『龍行旅』シリーズ。第3弾の「山鬼」は全97ページ。前後編に分けてお届けします。
前編は『青騎士』第5B号にて掲載中です!
「山鬼」はもともと台湾の小学校高学年~中学生向け雑誌に連載されていた作品です。雑誌が休刊になり、その後AKRUさんが同人誌で完結させたという経緯が。
子供向けだったとはいってもAKRU節は変わることなく、登場人物たちの心の機微も繊細に描かれ、大人の目にももちろん楽しめます。
というか、子供向けが始まりだったんだ! 台湾の子供は成熟してるなぁ、とそのいきさつを聞いたときは驚きました。
AKRUさん自身は「子供にはちょっと難しいかも」と思っていたそうですが、当時の担当編集者の返事は「大丈夫」。その方は連載を依頼する前にAKRUさんの過去の作品を子供たちに見せ、その反応から「行ける!」と判断されたんです。
自分を振り返っても、子供の頃に年相応な漫画ばかりを読んでいたわけではありません。背伸びをして読んだ作品に感銘を受け、何十年もたった今でも、自分の愛する漫画ベストテンにランクインしている作品はいくつもあります。
「山鬼」を子供の頃に読んで、人生に影響を与えられた読者もいるんだろうな――。そう思うと、この作品がよりいっそう味わい深く感じます。
日本で初めて読まれた方の心にも刻まれますように!