リストラされて、台湾の漫画家さんと一緒に漫画を作ってみようと閃いてしまった!
疫病のあおりを受け、台湾でインバウンド関連のウェブサイトのコンテンツ編集をしていた私が、スパッとリストラされてしまった2020年夏。
このまま日本に戻っても、どうしたものか。
また地元の京都でライターするの?
うーん、なんだかなぁ・・・。
文章を書く仕事をメインにしたくはないんだよなぁ・・・。
とりあえず、しばらくはまた(以前もあったんです)、モラトリアム期間を台湾で過ごしましょう。
まだ漫画も出版されていないし。
そのころは、台湾人漫画家のAKRUさんと3年越しで作ってきたコミックエッセイが完成間近。リストラされてこれ幸いと、台湾の出版社・蓋亞文化へ出張校正に出向いたり、印刷所へ色校確認に行ったり、日本の出版社を辞めて以来久々の校了作業を満喫していました。
8月には中国語版『呷飽未?阿米與美菜樂食記』が発売されて、アニメ、コミック、ゲームの祭典・ACG展に参加したり、AKRUさんとトークショーをやったりと販促活動をしつつ、11月に発売される日本語版の校了作業を進めつつ・・・。
そんなことをしながら、台北の空の下でやっぱり考えてはいました。
これからどうしたものか、と。
そしてふと思いついたのです。
私の好きな物は、台湾と漫画。
私がしてきた仕事は編集。
じゃあ、この3つを合体させればいいのでは?
そもそも、AKRUさんとコミックエッセイを作ったのだって、「台湾美食の紹介漫画を、台湾の漫画家さんが日本人向けに描くなんて、日本初じゃない!?」という閃きからでした(日本初かは定かではありません)。
そうだ! 成熟した日本の漫画業界で通用する、台湾人漫画家の作品をもっとたくさん「編集者として」プロデュースしようじゃないの!
台湾で漫画編集の経験のある日本人なんて、私しかいないんじゃない!?(私しかいないかは定かではありません)。
日本人編集者とだって、編集者の私なら作品作りに踏み込んだやりとりができるはず。
そんでもって、台湾人の作家さんに「日本式漫画編集」方法で漫画を作ることを体験してもらえたら、作品のクオリティはもっと上がるはず。
という思いがメラメラと燃え上がりました。
それから、悶々と考えながら編集者の親友や、台湾の漫画業界に精通している方などに何度も相談して、「まずは翻訳かなぁ」「台湾の出版社に就活しようかなぁ」と道を反れそうになった私を、「日本の読者に向けての漫画編集をやるんでしょ!」と元の場所に戻してもらってきました。Kさんと、Hさんには、いまだに相談に乗ってもらっていて、感謝してもしきれません。
2020年の秋ごろから、サイトや同人誌イベントなどで漫画家さんを探し、声をかけ、会って野望(?)をお話しして、打ち合わせして、プロット作って、ネーム見て、下描き確認して、翻訳して、そしてやっと先日、ひとりの作家さんの作品を日本の出版社に納品することができました。
掲載は7月で、ただいま絶賛校了中です。この方に続いて、プロットやネーム中の作家さんが何人もいます。新作制作に向けて、まずは何本かの再録作品の掲載を予定している作家さんもいます。
これからビュンビュンと日本の漫画業界に新しい風を吹きこんでいく台湾人漫画家たちの作品を、どうぞチェックしてください!