旅するトレーナー in 鹿児島
旅のきっかけ
今回の旅の主な目的は3つありました。
1.土地と空き家の見学
(移住か2拠点生活の候補地)
2.鹿児島の歴史を学ぶ
3.高千穂峰登山
今回鹿児島に行く1番のきっかけとなったのは土地と空き家の見学でした。
僕が日々自然の中で活動しているのを見て、鹿児島出身の鎌倉の知り合いの方が「鹿児島に使わなくなった土地と空き家があるから見てみない?」と声をかけて頂き、見学させて頂くことになりました。
自然との共生
旅するトレーナーのテーマである「自然の探究、身体の探究」
今年、各地に旅をして豊かな自然に触れて、人間の本質的な健康とは何か?を探求し、自然と共生した本来の生き方、暮らし方について考えてきました。
自然の力強いエネルギー、癒し、自然と身体との調和など、豊かな自然の中にいると人間は自然の一部であり、自然の中でこそ人間本来の身体機能や感覚は発揮されるのだと身をもって実感できました。
その実感を深めていくために、豊かな自然の中で自然と共生した自給自足の力、自分の身体を自由自在に動かせる力、そんな野生の力を磨ける場所で生活したいと思いました。
そんな時、今回の土地と空き家のことを聞いて、見学させて頂くことになりました。
山奥の森の中にあるその土地と空き家は、12年間放置されていたとのことで入り口に行くと竹と草木が生い茂っていて空き家が見えない状態でした。
野生心がくすぐられて、冒険心が爆発しました!
竹と草木をかき分けて進んで行くと、空き家は残念ながら半壊してました。
それでも周辺には五右衛門風呂や井戸もあり、とてもワクワクしました。
野性感たっぷりのこの場所は僕が目指す野生力を磨くのに最高な場所で、色々な可能性も広がる感じがしました。
この貴重な場所を移住もしくは2拠点の場所にするのかは、現状の仕事や暮らしのことも考慮しつつ考えていきたいと思います。
2021年に自然を求めて鎌倉に来る前、都会暮らしをしていた自分からはこんな自然の中に住む将来なんてまったく考えられませんでした。
鎌倉に来る選択をした自分と、出会った人との縁に感謝いたします。
日本人本来の力と感性
鹿児島には自顕流という幕末に活躍した剣術の流派があります。
トレーナーとして日々身体の探求をする中で、古武術や日本人本来の身体の使い方に興味を持つようになりました。
現代のような科学的な理論や多様な情報がない中で、先人からの教えと自身の感覚のみで受け継がれて来た日本の技。
ただ剣の技を磨いて競い合うのではなく、その修練を通して磨かれる精神力や人間力が素晴らしいなと思いました。
小学生の頃から何故か日本史が好きで、特に幕末の志士たちの生き様がかっこ良くて好きでした。
今回一緒に行った方が鹿児島出身で薩摩の歴史にとても詳しい方なので、各地を案内して頂きながらお話を聞くことができました。
さらに、薩摩の歴史を研究されている方とも引き合わせて頂き教科書や本では知れない貴重なお話も聞くことができました。
実際に幕末の志士ゆかりの地に行ったら心が熱くなりました。
ほとんどの志士が短い人生ながら、明確なビジョンを持ち、自分の使命を真っ当するために奔走してました。
そして自分の役目を真っ当し命を使い切ると、その意志をまた次の人が受け継いでいく。そうやって時代は作られて来たのだと思います。
現代みたいな情報力や移動手段がない中で、短い時間で歴史に名を残すほどのことをやり遂げられたのは、自分のビジョンと使命が明確だったからだと思います。
絶対的なビジョンのもとに熱情を持って行動する力と時代を切り拓いていく感性は、同じ日本人として見習いたい部分であり、現代で暮らす僕たちが忘れかけているものだと思いました。
また、日本人には侘び寂びの文化があり、四季、自然、時の流れを感じ取る感覚やありのままを受け入れる心があります。
そんな日本人が激動の時代をどんな思いと行動で乗り越えて来たか?
これからの時代の変化に自分を見失うことなく生きていくためには時代の変化を乗り越えて来た人たちから学ぶことが一番だと思いました。
海外の最新の情報ももちろん大切ですが、まず日本人として日本のルーツを知り日本人としての誇りと自信を取り戻すことが大切だと思うので、僕は剣術を通してそれを学んで行きたいと思います。
このように、今回の旅は先人から受け継がれて来た日本人本来の力と感性を再発見できた旅でもありました。
高千穂峰登山
鹿児島に来たらやってみたかったことのひとつ。
霧島市と宮崎県の県境にある高千穂峰を登ること。
高千穂峰は、日本神話において神が降り立った場所であり、日本創生の舞台とされている火山。
頂上には天逆鉾(あまのさかほこ)が突き刺さっています。
日本で初めて新婚旅行をしたと言われている坂本龍馬さんも旅行中に訪れてその天逆鉾を抜いたらしい。
そんな神話があり、僕が好きな坂本龍馬さんも登った場所であることと、火山のパワーを体感したいという思いから登ってみたいと思いました。
高千穂峰、野生感満載で火山のパワーを感じられて最高でした!
霧島の誓い
坂本龍馬さんはこの場所で日本の再生を誓って天逆鉾を抜いたそうです。
以前に大河ドラマでやっていた龍馬伝で、「霧島の誓い」という回がありました。
その中での龍馬さんの言葉が胸を熱くしたのを覚えています。
「今こそ誰かがこの国の行く道を見定め、声に出して伝え、自らが行動し、みんなを動かしていかんといかんがじゃき!これがわしの決意の証ぜよ!」と言って抜いた鉾をまた突き刺して自分が先頭に立って日本を動かしていくことを宣言しました。
そんなことを思い出しながら、頂上で天逆鉾を眺めながら自分の使命は何か考えていました。
現代はテクノロジーの進化によって、安心、便利で快適な暮らしができています。
しかし、その代償として使わなくなった人間本来の身体機能や感覚はどんどん衰えて野生の力は失われています。その結果、慢性痛、メンタル不調、動きづらさなど現代特有の心身の不調をきたしてこの社会の中で生きづらさを感じている人もいます。
野生のパーソナルトレーナーとして、そんな生きづらさを感じている人や、もっと自分の可能性を感じたい人のために力になりたいと思います。
現代は情報過多で比較対象が多過ぎるので人と比べてしまうことも多く劣等感を感じたり他人の目を気にしたりして自分を表現できなかったり、顕示欲や独占欲が強くなったりしてしまいます。
僕も人の目を気にしてカッコつけてしまうタイプでしたが、野生に帰ってからは人の目が気にならなくなり、自分らしさを発揮できるようになりました。
自然の中にいると比較対象がなくすべてがニュートラルです。
ただただ自分という存在が今ここにあることを感じられて無条件で幸せな気持ちになります。
野生の植物や動物たちはそれぞれが個性を発揮しつつ、生態系を維持するための役割を担って補い合って生きています。
生物の中で人間だけが唯一自然から抜け出したわけですが、いくらテクノロジーが進化して一見快適な生活ができていたとしても、人間は自然の一部であることは絶対的な事実であるし、自然の中でしか人間本来の身体機能や感覚は働かないのもまた事実です。だから最新のトレーニングも良いですが、まずはその前に自然の中に帰り人間本来の野生の力を取り戻すことが必要だと思います。
野生に帰ると感覚が研ぎ澄まされて、姿勢や動きは自動調整されて身体の自由度が高まります。自分という存在を十分に感じられて自分の可能性がどんどん広がる感じがします。
僕たち現代人が思っている以上に人間に備わっている力はすごいです。
僕も日々身体の探究をしていると「こんな動きもできるんだ!」とか「こうするとこんなに身体は楽なんだ!」とか気づきや発見が多くあります。
自分の身体は自分のもの。何かに依存することなく自然を感じて自分を感じて、主体的に動いてみて自分の身体の理解を深めていくことが本質的な健康づくりだと思います。
野生の力を発揮する人が増えたらエネルギーに満ち溢れた社会になると思います。
自然の中には「こうしなきゃいけない」とか「こうあるべきだ」という決められたルールはありません。むしろ野生の植物や動物のようにそれぞれが個性を発揮することで良い循環が生まれるのです。自分に足りない分は誰かの個性が補ってくれます。だから足りない部分を埋めるよりも思う存分自分らしさを発揮したら良いと思います。それが野生です。
そうなればみんながのびのびと個性を発揮して生き生きと暮らせる社会になると思います。
そのためにまずは自分自身が人間の身体を最大限楽しんで、そこから得た学びや気づきを必要としている人たちに還元していきたいと思います。
人間の可能性を共有できる野生の仲間が増えたらもっと人生は豊かになり楽しくなると思います。
大河ドラマの龍馬的に言うと、
「みんながのびのびと個性を発揮して生き生きと暮らせる国になるように、野生のパーソナルトレーナーとしての自分の思いを声に出して伝え、自らが自然と身体の探究をし続ける行動をして、みんなの心と身体を動かしていく」
この決意の証を天逆鉾に誓いました。
自分は何者か?
頂上で裸足になっていると「靴どうしたんですか⁈」とビックリして声をかけてくれた人がいました。
その方は僕の足を見て「何でも掴めそうな足ですね」と言ってくれたので、
「野生のパーソナルトレーナーですから」と返答したら「説得力ありますね!」と。
初対面の人に自分は何者なのか伝えられたことが嬉しく、これが自分の生きる道なのだと再認識できました。
そして前へ!
帰りの飛行機から高千穂峰が見えました。
「あそこの頂上にいたんだよな」とぼんやり思いながら、天逆鉾に誓ったので即何か行動しようと思いました。
ということで、野生のパーソナルトレーナーとしての思いを伝えるためにYouTubeを始めます!
龍馬さんの時代は声に出して伝えるためにものすごい熱情を持って全国を自分の足で駆け回っていました。
現代ではSNSによって多くの方に伝えることができます。そのツールを上手く活用していきたいと思います。
そして、もちろん1番大切なのは自分の足で動くことなので、旅するトレーナーとして全国各地に行って直接声に出して伝えていくことも継続していきます。
そうやって着実にコツコツと前へ進んでいきたいと思います。