【新潟摂田屋】蔵の町で味噌汁ランチ
前回https://note.com/shizenkan/n/n0bd35afb61b3
前々回https://note.com/shizenkan/n/n35dc0a4f75da
に続き、新潟旅の記録です。
徒歩チームが高田エリアの町歩きを楽しんでる間、車チームは長岡市摂田屋地区へ向かっていました。
高田エリアとはまた違う道中の様子を今回はお届けいたします!
■いざ出発
上越妙高駅からレンタカーに乗り込み、1時間強の旅路です。
日本海沿いを進むと、水平線が広がる海が…!
実は私たちの住む福岡では、海は身近なのですが水平線というのは意外と見られるポイントがないのです。
そして日本一長いとされる信濃川を渡ります。通常時の状態はわかりませんが思ったより水量少ない…?(お住まいの方、教えてください)
車内は盛り上がりました。
さて、上越市が「発酵の町」、といわれるのに対し、摂田屋は「醸造の町」。
こちらはお米や(米どころ新潟!)水質の良い地下水に恵まれ、古くはもちろん現代にいたるまで醤油や味噌、お酒など醸造の文化が盛ん!今でも5つの蔵元が残っており、それもお酒、醤油、醤油+味噌、味噌、リキュール、というように様々な種類の蔵が混在していることもひとつの特徴で、そこから「蔵の町」とも呼ばれているのだとか。
そんな摂田屋へ向かう道中、目に入ったのは道路から噴き出す謎の水……
これは何??
調べてみると「消雪パイプ」というもの。
雪国ではよくあるものなのでしょうか。
地下水をポンプで汲み上げて、路面に散水して雪を溶かすためのものなのだそうです。
雪国の知恵!
どかしても多すぎる雪はどんどんやり場がなくなってしまいます。高く高く積みあがってしまった雪の処理に困っていたそうですが、この消雪パイプの活躍により、冬でも夏場と変わらない路面状態となっているのだそう。
道路には作業員の方がいらっしゃったので、この11月の時点で、来るべき冬のため、点検作業を行っていたのでしょう。
馴染みのない、その土地ならではの仕組みや文化を実際目にできるのはやはり旅の醍醐味です。
■旭屋
最初に訪れたのは旭屋というパン屋さん。
町の人に愛される昔ながらのパン屋さん、といった雰囲気ですが、その創業はなんと大正元年。
元々は和菓子屋さんだったそうで、パンの他にも和菓子の姿も。今ではパンの方が人気があるのだとか……
パン作りには、お店の近くにある酒蔵「吉乃川」の酵母がずっと使われていたり、同じく摂田屋地区にある「星野本店」のお味噌を使ったものもあり、というのもご当地ならでは。
長時間発酵させたパン生地はもちもちと歯ごたえがあり、生地自体の甘みもあってとてもおいしい!
ちなみに店主さんのおすすめは煮卵パン。過去にはテレビで紹介もされた人気商品のよう。
お会計の際に、「煮卵パンはいるか?」と奥からたくさん出してくださいました!
1日じっくりと特製の醤油だれに漬け込んだ煮卵が丸々ひとつ入っています。
どこかなつかしい見た目と、食べ応えしっかりの名物パンです。
■江口だんごとLIS
江口だんごは明治35年創業の老舗のお団子屋さんです。
「醸造の町らしいお団子屋」として、摂田屋店では、地元の蔵元の材料を使った「摂田屋蔵元菓子」を販売しています。
例えば、「長谷川酒造」のお酒やサフラン酒を使ったどら焼き、「吉乃川」の甘酒を使ったミルク饅頭、「星野本店」の醤油を使ったみたらし団子など…
醸造の町、その繋がりを感じることができました。
そんな江口だんごの敷地内にある蔵はおしゃれにリノベーションされ、1階は醸造リキュールや地域商品が並ぶお店になっていました。
日本酒や、日本酒カクテル、酒粕の発酵ジェラート、酒粕をパウダーにしたもの、などなど、醸造の町らしい品揃え。思わず手に取りたくなるおしゃれでかわいいパッケージのものがずらりと並び、ギフトセットも豊富に用意されていて、見ているだけでもわくわくします。
お酒好きな誰かを思い浮かべながら商品を選ぶのも楽しそうです。
■越のむらさき
こちらはなんと江戸時代から!お醤油を作り続けているという老舗。
……ただ、この日は土曜日。定休日でした。残念。
外観しか見ることはできなかったのですが、それでもレンガ造りの煙突は大迫力です。
■味噌 星六
呼び鈴を鳴らすと店員さんが出てきてくれるスタイルのお味噌屋さん。
明治30年に星野本店から分かれた分家なのだそう。
味噌星六のお味噌は、甘口を除く全てが塩分13%の辛口。これは長期間変質せず熟成保存できる手作り味噌の最低塩分です。木桶で天然醸造されたお味噌はパッケージングの際も発酵を止めず、酵母が生きたままの状態にしてあるため、夏場は袋が特に膨らむのだとか。
こだわりの原料と、無農薬、無添加で作られたお味噌は種類も豊富で、米味噌、麦味噌、長期熟成させる「2年物」「3年物」なども!
辛口のお味噌は、お料理はもちろん、お漬物類にも合うそうです。
■機那サフラン酒本舗
とっても雰囲気のあるこちらは、サフラン酒などの薬用酒の製造・販売で財を成したという吉澤家旧宅。
そもそも機那サフラン酒とは?
お酒、といっても、サフランをはじめとして桂皮、丁子など20種類の厳選された植物などを調合し、かつては薬酒として売られていたもの。現在ではリキュールとして製造・販売されています。今ではあまり聞き慣れないお酒ですが、かつては大変な人気だったようです…!
■吉乃川 酒ミュージアム「醸蔵」
酒造としての歴史は新潟県最古!創業天文17年の蔵元である吉乃川の、歴史やお酒造りに関する展示がされているミュージアムです。
建物は大正時代に建設された常蔵(国登録有形文化財!)を改装したもので、かつてはここでお酒の瓶詰作業が行われていました。
吉乃川の定番のお酒の販売はもちろん、試飲や展示を楽しむことができます。
歴史を学んだ後は全員でクイズに挑戦!ひっかけ問題に見事にひっかかり、1問不正解となったもののステッカーをいただきました。
プロジェクターの映像やバーなどもあり、クラフトビールの醸造所も見ることができます。
立ち飲みスタイルのバーでは午前中から楽しむ人の姿もありました。
■摂田屋6番街発酵ミュージアム・米蔵
お昼ごはんはこちらで!
おむすびと味噌汁のランチをいただきました。
こちら、昔はお米を貯蔵していたサフラン酒本舗の米蔵を改装したもので、発酵をテーマにしたカフェやショップが入っています。
お昼をいただいたのはカフェ「6SUBI(ムスビ)」。
摂田屋エリアで作られた食材や、お味噌や醤油といった発酵食品を活かしたオリジナルおむすびは、注文するとその場で握ってもらえます。
自家製タレに漬けこんだ半熟卵と刻み味噌漬けのおむすびや、ねぎ味噌チキンのおむすびなど…
チキンは麹に漬けてありとってもやわらか。
そして外せないのが味噌汁BAR。
500円で4種類の味噌を飲み比べすることができます!
お出汁との組み合わせも自由で、自分好みのお味噌汁を作れます。
一杯目を誤ってお水で作ってしまい冷たいというハプニングもありつつ……
お味噌の味をしっかり感じながら飲み比べをする機会など普段なかなかないので、とても楽しく美味しいランチでした。
■最後に
集合地点の上越妙高へ戻る途中、上越あるるん村に立ち寄りました。
道の駅のようなスポットで、地元の野菜や手作りのお菓子やごはん、新潟のお土産などが揃っています。
併設されている「さくら百嘉店発酵プラス」では、発酵に特化したお土産品も豊富!味噌や醤油をはじめ、おしゃれなプリンやジェラートなどもありました。
やはり発酵の町上越…!
上越も摂田屋も、文化として発酵・醸造が根付いており、九州・福岡ではなかなか触れることのないものに溢れていました。
おいしいものにたくさん出会い、楽しく学んだ新潟旅。
この地で大切に作られている商品の良さも、どんどんお伝えしていかなければ…と決意を新たにして福岡へ帰ってきたのでした。