資産は、取り崩さず、引き継ぐ

FPさんのファイナンシャル・プランニングの記事を読むと、資産を自分の代で使いつくすことを前提にプランしているものがなんと多いことか!

使っても減らないだけの資産を次の代に引き継げば、物価上昇分だけ補いながら、代々、利金で生活ができます。その場合、相続税のことを考えなければなりませんが。そのために、法人をたてたりする人も多いです。

資産を取り崩すというのは、リンゴの木から、リンゴだけをいただくのでなく、リンゴの木を切って、家具にしたり、薪にしたりしてしまうようなもの。リンゴが取れなくなってしまうじゃないですか。

資産を引き継ぐというのは、リンゴの木を丁寧に育てて、毎年なるリンゴを少しいただいて、あとは、子孫繁栄や台地の肥やしとし、リンゴの木を維持し続けるようなもの。リンゴの木の維持に、少しだけ手をかけて、毎年おいしいリンゴがとれるようにし、また、次の世代のリンゴの木を育てる。

社会全体での年金制度がうまく機能している時代ならば、自分の資産は自分の代で使いつくすというプランもあるかもしれませんが(それでも、私は、使っても減らない資産を次の代に残すと思いますが)、今の時代、年金制度自体がゆらいでいて、社会にどこまで頼っていいのか、かなり怪しくなっていますから。

国も、年金資金が危ういと思ったら、情勢をみながらときどき金融政策や税制などを駆使して補充していて短期的には大丈夫そうに見えたりするときもあります。けれど、そもそもがネズミ講のしくみなので、人口減少が根底にあれば、長期的には危ういか、ほかの財源から補填し続けることは必要です。

年金制度がゆらいでいるなら、国としても、労働のための教育だけでなくて、使っても減らない資産を引き継ぐことの教育を、国民に向けてしていった方がいい。もちろん、労働のための教育も、資産維持・形成には必要です。

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