獣医療は誰のためか
獣医療は、「動物のため」と言うのが大前提だと思うんだけど
ホントに「動物のため」なのかどうか?
動物に聞いたことがないのでわからない。笑
人間は自らの意思で「治してほしい」「助けてほしい」と思うし、願うけど
動物は「痛い」「苦しい」「つらい」ということがあって、それを何とかしたいと思うことはあっても
動物は自らの意思で「治してほしい」「よくしてほしい」と思ったり、願うことはない。
治療を望むのは、ぼくら飼主であって、共に暮らす動物じゃーない。
動物に治療して状態が良くなって元気になれば、それはいいことだし
命が助かって長生きできることはいいことなんだけど
それはぼくら飼主の思いであって、動物がそう思ってるかどうかじゃーない。
ぼくら獣医は動物のために病気が治るように
少しでも良くなるようにと日々、努力して、研究して、獣医療を発展させて進歩していってる。
猫の慢性腎臓病の治療薬のAIMも2027年1月に治療が開始できるように着々と進んでる。
慢性腎臓病で亡くなる子、苦しむ子を助けることができることは、獣医としてもいち飼い主としても
いいこと、素晴らしいことだと思うけど
うちの猫に「慢性腎臓病の治療薬でこんなのができるんだよ。スゴいよね」って伝えて
「やったー!待ち望んでいた慢性腎臓病の治療薬ができるんだね」って喜んでくれることはない。
期待しているのは、獣医としてのぼくであり、いち飼い主としてのぼくであって
うちの猫じゃーない。笑
動物自身が望んでることなのかどうなのかは、常に頭に入れておかないと
獣医療は「動物のため」なんだけど、ぼくら飼主のためでもあり
動物にとって新しくいい治療が出てきた時に
「動物のためにこんなにいい治療なんだから!」
「これやったらよくなるのに!」と思って治療をムリに押し付けてしまう危険を伴う。
獣医療は「動物のため」と言うぼくら飼主のためであり、動物自身が望んでいることではないことを
常に考えながら診療をしないとエゴの押し売りになりかねない。
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