動物を優先に飼い主が
動物の医療は、正しいことが動物に全てできるわけではない。
何かを得るためには、何かを犠牲にする必要もある。
例えば、慢性腎臓病の治療は、リンやFGF-23が上がってくれば、腎臓病用の療法食に切り替えていく。
リンが上昇してくると慢性腎臓病は進行していくので、リンの摂取を抑える必要があるのさ。
腎臓病用の療法食を食べなければ、リンの摂取を抑えることは難しい。
例えリンの吸着剤を飲ませてもリンを抑えた食事を食べていないと効果はないんよ。
腎臓病用の療法食を食べないのであれば、食べることを優先して、食べる食事を与えていく。
そうするとリンが上昇して、慢性腎臓病が進行していくのはしょうがないのさ。
食べることを優先して食べることを得て、腎臓は犠牲にする。
いくら慢性腎臓病を進行しないようにと
食べないのに腎臓病用の療法食を与え続けて
体重が減って痩せて栄養不足になれば、体の方が犠牲になる。
体は腎臓だけで生きてるわけじゃーない。
多少腎臓を犠牲にしても食べることを優先する。
人間の子供なら言い聞かせて、ムリにでも治療をすることは、できるかもしれないけど
ぼくら飼主が相手にしているのは動物。
動物だって意思があり、ぼくら飼主の思い通りにはならないことが多々ある。
意思は尊重するし、無理やり奪うことはできんのよ。
ぼくら飼主は、何かを得るためには
何かを犠牲にしなきゃいけないこともある。
動物の医療は、正しいことが全てできるわけじゃーない。
動物のことを優先して、できないことを受け入れる必要もあるのさ。