平和への願い。。。絵本『クリスマスのものがたり』
『クリスマスのものがたり』 福音館書店
フェリクス・ボフマン 作 / しょうの こうきち 訳
もうクリスマスはとうに過ぎ、新年もあけて明日は七草粥だというのに、なぜクリスマス?と思われるかもしれませんが、マガジン1回目にご紹介する絵本はこちら。
1月6日は三賢者の日
日本ではあまり知られていませんが、本日1月6日は「三賢者の日」なのだそうです(私も初めて知りました)。三賢者の日とは、東方から旅をしてきた3人の博士たちが馬小屋で生まれたイエス・キリストを見つけたという日のことで、キリスト教の国ではいろいろなお祭りがあるようですね。
日本でも人気が出てきている「ガレット・デ・ロワ」も、この三賢者の日(フランスでは『公現祭(L’Epiphanie:レピファニー)』)に家族や仲間で囲むお菓子。ガレットの中に陶器の小さな置物(フェーヴ)が焼きこまれているのですが、もし自分のピースにフェーヴが入っていたら大当たり!その1年間は幸福に過ごせるのだそうですよ。
意外と知らないクリスマスの話
さて、日本人はクリスマスは大好きですが、イエス・キリストの誕生にまつわる話については知らないことが多いものです。でも、世界の歴史や文化を理解するには欠かせないのがキリスト教の基本知識。
歴史や文化を理解すると言うと大袈裟に聞こえますが、例えば上記のガレット・デ・ロワについても、三賢者の知識があった方がより深く楽しむことができますよね。
この絵本では、受胎告知からイエス・キリストが誕生しナザレに帰るまでのお話がシンプルに語られています。聖書をもとにしたお話ですが、日本人には馴染みのない物語なので、大人でも勉強になります。
また、子どもたちは外国の人とコミュニケーションを取る機会が、今まで以上にぐっと増えていくはず。ネットで簡単にコミュニケーションが取れる時代だからこそ、外国の文化について正しく知っておくことは大切だと思うのです。
平和を願って
マガジン1回目の本としてこちらを選んだ理由はもうひとつあります。
アメリカとイランの動向に、いま、世界中の人々が注目しています。
願いは一つ。戦争がはじまりませんように。
世界が平和でありますように。
子どもたちには偏った思想や知識ではなく、異文化への理解と思いやりを持てるようになってほしい。宗教色が強い絵本ではありますが、そんな願いもあってこの絵本を選びました。※宗教色が強いと言っても、信仰をすすめるような内容ではありません。
読み聞かせのポイント
・読み聞かせ時間は、ゆっくり読んで約9分間。
・3歳児では途中で飽きがきてしまうかも。キリスト誕生のお話について全く初めての場合は、長めのお話を追える年齢からがおすすめ(絵本には5歳〜と記載あり)。
・絵はトーンが抑えられていて、パステル画のようなタッチでどのページも美しい。子どもの目を引くような鮮やかな色ではないので、静かな空間でお話に集中できる状態のときに読むのがおすすめ。