メタファークリアしました。
メタファーを一旦クリアした。一旦というのはまだもろもろやりたいことが残ってはいるけど、実際にやるかどうかわからないという意味で、まあ気が向いた時に再開しよう。
自分の中でメタファーは発売前からなんとなく新しいゲームだという感じはしなかった。キャラクターデザインやディレクターやらの座組がペルソナだし、アトラスが今全く新しいものを出してくるのかは疑問だったからだ。
遊んでみた感想としては新しいシステム、新しい観点を入れつつも、方式として今までやってきたことの延長、そして見た目を変えたものであり、アトラスのRPGがやりたい!というタイミングで出来たら最高なタイトルだった。ただしそれはペルソナをやりたい!には応えるものではなく、カレンダーやコミュなどペルソナを想起させるものはあるが、それは骨組みに雰囲気が残る程度で屋台骨ではない。
他の感想を見ていると、発表の時点で全く新しい、全く違うものが出てくると思ってた人が少なからずいたが、それも今のアトラスに出来ること、達成すべきことを考えたらどれだけの新しいものを期待していたのか疑問だ。
いい点で言えば、作品のメッセージは明確に伝わってたし、長年ゲームを遊んできた身からすると共感できるものだった。とはいえ出来ればもっと入念に尺を使って描写して欲しいと思った。
大きく分けて2本の柱として、ストーリーは8、戦闘は7、全体として8という感じ。
ストーリーは今までにない設定のように最初思えたが、ペルソナ5をなぞっているような感じが端々に感じられた。それ自体は悪いというよりは馴染み深い街を再訪しているような既視感を覚えた。ツッコミどころもそれなりにあるが嫌味でなく、真剣になりすぎない雰囲気のおかげで気にすることもなかった。ただ描写不足、アニメーションやモデリングの違和感のせいで所々没入感が薄まる部分があった。コミュの内容はあまり世界観に根ざしたものではなく、普遍的なテーマという感想で、物足りなく思った部分は正直あった。ブリギッタのキャラクターは好きだが犬はどうかと思う。
戦闘はファストを使った戦闘の省略がアーキタイプのお陰でバリエーションがあってよかった。ただ結局のところアクション性に振ってはいないので、硬直が長かったり無敵時間かないのはもっと手を入れて欲しかった。ジョブシステムのようなアーキタイプは、キャラクターのステータスや元々の役割のおかげであまり冒険したいとは思えなかった。力が高い物理キャラに魔法系のアーキタイプをつけようと思って遊んだ人はどれくらいいたのか気になる。JRPGの常というか、他のゲームジャンルと比べて特にそうだと思うけど、後半は選択肢が多すぎてあまりに簡単になってしまった。同じ戦法を使って勝てないというのも後半の特に強いとされる敵のバリエーション程度で、もう少し考えさせるものか欲しかった。意図的にしている部分もあると思うが、戦闘の前にほとんど決着がついてるところは、好き嫌いがあるかもしれない。そうでなければ、死なないから勝てるもののただ長くなるというところも何回かあった。
総じて高いか不満でないレベルでまとまっていて、遊びごたえはあった。先が気になる展開、戦法を組み立てる楽しさ。JRPGを再定義し代表とするほどのものではないにしても、楽しい体験が出来た。
巷ではしきりに完全版の話が出てきていてアトラスのやってきたことを考えるとそれも仕方ない部分はあるが、メタファーに関しては…やればよくなるところは確実にある。ただ結局アトラスが信頼を切り売りしても完全版を作りたいメーカーのように見えるので、おそらく出るんだろうという予測をしている。規模から考えても新しくタイトルを作るのには相当慎重のように感じられるし、アトラスに限らず完成したものに肉付けしたほうが採算がとれるのはどんなことにも言える。
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