町のケーキ屋さん
未だに【スイーツ】という呼び方に抵抗があるんです。
ケーキなのにな…って。
私は子供の頃、とてもケーキが好きでした。
イチゴやメロンが乗った、何の変哲もないショートケーキが。
物心ついた頃、ご飯よりもケーキが好きだった私は母に手を引かれてよく近所のケーキ屋さんへ行きました。
お店に入った瞬間の、あの独特の甘い匂いがことのほか好きで。
そして、真っ白な白衣を着たおじさんがケーキを入れた箱に綺麗にリボンをかけて渡してくれた、とても幸せな思い出です。
幼かった私は、何度ケーキ屋さんに通ったのでしょう。
ワガママで贅沢な子供だったと、今でも母に言われます。 笑
そんなワガママな少女が大人になったいま、一番のお気に入りのチーズケーキがあるのです。
売っているお店は、町の外れで家族で営んでいる小さなお店。
昔ながらのケーキ屋さん。
あの頃の私のように、ママに連れられた小さな子が普段着のままで訪れる。
脇のコーナーではコーヒーも飲めるし、キャンディやお煎餅も売っている。
とっても素朴で暖かなお店。
ここのチーズケーキは本当に美味しい。
評判を聞いて遠くからも買いにくるほど。
(実際、私んちからも車で2時間w)
田舎町で営んでいるのが勿体無い程の美味しさなので、「街に出たら如何ですか?」と、おじさんに勧めた事がある。
おじさんは、「私の作るケーキを愛してくれる、地元の人に貢献したいのだよ」
と、当然のように仰った。
温かな思いで丁寧に作られるそのケーキは、とっても優しい舌触りと味がします。
あのお店の、おじさんとおばさんの人柄そのままのようなケーキなんです。
とても久しぶりに買ってきました。
私にとってはやっぱりこれは、スイーツじゃなくケーキなんです⭐︎