【兵庫県】六甲山と六甲比命大善神社(2024/05/21)
「次はどこに行こうかな〜」とスマホのGoogleMAPを眺めるのが日課です。それだけで30分はゆうに消えます。
山岳やら湧水やら温泉やら雑多に「行ってみたい」に登録していて、自分でも把握できていないくらいなので新鮮な気持ちで見れます(笑)
そして現在地からのルートマップを出して、道幅が広そうか狭そうかだけチェック。案内通りに向かうのですが、その途中に何があるのかとか目的地の周辺がどうなってるのか、など見たとしても綺麗サッパリ忘れてしまうという特技(?)があるので尚さら新鮮です(開き直ってる)。
六甲山にも行ってみたいけど、道幅が狭いだろうからムリかな〜って諦めていたんですが、今回の目的地が六甲山頂付近だってことにも気がついてませんでした。いやもう、いっそ清々しいほど節穴。
六甲比命大善神社へ
今回、一番ビックリしたのは六甲山頂がこんなに観光地化してるのか!ってところでした。たぶん過去にテレビ番組とかで見たことあると思うんだけど、自分の頭の中にある「神秘スポット六甲山」という幻想が打ち消してたんだろうな。
レジャーandリゾート満載で、「エライところに来てしまった」感がぬぐえない。
そしてGoogleMAPが目的地の手前で「左折」と言った場所は、とてもキャンピングカーでは入れそうにない横道。
とりあえず安全に停められる場所まで進まなければ、と最終的にロープウェー六甲山頂駅があるガーデンテラスに辿り着きました。
・六甲ガーデンテラス・ 自然体感展望台 六甲枝垂れ - 六甲山
駐車場の整備をしていた男性に「神社に行きたいんですけど」と言ったら、すぐに「六甲比命神社ですね」と即答! 意外と参拝者が多いんですね。
「それなら」と、いくつか提案してくれました。
ここから歩いて行ってもいいんですけど、と言ったら「けっこう距離ありますよ。それにクルマが大きいから、ここだと大型車料金になると思います。離れた駐車場だったら今日なら大丈夫ですよ」と親切に教えてくれました! ありがたい〜。
教えてもらった六甲ガーデンテラス第3駐車場へ。入り口ゲートでの先払い方式です。出てきた駐車券を出口ゲートに差し込み退出。なくさないようにせねば。
平日で空いててよかった。もし満車になるような時期だったら、きっとここもバス料金になったと思います。
小さなリュックにお財布とお水とカメラを持って出発。天気がいいので帽子も忘れずに。
さっき通ってきた道を引き返すだけなので方向オンチでも安心♪
写真:下=空気弁のマンホールの蓋。懐かしい90年代を彷彿とさせるデザイン。
右手には『六甲山アスレチックパークGREENIA』の第3駐車場。料金は同じ、終日1,000円です(※繁忙期は2,000円)。
神社からは、ここが一番近い。ここに停めてもいいなと思ったけど、後でお昼ごはんを食べに山頂に戻ることを考えたら同じかな。
(ちなみに、この時すでに12時)
上の看板には「近畿興産 六甲山荘」。下の、矢印のついた看板は「長瀬山荘・Mt.Vila.MATSUI・㈱エイフ六甲山荘・日本経済新聞六甲研修所・ROKKO HELLO-ENN」と書かれていて、どこにも「六甲比命大善神社」の文字がなかったけど、GoogleMAPではこっちで合ってるはずなので向かってみます。
民家っぽい建物が何軒か建っていますが人影はなし。看板に載っていた山荘などで普段から人がいるわけではないのかな。
このマンホールの蓋のデザインも可愛かった♪ 影がないところを探したけど、この1個しか見つからなかった。
先程の看板に載ってた「エイフ六甲山荘」で行き止まり。駐車禁止の注意書きがありました。普通車なら間違って入ってきてもUターンできます。
左上の看板には「雲ヶ岩を経て六甲比女大神 心経岩→」。ここから歩いて行くようです。
足元には「神社参拝の方は六甲山の上美術館前の専用駐車場をお使いください」とあります。えっ、専用駐車場があったんだ?!
しかも今(執筆中)調べたら、RVパークにもなってるではないか!!!
・六甲山の上美術館 さわるみゅーじあむ
・RVパーク六甲山の上美術館
しかし1泊5,000円かぁ…。お一人様には現実的じゃないなぁ。
森の中に入ってすぐ、巨岩が目に飛び込んできました。
山道は尾根のような感じなのですが、よく落ちないものだ。
くにゃくにゃと曲がりくねった木々の枝ぶり、その先にテーブルのような四角い巨石が横たわっています。
この時は分からなかったのですが、こちらが「心経岩」。
巨岩の上には小さな石祠と石碑が祀られていました。
例によって、あまり下調べをしていなかったので「ここが六甲比命大善神社?」と半信半疑。(違います)
右の丸っこい石碑には、「花山法皇 熊野権現 仏眼上人」と彫られています。謂れなどの案内もなかったけど、ここが特別な場所なんだろうなという事は肌で感じます。
先にネタバレ(?)になっちゃいますが、以下に説明を掲載します。
さらっと書いてあるけど「法道仙人が作った心経岩」って!!!
四角いベッドのような岩が横はまだしも縦にも。どうやって運んだのか? それとも巨岩を四角く削ったのか?
この時は、そんなことはつゆ知らず。なにせ心地よいそよ風と木陰に癒やされまくって、しばらく座って呆けておりました。
でも、ここがゴールではなさそうだ。
意外と言っては失礼かも知れないけれど、この隠れ家的存在の史跡(&神社)目当てに参拝者がけっこうやって来る。
平日だし、誰もいないのではないかと思っていたら十数名と出会った。一般的には十数名は少ない数だけど、この山の中では多いと感じる。
他の方の足取りを頼りに、ついて行ってみた。ここから急峻な下りになります。
すぐ下に鎮座していた、真っ二つに割れた大岩。「雲ヶ岩(紫雲賀岩)」と書いてあります。
かすれて読めない箇所があるけど、「法道仙人がこの地で修行中、紫の雲に乗った毘沙門天が、この岩の上に現れたと伝わります」のよう。
以下のサイトに詳しく載ってました!
何と「雲ヶ岩は、二つに割れた岩石が据えられた人工物です」と明記されてます!
・111 兵庫県 六甲比命神社岩石群の雲ヶ岩 - イワクラペディア
さらに山道を下ります。こんな山の中なのにコンクリートの階段や建設現場の足場のようなものが組まれてる!
膝の痛みに耐えてゆっくり下りて行くと、何やら話し声が…。
巨大な岩盤に寄り添うように社殿が建っていました。そして宮司さん?がいました!!!
(ご本人は「管理している者です」とおっしゃってました)
GoogleMAPで見た時、拝殿の写真があったはずだよな〜、勘違いだったのかな〜(自分が信用ならない)と思ってたけど、あったんだ!
しかし予想外すぎて一瞬、言葉を失った。明らかにポカーンとしてた。
居合わせた崇敬者が「よく知らずにここに来る人も珍しい」と驚いてた(苦笑)。
「ささ、まずは本殿にお参りを。お社の裏側ですよ」
促されて、岩壁と社殿の間をすり抜けて裏側へ周ると、岩に亀裂のような割れ目があり、そこに小さな本殿がすっぽりとはまっていました。
その写真はネットで探せば出てきますので、ここでは載せないでおきます。
とても狭く、参拝するには3人くらいが限界でしょうか。冷えた空氣が凛としていて、それでいてしっとりと包み込むような空間です。拝殿の外側とは気温が違うくらいに感じました。
ここが瀬織津姫にまつわる大切な場所である事は、後ほど教えていただきました。
お参りの次は「先に磐座へお参りされてはどうでしょう。ウサギの形をした巨岩ですよ」。
えっ、この壁みたいな岩が磐座だと思ってた。ひとつじゃないのね。
階段の先を見れば、またしても急な坂道というか崖に近いんですけど、先程のように手すりなどが設けられています。本当にありがたい。
これらは管理人さんの奥様がコツコツと整備されているそうです! 凄い、凄すぎる。
巨石の下には花などのお供え物が。
そして頭上には…
大きな岩が積み上がっています。正直、ウサギには見えなかったんですけど(笑)
心経岩も雲ヶ岩も人工物、ということはまさかこれも…?
この磐座は天然にできたものではなく、縄文時代、縄文人たちの手によって積み上げられた人工物とされているそうです!
一説によれば縄文中期(紀元前5,000年頃)にできたのではないかと云われてます。一体どうやって?!
大きさが伝わるでしょうか。
縄文の叡智に少し触れさせていただきました。しっとり、ひんやりとした感触で、でもおおらかであたたかな雰囲気でした。
社殿に戻って、関連資料のコピー(無料)をいただいたり、管理人さんや崇敬者の方のお話を聞かせていただいたり、トータルで2時間くらい堪能しました。
隠された神・瀬織津姫にまつわるお話が興味深く、また、「ここも訪れてみたらどうか」と関係する神社などを教えていただきました。
忘れないようにGoogleMAPに登録したけど、わたしのことだからまた真っ更な気持ちで「こんなとこあったんだ!」って感動しそう(笑)
ここは、ふらっと来て済むところじゃなかった。近くの『六甲山カンツリーハウス』敷地内に、天穂日命の磐座もあるらしいし、もっと時間をかけてじっくり感覚を味わいたい。
あの管理人さんは、だいたい毎日いらっしゃるそうです。
御朱印や水琴鈴のほか、この地で採集した熊笹で作った炭と塩を配合した『甘塩坊黒龍』を購入しました。
来てよかった。ココロもほくほくです。
六甲ガーデンテラス
六甲山は、江戸時代以前までは武庫(むこ)という漢字があてはめられ、「むこうやま」「むこやま」と呼ばれていたそうです。
御祭神名は当初は「むかつひめ」と呼ばれ、近世までは「むこ(う)ひめ」と呼ばれていたものと思われます。
六甲は「むかつ」とも読めます。
賀茂真淵(かものまぶち)の『冠辞考』「あまざかるの項」に記されているように、「向かつ峰」の名が伝わっています。
※枕詞「天離(あまざかる、あまさかる)」は、空のむこうに遠く離れているという意味で、「鄙(ひな)」「向かふ」にかかる。
六甲山はかつて、廣田神社(西宮市)の社領であり、廣田神社の御祭神・撞賢木厳之御魂天疎向津媛命(つきさかきいつのみたまあまさかるむかつひめのみこと)と六甲山の旧名が一致します。(六甲比命大善神社 公式サイトより抜粋)
それがさて、どこで瀬織津姫とつながるのか?
今はまだ、神のみぞ知るところかも知れません。
そんな神秘の六甲山。現実に戻ってきました。
写真:上段=ガーデンテラスの展望デッキからは、明石海峡から大阪平野まで一大パノラマの眺望が広がっています。夜は夜景スポットとしても人気。
下段=網目のドームは、自然体感展望台「六甲枝垂れ」という名前。
周辺マップ。広大な遊園地みたい。
『六甲ビューパレス』で遅いランチにします。すでに14時半、店内はガラガラで、迷うことなく窓際のテーブル席を選ぶ。
やっぱりカレー。近年では珍しいスタイルで来ました。どう食べようが構わないんだろうけど、正しい食べ方が分からない。
味はオーソドックスな辛みとコクのあるカレーで、この場にふさわしい万人受けしそうな安心感あるものでした。
お値段1,000円も、この景色とともにいただけるなら納得です。
GoogleMAPと関連リンク集
・六甲ガーデンテラス〜六甲山の上美術館〜六甲比命大善神社(GoogleMAP)
・六甲比命大善神社
・六甲ガーデンテラス・ 自然体感展望台 六甲枝垂れ - 六甲山
・六甲ビューパレス
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