【再会】約四半世紀のお付き合い〜愛媛・八幡浜（2024/05/10）

2024年5月25日 16:52

今年の旅の行程は何〜にも決めていませんでした。
ただ、ここ数年はほぼ同じルートで関門トンネルを抜けて山口県から日本海沿いを北上していたので、久しぶりに四国に行ってみようかな？と思いつきました。

四国といえば心残りがありまして。古くからの付き合いあるご夫婦が経営していたお店を閉められる時に駆けつけられなかったのです。
今回、急だけどフェリーで四国に渡りますとLINEを送ったところ、「気をつけておいで。飲もうや。」と快く返信してくれて、一気にテンションがあがっちゃいました。

菊池から阿蘇を回って臼杵港へ。
道の駅阿蘇に立ち寄った以外はノンストップだったので、予定よりもずいぶん早く到着してしまった。

予約してたフェリーは『オレンジフェリー（九四航路）』で臼杵港15：40発→八幡浜港18：00着の便。なんと２時間近くもある。

待合所に行って初めて『宇和島運輸フェリー』も同じ港から就航するのだと気づきました。（むか〜し乗ったことがあるのに忘却の彼方）
窓口で訊ねてみたら、14：40発→17：00着の便に空きがあるとのことで、オレンジフェリーの予約をキャンセルさせてもらって、こちらに乗ることにしました。

先方に、「到着が１時間早くなります」とLINE。あとで聞いたところによると、ふだんから夕食の時間が17時と早いそうで、17時到着に変更して良かったです。

臼杵〜八幡浜のフェリーも久しぶりです。
愛媛に行くのはいつぶりなんだろう？と自分の過去ブログを検索したら、2015年。え？そのあと行ってない？ 2016年が熊本地震だよね…。おとーさんとフグ食べに行ったの、いつだった？
コロナ禍から行ってないのは間違いないけど、2017〜2019年あたりで行ったような？

そんな事を思い出しながらの（思い出せてない）船の旅。

佐多岬を横目に眺めながら、初めて会った日のことを思い出していました。
わたしの旅日記ブログを長年追ってくださってる読者様はピンときたかも知れません。八幡浜のフグ（ふく）料理店『大島屋』さんの事です。

出会いは2002年。父のパジェロを借りて、四国～山陰・山陽めぐりへと出発。大分・佐賀関からフェリーで愛媛・佐田岬（三崎港）に渡った１日目の夜、三崎港周辺に何もなかったので八幡浜まで走り、晩ご飯を求めて町をさまよい歩いてみたものの、どこもかしこも閉店済み。
コンビニも見当たらず、途方に暮れていた目に飛び込んで来たのが【大島屋】さんの暖簾でした。
そこには、「ふぐ料理」と書かれています。

二十代の貧乏旅行、尻込みしましたが空腹に耐えかねて暖簾をくぐり…
「す、すみません、よ、予算があんまりないんですけど…」

一見、頑固親父ふうの口調だけど優しいご主人と奥様。「残ってるものしか出ないよ」と言いつつ予算内で豪華に仕立ててくださいました。

当時はまだ珍しかった車中泊の旅に興味を持ってくれて「帰りにもまた寄りぃや」と言ってくれたので（でも内心では来ないだろうなと思ってたそう・笑）、十日後に「帰ってきました〜」って来店したら喜んでくれて、閉店後に釣りに連れて行ってくれたんです！
お仕事で疲れているのに夜中まで…本当に楽しかった。

詳しくは、過去ブログ記事にて回想しています↓
・2015年12月08日【八幡浜のふぐ料理店・大島屋さん】

当時は八幡浜港と漁港、魚市場のみでした。その後、魚市場が大規模にリニューアル、さらに隣接して新設されたのが『道の駅みなとオアシス八幡浜みなっと』。道の駅が出来た時は「大島屋さんに行きやすくなる！」と喜んだものです。
道の駅のレストランも海鮮が美味しいですよ♪

こちらのアーケード街に移転されたのは2008年でした。
天然トラフグしか扱わない、素材に妥協しない名店で年末などは予約が取れないほどでした。
常連さんとも仲良くなったりして、一緒にお酒を酌み交わしたり、ご馳走してもらっちゃったり、クリスマスにはケーキを買ってきてくれたり。
今は亡き愛犬マリリンも可愛がってもらいました。

かつてのお店の近く、路地裏にいるとのことで向かってみると、お二人揃って出迎えてくれました。
わぁ〜〜〜！お久しぶりです〜〜〜！！！
「変わらんねぇ」「お二人も！お元気そうでよかった」「おれはアカンけどな」

半世紀も頑張ってきた仕事を辞めて、プレッシャーや責任から開放されたからか、がっくり来ちゃったのか、ご主人は少し気が抜けた様子でした。
かつての威勢のいい頑固親父らしさが抜けて、穏やかな雰囲気で、そして隠しきれないくらい嬉しそうな表情だったのが印象的でした。

奥様の方は、持病はあるものの「健康のために」と毎日なんkmも歩くくらい元気！そして快活なお喋りも健在です。
来てよかった。

電話で「家の隣が居酒屋になってるから、そこで飲もう」って聞いてたから、てっきりお店に行くんだと思っていたら、自宅の一部じゃないですか！「居酒屋になってる」ってシャレだったんですね？！

奥様が腕によりをかけて豪華なおもてなし料理を揃えて待っててくれました！！
これ１枚しか写真を撮ってないのは惜しかった。１品づつアップで撮るべきだった〜〜〜。すぐ乾杯、食べ始めちゃった。

実はご主人は下戸で、奥様もビールか焼酎を少しだけという感じなのに、わたしが純米酒好きなのを覚えてくれていて「こないだの飲み会の残りだけど」と、こちらの地酒・純米吟醸城川郷をとっておいてくれたんです。

フルーティなのに旨味もあって美味しかったです。愛媛の地酒って馴染みがなかったけど、これは見つけたら買いたいくらい好みの味でした。

で、「これだけじゃ足りんやろ」と酒屋さんに電話してくれて、配達してもらいました（笑）

互いの近況や昔話などに花が咲き、ついついお酒も進み（いつものことだけど）、お開きになったのは21時頃。
わたしは歩いてキャンピングカーまで帰ったのですが…。千鳥足で不慣れな土地の暗い夜道…、段差に気づかず一瞬にして盛大にコケました。
予測してなかったので受け身？も何もなく、顔面直撃。メガネが割れなかったのは不幸中の幸いでした。

右側の顔面、右肩、右手、右膝、なぜか左膝も強打。いったい、どんな転び方をしたんだ？一瞬すぎて訳が分からなかった。
とりあえずクルマまで戻って、歯磨きもして、擦り傷を洗って『ばんのう酵母くん』を塗って就寝。

翌朝、トイレに行って鏡を見て思わず「うわぁ」と声が出た。予想以上に酷い有様。
メガネも擦り傷だらけで使えないから度入りのサングラスをかけて、おデコの傷は帽子で隠して、鼻と口元はマスク。ヘンタイやん。いや、でもまだマスクしてる人は多いからね。そこまで目立たないよね？

今日はご夫妻がランチに連れて行ってくれるのですが、会ってビックリしないように朝からLINEしました。
「ごめんなぁ、昨夜、送って行ったほうがええんちゃうかてダンナとも言ってたんよ。送ったればよかった〜」
いやいや、飲んでる時は意外としっかりしてるように見えるんで「大丈夫！」って断っただろうし、自業自得です…。

でも両膝やっちゃったんで歩くのがしんどくて、クルマで送り迎えしていただきました…。
「ええんや、どのみちダンナも歩かへんし」
お気遣いが身にしみる。

連れて行っていただいたのは、創業昭和23年、八幡浜ちゃんぽん発祥の『ちゃんぽんの丸山』。ご夫婦は先代からの常連です。

その前に、ここまで歩いている途中、「最初に店があった場所はここや」と近くの建物を教えてくれました。
もう記憶が朧気だったけど、あぁ、ここに暖簾が下がってたなぁ〜って懐かしく振り返りました。ここだけ明かりが点いてて、引き寄せられたあの光景。けっこう歩き回ったんだよなぁ。お腹すいてたもんなぁ（笑）

ちなみに道の駅『みなとオアシス八幡浜みなっと』から『ちゃんぽんの丸山』までは、真っ直ぐ来れば約１kmくらいです。

開店11時にはもう満席で、ちょっと待って20分くらいに入店。
「ここは何を頼んでも美味しいよ」と奥様。悩む〜〜〜けど、初めてのお店では、やっぱり定番の看板メニューを頼まないと。って事で「ちゃんぽん」をオーダー。“特製”ちゃんぽんもあったんですけど。

スープがすっきりしてるのにコクもしっかりあって美味しい！
お野菜シャキシャキ、麺モチっとし過ぎず太さもいいあんばい。
あっという間に食べちゃいました。男性だと量が少なく感じるかも？
最後にライス＋スープも美味しそう〜。

こちらがメニュー。お持ち帰りもできます。

送り迎えしていただいたうえに、ご馳走になってしまいました。本当に有難うございました！
名残惜しかったけど、次の予定があったためすぐに出発しなくてはなりません。

「気ぃつけて、またおいでな」
「はい！おふたりとも、お元気で！！」

手を振り見送りながら、ちょっぴり切ない初夏の午後でした。

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・菊池〜臼杵〜八幡浜（ちゃんぽんの丸山も）

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