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徳島の川の話

徳島にはたくさんの川が流れている。吉野川、穴吹川、海部川、鮎喰川、勝浦川、それぞれ雄大な川、澄みきって浸けた足が丸見えになる川、魅力的な川ばかりだ。
子供のころは、しょっちゅう家族で泳ぎに行き、河原でバーベキューをしたり、ちくわやうどんを餌に川魚を釣ったり。幼少期から、遊びは川が中心だった。
川の、急に深くなるところ、なんでかわからないけど急に深くなって流れが複雑になっているところで潜り、透明のゴーグル越しに水中を眺めるのがたまらなく好きだ。
汗まみれの体でキレのある冷水に飛び込み、体がサラサラになっていくのを感じるのが好きだ。
この感じ、分かる人には分かるのではなかろうか。
そんな川好きの私、いくつか川にまつわる話を書いてみようと思う。

吉野川

吉野川河口近くの町で育ったから、まず吉野川が一番身近で、もう毎日見てて、吉野川沿いの土手を走った距離は地球一周分はあると思う。
眉山とのコントラストが美しい。朝の8時頃、旧吉野川橋の北側の土手から眺めるのがオススメ。

風の強い日、一才くらいの私と両親3人で吉野川大橋の下で弁当を食べてたんだって。すると、眼の前のキラキラした流れの中、小さな船がスーッと眼の前を通ってきて、船上から誰か手を振ってくる。誰かと思えばじいちゃんで、「そんなとこで弁当食うてたらりょう君風邪ひくやろ!」と、叫んできたらしい。父から聞いたこの話、気に入ってる。

今では、私が一才になった自分の子供を連れて、その吉野川大橋を眺めたりしてて、過去やら現在やら未来やら、よくわからない。インターステラーの終盤、主人公が到達した五次元の世界にいる感じがする。

川、写ってない。。。すいません。

勝浦川

少年時代、一番泳ぎに行ったのがこの川。
よく泳いだスポットに、鉄橋がかかっていて、その下でしょっちゅうバーベキューをしていた。
そのとき作った俳句がなにかの賞に選ばれたっけか。
川遊び 見知らぬ犬に なつかれた

大人になってもよくバイクで降りて行って河原で読者したりした。
飛び込みスポットも多くて、徳島市内から川遊びをしに行くならまず勝浦川がオススメだ。

穴吹川

徳島ではトップクラスにきれいな川だ。
下流に車を置き、清流に沿ってブルーヴィラあなぶきという素晴らしい温泉施設くらいまでランニングするのがオススメ。
穴吹川を眺めながらランニング→ブルーヴィラで風呂→「おはな」のうどんを食う
これが弟とお決まりの徳島西エリア最強コースだった。だった、というのは、もう「おはな」山川店がなくなってしまったのだ。。。
突然の出来事で、受け入れるのに時間がかかった。
夏の暑い日、もう一度あの冷たいざるうどんをズルズルズル!とかき込みたい。

海部川

一番お気に入りの場所。


美しいんです。
潜るとこんな感じ。

説明するよりも写真のほうが分かりやすいです。
キンキンに冷えていて、透明で、エメラルド色にも見えて。
東京に住んでいた時、友人に徳島の行くべき場所はどこか、という
質問をされると、絶対海部川と答えてたな。
何をするの?
泳ぐの。それだけかな。シンプル。
本当に行って、感動してくれて、それから毎年訪れているのは一人。
彼と彼の家族は、私や弟と同じ感覚でこの場所の魅力に取りつかれた様子。
空気、風、水、砂利、石壁、田んぼ、ぜんぶ、人の手ではなくただただ
時の流れのままその状態になった、という世界を、味わう、みたいな
感じ、、なんだろう説明しにくいんだ。
夏が近づくと、海部川になんだか呼ばれているような気になるんです。


徳島に生まれてよかったと、それぞれの川に思いを馳せるたびに思うのです。

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