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私を構成する5つの漫画(夫編)

夫です。
「私を構成する5つの漫画」というタグがあるからそれをやろうぜと妻に呼びかけ、先に私の方が書き始めたのに、光の速さで妻が投稿していてソッとPCを閉じました。


ラララ〜


PCを起動しました。
寝たら意欲が出てきました。睡眠ってすごいですね。
では書いていきます。


ジョジョの奇妙な冒険(荒木飛呂彦)

私ったら構成する漫画5つというか、もはや1つなんです。ジョジョが無ければ今の私は無かったです。近年はアニメも放送されて、「To Be Continued ...」がミーム化したりとお茶の間に浸透してきてますが、軽く説明すると、

ジョースター家という一族が数世代に渡って運命を切り開いていく「人間賛歌」です。世代毎に作品が分かれており、現在は第8部を連載中です。各部ごとに主人公が違い、作中の雰囲気も異なります。

一部:野心家の吸血鬼と死闘を繰り広げるロマンスホラー
二部:ユーモアたっぷりに超生命体と戦うハリウッド映画
三部:能力者たちが次々と出てくるお祭り
四部:のんびりと能力者たちが暮らすエッセイ
五部:中学生がギャングスターを目指すサクセスストーリー
六部:脱獄囚が神父と宇宙の果てまで行くクライムサスペンス
七部:レースものと見せかけたミイラもの
八部:未だ不明

こんな感じです。入りやすいのはやはり三部なので、最初はそこから見ても構わないとは思いますが、できれば一部から読んで欲しいです。

ジョジョの魅力を語り出すと、論文みたいになっちゃうのでやめておきますが「私を構成する」という点で言えば「バランスとアイデア」は私の指標になっていると思います。私は本来舞台演出家で、「壱劇屋」という劇団では脚本・演出をしております。ジョジョは私の演劇スタイルに多大な影響を及ぼしました。

先ずジョジョは決して見やすい作品ではありません。複雑なストーリー、独特の絵柄、残酷描写や意図不明のギャグシーンなど、マニアックな面が強いです。実際私が初めて見たジョジョは第五部連載中の本誌にて、主人公のジョルノがチョコラータという敵に止めを刺す回でした。ジョルノは敵を殴る時に「無駄無駄ァ!」と言いながらボコボコにするキャラなのですが、その回は実に6ページに渡り
「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄・・」
と殴り続けたのです。こんな初心者バイバイは見たことありません。(ちゃんと読むとこれほどスカッとする演出はありません!!)(ちなみに荒木先生はまだ殴り足りなかったのか、コミックスでは見開きページが追加されて8ページも無駄無駄ァしてます。)(チョコラータはチョコラートって呼ばれたりしてて名前が安定しない敵です。)

そんな「ジョジョの奇妙な冒険」ですが、このマニアックさを持ちながら週刊少年ジャンプに掲載されていたわけです。(しかも一軍の大人気作品。)つまり広く楽しめる大衆性を保有していることが分かります。

自分の趣味趣向を存分に表現しながら、それを大衆に面白いと思わせるバランス感覚。私はこれをお手本に演劇をしています。

そしてジョジョはアイデアに溢れています。どこからそんな発想が?というアイデアがテンコ盛りです。その中でも一番はやはり、力ではなくアイデアで敵に勝つという点だと思います。力のインフレから脱却したバトル漫画という事実が私を興奮させました。
というわけで私もお手本に、舞台上で表現するのが難しい事象を、なんとかアイデアで表現しています。(というか演劇にとってはそれは普通のことなのですが。)

これからも困った時のお手本はジョジョです。第八部のジョジョリオンも先が読めなさすぎて振り落とされそうになりながら興奮して読んでいます。ありがとう荒木先生。



僕の小規模な生活(福満しげゆき)

福満先生が鬱々とした青春時代を経て、なんとか妻さんと結婚して、漫画家として鳴かず飛ばずを嘆きつつ、ちょっとずつ幸せになっていくほぼノンフィクション漫画です。(先生は「妻カワイイ漫画」というジャンルだと言ってます。)

代表としてこの作品をあげましたが、福満先生のエッセイ作品はお互いがお互いを補完しあう、誌面を越えた1つのエッセイなので、それら全てのことを指したいです。(僕の小規模な失敗・うちの妻ってどうでしょう・妻と僕の小規模な僕の小規模な育児・妻に恋する66の方法・など)

福満先生の作品は、他人の日常ってこんなに面白いのか!というのを気付かせてくれます。
さらに凄いのは、福満先生の売れない卑屈な駄目男を代表するような、「俺たちの仲間福満!」という時期を経て、割と名が通っていて、連載もあり、二児の親である現在という、リアリティがあって手の届きそうなサクセスストーリーがあり、本当に救われるのです。(先生ツイッターには「福満に置いていかれた」「成功版の俺の人生」などのリプライが寄せられている。)

おそらく私も、福満しげゆきと共に生き、共に死ぬのでしょう。

先生のお陰で日常系の漫画が大好きになり、清野とおる先生の「東京都北区赤羽」、サライネス先生の「誰も寝てはならぬ」、野村宗弘先生「とろける鉄工所」なども大好きです。



ハトのおよめさん(ハグキ)

果たしてこの漫画を「私を構成する5つの漫画」として挙げて、人間性が疑われないだろうか?可愛らしい見た目(可愛く無いのもわんさか居る)の動物たちがハードな言い回しで暮らすアニマル漫画です。ハグキっていうのは作者の名前です。ハグキ先生です。恐ろしいことにこの通称ハトよめは13年も連載していた長寿漫画で、支離滅裂なギャグ漫画な癖に最後は結構綺麗に物語を閉じていて、ハグキ先生ってやっぱすげぇ〜と思わされました。

なんというか、本当に編集さんと打ち合わせて作ってるのかも不明だし、何より「ハグキ」って名前でアフタヌーンに連載OKが通ってるのもわからんし、ていうか本当に漫画家なのかすら不明です。今は連載もしてないし、何してはるんやろ・・

そういう外側から中身まで自由奔放なこの漫画のお陰で、私もちょっとは自由なメンタルを手に入れられたと思います。

同じようなニュアンスで野中英次先生の「課長バカ一代」も大好きです。



ドカベン(水島新司)

国民的野球漫画、ドカベンです。無印ドカベンなんかは、私が生まれる前に連載が終了してます。(1972年から連載開始して、その後シリーズを変えまくりながら2018年まで連載していた。)

スポーツ漫画の面白さを教えてくれたのはドカベンです。熱い展開、濃いキャラクター、スピード感、捻られたアイデア。どれをとっても面白いのですが、「ベタ」って面白いことを学びました。わかってるんです。明訓高校が勝つのは分かってるんです。最後には山田がホームラン打って勝つって分かってるんです。そして期待通り快勝するんです。

そして「ベタ」があるから意外な展開が際立つのです。殿馬のホームランで優勝したり、弁慶高校に負けたりなどは本当にびっくりしました。今思い返しただけで鳥肌たちました。(ドカベンたちが弁慶高校に負けた時はスポーツ新聞に載ったそうです。)

スポーツ漫画によくあるとんでもない技の数々はドカベンも破茶滅茶にやっています。でもこれが、とてもアイデアに溢れているのです。よく野球だけでそんなに技を思いつくなというアイデアがドカベン(というか水島作品)にはテンコ盛りです。私はテニスの王子様も大好きなのですが、その辺りが似てるってのもあると思います。

ドカベン、思ったよりドンドン書きたい事が溢れるのですがもう1つ影響を食らった事があります。それは現実と虚構をごちゃ混ぜにして、パラレルな世界を作り出したところです。
無印ドカベンは高校三年の春までで終わります。そのあと始まったのは、他の水島野球漫画の主人公高校たち(球道くん、一休さんなど)が一堂に甲子園にやってきて、ドカベン山田太郎と戦う「大甲子園」です。水島オールスターズたちによる夢の甲子園です。

更にそのあと、プロ野球編が始まります。これは更に凄くて現実のプロ野球リーグにドカベンたちが入団して戦うのです。こんな夢みたいな世界を一人で作ってしまう水島先生は本当に凄いです。(全盛期は連載を7本同時にしていて1つも落とさなかったそうです。凄いを通り越している。)
現実と虚構を混ぜるのは私も大好きなので、4つ目に書いた割にめちゃくちゃ私を構成している漫画でした。(あと多分、私は不言実行が好きなのですが、たぶん山田の影響です。)



世紀末リーダー伝たけし!(島袋光年)

ギャグ漫画です。たけしのギャグは私を構成してます。アップテンポでシュールもベタも何でもありのギャグ漫画です。おっさんみたいな見た目の小学一年生、たけし。たけしはリーダー的存在で、リーダー故に様々な事件を解決していくのがメインです。途中からバトル漫画みたいになっちゃうのですが、暫くしたらまたギャグに急ハンドル切って戻ってくれるので安心です。何なら連載後期はシリアスバトルとギャグのバランスも良くてとても面白いです。

たぶん最初に見たギャグ漫画だと思うので、これが礎になってると思います。当時の私は爆笑しながら見ていましたし、今でも声出して笑う自信あるのですが、今の小学生や中学生が見ても笑うのか是非感想を聞きたいです。

ギャグ漫画でいうと尾玉なみえ先生の作品群も大好きです。



以上です・・・

妻のテニプリにまつわる記事は声出してワロタので、それに続けと思いましたが、めちゃくちゃ真面目な文章になってしまった・・
こうして書くと、漫画たちから演劇に多大な影響をいただいてますすね・・
最後まで読んでくださりありがとうございました・・

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失業夫婦
失業中の夫婦をサポートしていただけたら・・幸いです・・食費にします・・そんなこと関係なく、ただ楽しんでもらえたら本望です・・