広島東洋カープ ドラフト指名予想
筆者的今シーズンの振り返り
9月頭までセリーグの首位を突っ走り、今年は久しぶりの優勝かと思われたカープ。しかし終盤まさかの大失速で急坂を転げ落ち、結果は4位。9月中盤以降は頼みの投手陣が崩壊し、打線の反発力は低調なままと、目も当てられない有様でした。ちなみに筆者は巨人に優勝を決められた試合を現地観戦しており、悔しさのあまりいたたまれなくなってしまいました。
歴史的大失速の要因は、そもそも優勝を狙うことができるほどの戦力層の厚さがないこと、これに尽きると思います。先発投手陣は充実してきた一方で数年にわたって安定した成績を残してきた投手が多くなく、ベテランの大瀬良の復活がなければ駒数不足に陥る危機がありました。リリーフ陣はリーグでも随一と呼べる成績は残してきたものの、昨シーズンの柱であった矢崎や島内が打ち込まれる試合が多く、チームのストロングポイントとするにはもう数段レベルアップが求められます。
また、野手陣は秋山のほか、3連覇時には控えであった野間や堂林、すでにベテランの域に入りつつある菊池や會澤に頼りきりで、スタメン組の26歳以下の選手は坂倉、矢野、小園だけと若手の突き上げに乏しい状況がそのまま攻撃力不足に直結しました。もちろん新外国人選手の不調も攻撃力不足の大きな要因の一つですが、ここ数年にわたって大型野手を育成できていない点を無視することはできません。
これらを踏まえ、今年のカープはドラフトでどの選手を指名すべきか、筆者の考えをまとめます。
1位 宗山塁(明治大・二遊間・右投左打)
1位にはアマチュアNo. 1ショートの呼び声高い宗山を推します。左打の巧打者の二遊間という特徴は矢野や小園とタイプが重なり、カープファンの中では評価が分かれる指名になるだろう、というのは重々承知した上で、カープには指名に踏み切って欲しいと思います。宗山を指名する上でのメリットは主に以下の三つです。
①次世代のセカンド・ショート・サードを矢野、小園、宗山で担うことにより、高い守備力と一定程度の打力を確保できる
②秋山の次の世代の1番打者を任せることができる
③宗山のリーダーシップやスター性に期待できる
こうした点から、1位では競合覚悟での宗山の指名を推します。
他の1位指名候補として、野手では大商大の渡辺聖也や青山学院大の西川史礁、投手では関学大の金丸夢斗が挙げられますが、宗山以上に指名するメリットはないと思われます。渡辺は中堅を守れ、強打の右打という触れ込みがあることからカープにフィットしそうですが、秋季リーグでは三塁が主戦場で、カープのプロスペクトである内田と重なるため指名のメリットは薄いと感じられます。また西川は外野の両翼が主戦場で、指名したとしてもしばらくは野間や秋山、田村、中村貴浩、末包とポジションが重なり、出場機会が限られてしまうという懸念があります。金丸に関しては、カープの補強ポイントとして投手より野手が優先であると考えられるため、指名は見送るべきだと考えられます。
2位 徳山一翔(環太平洋大・投手・左投左打)
2位の指名では環太平洋大の徳山一翔を推します。カープでは若手先発投手がやや不足気味な上、左投手で先発に定着しているのが現状では床田と玉村のみで、昨年のドラフトでは高と滝田を指名しましたがやや苦戦気味です。左の先発投手の育成に失敗気味な球団の傾向も踏まえると、中国六大学野球リーグで圧倒的な成績を残している徳山を指名しておきたいです。
3位 竹内翔汰(立命館大・中堅手・右投左打)
3位の指名では立命館大の中堅手である、竹内翔汰を推します。カープの中堅手は今年ベテランの秋山、野間がほとんどの試合を守り、2軍でも両翼が主戦場の中村貴浩や田村、中村奨成が守っているのが現状です。手薄な中堅手を補うため、俊足強肩で来シーズンからある程度計算できる竹内の指名を推します。
4位 茨木佑太(帝京長岡・投手・右投右打)
4位の指名では今年のドラフトで豊作とされる高校生投手から、茨木佑太を推します。豪速球投手になれる素材として、将来の投手陣を支える存在となることを期待します。21歳以下の投手が少ないチーム事情とあって、先発・リリーフの起用法に関わらず補強ポイントにマッチします。
5位 齊藤大輝(東芝・一塁手・右投右打)
5位の指名では社会人の長距離砲である齊藤大輝を推します。カープでは伝統的に下位で長距離砲を指名することが多く、下位での指名が望める長距離砲として齊藤を推します。ポジションは一塁と二塁を任されることが多いですが、現状カープの二塁には菊池や矢野というライバルもいるため、今シーズンは堂林や坂倉が守ることが多かった一塁のポジションでのレベルアップを期待します。
6位 山田頼旺(中京大中京・中堅手・右投右打)
6位の指名では中京大中京高校の山田頼旺を推します。山田は強打の外野手で、中堅を守る器用さも備えています。近年カープはドラフトで、右打の野手として内田や仲田らを指名してきましたが、いづれも内野手であり、若手の外野手は左打に偏っています。外野手はベテランから中堅世代にかけて充実しているので、山田に時間をかけて長距離砲として育て上げるプランも可能でしょう。
以上、筆者のドラフト予想となります。賛否両論を呼ぶことはしかるべきだと思っていますが、さまざまなご意見をお待ちしております。
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