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面白さがわからなくなる
書いている途中で「あ、これは駄作だな」と諦めがついた短編『オートロック』を投稿したところ、現時点でおそらく習作小説には過去最多のコメントを頂戴していて、嬉しいやら恥ずかしいやら、戸惑っています。
これ、じつは昨年『サンタクロースの不在証明』を書き上げた直後くらいに思いついた一発ネタがきっかけで、当初は面白いと思っていたのですが、空き時間や移動時間にちょこちょこ書き継いでいるうちに、自分でも面白さがだんだんわからなくなってきたのでした。
ミステリの宿命ではありますが、書けば書くほど細かな矛盾点が目についてしまい、あちらを直せばこちらが矛盾し、こちらを直せばあちらが矛盾し……という負のスパイラルに陥ったのです。
編集をしている場面でも、刊行までにはその作品を何度も何度も読み返すことになりますから、読み込んでいるうちに細かな粗ばかりが目立ってきて、果たしてこの作品は面白いのか……? と不安になることがないといえば嘘になります。
鉄は熱いうちに打て、ではないですが、アイディアも本当は新鮮なうちに一気呵成に書き上げてしまえればいいんですけどね。
おこがましくも小説について私論を打っていても、しょせん編集者の書く小説なんてこの程度か、と思えば、一抹の安心材料(?)にはなるでしょうか。
結局、構想から投稿まで一ヶ月近くを要してしまいましたが、今後もなるべく月一編くらいは、推理ゲーム小説を投稿していければと思います。岩代ゆいさんが仰っていたように、たしかに「日常の謎」と「読者への挑戦状」形式の組み合わせは、あまり作例を見ない気がするので、掘り下げてみる甲斐がありそうです。
書いた私自身もすっかり忘れ去っていましたが、二月一日(土)には『サンタクロースの不在証明』解答編も無料公開します。解答期限が約一ヶ月って、自分で設定しておいてアレですが、思ったより長過ぎましたね。
それとも、一般の紙の本を読むのと同じように、解答編も同時公開して、すぐに続きを読めるようにしたほうが楽しめるんですかね? 紙の本で「読者への挑戦状」形式の作品を上梓する作家の葛藤が、少しだけわかったような気がします。
解決編で明かされた真相がどうあれ、あの同人ゲーム版『ひぐらしのなく頃に』が出た当時の、ネット上での侃々諤々たる推理合戦の記憶が鮮明に残っている世代なので、つい、ああいうのを追い求めてしまうんですけどね。
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