書ききるのが96倍はやくなった話
作品を完成させることは、とても難しい。
そんな大事なことに、長編連載を四本もやってから気がついた。
作品はどんどん増えていくのに、それ以前の作品が完結できない。
じゃあ、長編がだめなら、中編はどうだろう。
そう思って書いてみたが、未完の作品が増えただけであった。
8年ごしに2万字の作品が完結
けれど最近、ようやく作品をひとつ完結できた。
連載作品では、はじめてのことだった。
第一話の投稿が2018年、最終話の投稿が2024年。
総合文字数は2万字。1時間もあれば読了できる。
それに8年かかるなんて、自分はなにをしていたのだろうか。
全体の3/4にさしかかったあたりで、筆がとまったことだけは覚えている。
つぎの文章が出てこなくて、いい文が書けるまで放置してしまった。
「仕事でいろいろあって、執筆に割く労力が確保できなかったからなあ」
よくある言い訳だが、それが原因だと当時は思っていた。
しかし先日、その認識が覆った。
1ヶ月で3万字を書ききる
書きたいときに書いて、思いついたときに進められるだけ進める。
そんなスタイルの自分が、1ヶ月で3万字の作品を書ききった。
とても嬉しかった。おもわず拳を握りしめた。
天にも昇る心地とは、きっとこういう気分を言うのだろう。
ところで、どうして自分は書ききることができたのだろうか。
自分でも不思議だったので、分析した結果を記したいと思う。
書ききれた理由
①絶対的な締切
今回、諸事情あって明確な締切があった。
その期日に間に合わなければ、未来永劫その作品を投稿することはできなかっただろう。
そんな逃げ場のない状態が、よい方向に働いたと思う。
自分で締切を設定しても、どうしても怠けてしまうし、先延ばしにしてしまう。
けれど、自分では動かしようのないデッドラインがあれば、なんとしても間に合わせようという意志がうまれるのだ。
よく同人イベントに参加している友人の話によれば、参加するイベントを選ぶことで締切が決まり、それから書きはじめるという。
イベントの日程は個人では変えようがないので、締切をのばそうなんて考えが浮かばないのはとても良い。
これからはpixivでの執筆応援キャンペーンや、同人イベントに参加することを目標に、絶対的な締切をもって執筆したい。
②進捗の可視化
今回、デッドラインを守るために「同人手帳」という進捗管理サービスを利用した。
「同人手帳」の特徴は、お手軽にスケジュール設定ができること。
締切や作業開始日、各工程の予想時間、1日あたりの作業時間を入力すると、あとは勝手にスケジュールを組んでくれる。
各工程の進捗は1〜100%で管理するので、自分の感覚でスライドを動かすのも、ちょっと楽しい。
今回は1ページで1エピソードという構成だったので、とてもやりやすかった。
一気に書くコツをつかむまでは、話をいくつかに分割して執筆したいと思う。
③デジタルとアナログの使いわけ
創作をはじめたころ、設定も執筆も、すべてルーズリーフに書いていたのを覚えている。
あれから随分と世界は変わって、最近はnolaですべて完結するようにしていた。
ただ、執筆以外ーー登場人物や時系列といった、本文を書くうえで土台となる部分をつめるときは、ノートに手書きするのが性に合っているようだった。
あれこれ考えて決めていく段階はアナログ、本格的な執筆は専用アプリ、というように使いわけていこうと思う。
④集中できる作業環境の用意
締切が差し迫っている状況だったので、少しでも集中できる環境をつくろうと思い、創作者たちが集うdiscordサーバーに加入した。
「あとりえ」
https://disboard.org/ja/server/623501651960922129
このサーバーでは、ゆるりと作業するためのVCと、しっかり作業するためのVCが用意されている。
VCに入っておくことで、誰かに監視されているという気持ちを常にもつことができ、自然と集中できるのだ。
おかげで作業はするする進み、締切よりも1日はやく校了することができた。
集中力は偉大である。
初noteがこんなんでいいのか?という疑問はあるが、書きとめておきたいと思ったことを書けたので、よしとしたい。
さっそく次の締切にむけて、新しい作品に取りかかっている。
この記事に書いた4つのポイントを意識して、締切に間にあうように進めていきたい。