地域が元気になる唯一の方法
こんにちは。
この記事に興味を持ってくださりありがとうございます。
山口県萩市で中小企業や起業家支援をしている施設、
はぎビズでセンター長をしている獅子野と申します。
2020年に東京から萩市へ移住し3年間が経過しました。
今まで約1,500件のご相談を受けてきて、地域を元気にする唯一の方法はこれだと
改めて認識できたので、自分の現在地点備忘録として書いておきたいと思います。
1、地域の中小企業の現状
みなさんはローカルの中小企業支援ってどんなものだと思いますか?
面前にご相談者さんがいらっしゃると想像して、
みなさんならこんな相談にどう返答しますか?
Q新商品を作ったけど売れません
A1デザイナーに依頼してターゲットに合ったパッケージを作りましょう
→依頼できるお金がありません
A2営業活動して販路拡大しましょう
→営業部門がなく営業をしたこともないので難しいです
A3情報発信して商品を知ってもらいましょう
→スマホを触れないので難しくパソコンもないです
資金がない、ノウハウがない、ルールがない、
ツールがない、部署がない、人がいないなど、
地域の小規模事業者さんは少ない人数で担い合い
回しているところが多いため「ないないづくし」です。
そんな状態なのにお金がかかる提案をしてもダメですし、
上記のような全く具体的ではない提案をしても行動にうつせるステップが見えず、長引く売上低迷で自信を失っているため動けません。
大切なのは、相談から課題の本質を見抜き、事業者さんの強みを見つけ、課題解決のゴールを設定し、事業者さん目線で具体的な提案を行うことです。
2、強みを見つけ知恵で突破するビズモデル
ないないづくしの地域の中小企業に寄り添い、お金ではなく知恵で売上アップを行うのが、静岡県発祥で全国に拡がるビズモデルです。
私は4年前にビズモデル創始者の小出さんの本を読み、私がやりたかったことはこれだ!とピンときて応募しました。
なぜピンときたかというと、地方創生というワードが出てきた大学生時代、一時的にお金を使いプロ集団が素敵なパッケージを作り売上が上がり成功!と華々しく紹介されている事例を読んだとき、私は
「今までノウハウがなかったところが瞬間風速で売上UPしても、長期的戦略を立てることができず対応に追われどうしていいのかわからないのではないか」
と感じており、ビズモデルはそんな私の学生時代からの疑問をスッキリ解決してくれるものだったからです。
詳しく知りたい方はビズモデルの本を読んでいただきたいのですが、
どんな企業や人にも必ずある強みを見つけ、磨き、輝かせる具体的提案を行う力がベースとなっており、その上で、大まかに3つの特長があります。
ワンストップコンサルティング
問題指摘ではない具体的戦略の提案
継続的な伴走支援
3つの特長それぞれの説明は本を読んでいただいた方が理解できるため割愛しますが、私は特に3.継続的な伴走支援が好きです。
中小企業のみなさんと、悩み、苦しみ、考え抜き、喜びを分かち合うことがこの仕事の一番のやりがいだと思っています。
更に、ないないづくしの現状に対し、出来るだけお金をかけず知恵で売上アップを実現するという支援スタイルも、地域の現状に即した支援が出来るためとてもしっくりきています。
支援事例や日々のことについては、HPやブログに載せているのでご興味あれば呼んでみてください。
3、ビズモデルを3年実践した現在地点の結論
はぎビズのセンター長として3年間地域の事業者さんと共に走らせていただき、徐々に色んな会合や会議にお声がけいただけるようになりました。
そこで出るネガティブ意見が、
少子高齢化が進んでいる、若者が流出する、地域経済がシュリンクしていく、耕作放棄地や空き家が増えている、などどこの地域でも起きていることをマスの課題として捉えている意見や、諦めているような意見も聞かれます。
しかし私の元へ相談にいらっしゃる方々は、「今よりも良くありたい」
というシンプルでミクロな課題で来社してくださいます。
そして、共に地域の中で強みを活かした多くのチャレンジをしてきました。
小さなチャレンジは興味がない人には届かないこともあるし、
あなたがどんなに頑張っても無駄だよ、と第三者に言われたこともあります。
それでも萩市を諦めずにチャレンジを繰り返し続けていると、
「私もやってみようかな」「あの人がやったなら私もできるかもな」
というポジティブな機運が徐々に高まってきたことを感じています。
観光地でも景色やグルメは1回堪能したら終わりですが、
素敵なお店を営んでいる店主、いつ伺っても幸せそうな人との出会いがあると、繰り返しその地域を訪れたり自分の理想の姿を見つけるきっかけになったりします。
私は、地域が元気になる唯一の方法は
地域に輝ける大人や企業を増やすこと
だと考えています。
あのお店が好きだから行ってみよう、あの人に話を聞いてみたいから訪れよう、
この人がいるからこの地域は安心して子育てができる、
萩でも面白いことやっている人がいるから戻ってこよう、など、
地域内でのさまざまなチャレンジ、自分のありたい姿の実現により、
その人たちから受け取ったポジティブな波及効果が拡がっていきます。
萩から出たことがない人、一度は出たけど戻ってきた人、
移住してきた人、いろんな拠点を持っている人。
色々な価値観ややりたいことがグラデーションとなった地域は
面白く、やってみようのハードルが下がり、
結果的に連鎖的なチャレンジが起こしやすくなります。
着任と同時にコロナ禍となり消費者の価値観が大きく変化する中、今まで変わらなくても商売が成り立っていた人も、一旦立ち止まってどうするべきかを深く考える時間になったと思います。自分達の住んでいる地域をミクロで捉え現場に即した支援をし続け、オセロのように1手ずつポジティブにひっくり返すことで、点が線になり面になり、未来を作る次世代や萩に住んでいる人たちに、自分の住んでいる町が好きだ、この町でチャレンジしたいと思ってもらえる種を蒔き続けていきたいです。