つながりで超えていく②
自分はすべての物から「隔絶」され「分断」されている、という感覚が「孤独」という概念を生み、その「孤独感」が今度は「生命の危機」につながる「不安」を生む。
イギリスでは、2018年に世界で初めて「孤独担当大臣」というポストを設置しました。
これも、人がいかに生命誕生からの歴史を忘れ、あらゆるものとのつながりを忘れてしまったのか、という良い例かもしれません。
でも、今一度思い出してみてください。
あなたの体の中には、130億年以上前から続く宇宙や生命の歴史が存在するんです。
これって素晴らしいことだと思いませんか?
よく「自然と触れ合いなさい」ということを耳にしますが、それは、自分の中にある、かつての記憶を感覚的に思い出すためなのです。
それは、自分が植物だった頃かもしれないし、鉱物だった頃かもしれない。水や星だった頃かもしれません。
そして、自然と触れ合い、遺伝子の中に刻まれたかつての自分を思い出すことができれば、世界の見え方がまったく変わってきます。
自分は「隔絶」され「分断」されている、「孤独」という感覚から解放され、すべてとつながっている、という実感が体の内側から湧いてくることでしょう。
その感覚を体で思い出すことで、「安心感」が生まれるのです。
その「安心感」をベースに今の状況を改めて見直してみてください。
きっと、今の社会構造だけに縛られることのない、新しいアイデアが生まれてくることでしょう。
これは、人との関係性についても同じことが言えます。
二足歩行を始めた「猿人」から、火や石器を使い始めた「原人」、埋葬や祭りを行うようになった「旧人」という進化を経て、現代の人類と同じ形を取る「新人」が生まれました。
狩猟採取文明を築き、住居といった物に住み始めたのも「新人」からだと言われています。
そう考えてみると「人って元はそう変わらないんだな」と思えてきませんか?
この話、もう少し続きます。
Oneness
宍戸 美子