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「管」from「エスペラント/ “Human Tube”」

ホラホラ、これが僕の管だ、
骨と肉から外してみると、ああ、残念だ、
融けてしまった雪が水となり
蒸発してしまったように
かつてはあれほどあったのにもうないよ。

それは体温を放ち終わり、
あるともないとも言えない、ただの
内臓たちの輪郭の点線、
口唇からの流入、肛門からの流出、
幾分大気を換気する。

このなにもないところから、
声が生まれてきて、
愛を語ったり、神を流布したり
歌になったりしていくなんて
おかしいを超えてなんとも不可思議だね。

ホラホラ、これが僕の管ーー
もちろん、説明しているのも僕さ、
限界集落に持っていた不動産を手放した
かつての持ち主が
ツアーガイドで観光案内しているみたいなものさ。

生きているって、面倒だとも思わず
この管が黙って餌を運んでくれたんだね、
耳をすますと、
僕の名前の小さな残響が
管ともいえない虚空あたりに漂っている。

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